建設業界のDX進まない理由とは?最初にやるべきことも解説。
国内インフラのDX化が叫ばれている昨今、建設業界ではDX化が特に遅れているというのは業界内でも周知の事実です。
政府は「令和5年度までに小規模なものを除く全ての公共工事について、BIM/CIM活用へ転換(引用:国土交通省・建設事業各段階のDXによる抜本的な労働生産性向上に関する技術開発)」すること目標にしていましたが、今でもピンとこない現場担当者の方がほとんどではないでしょうか。
実際、多くの企業がデジタルツールを導入しようとしてかえって業務が増えたり、検討を先送りにしたりしている現状があります。
そこで今回は、今の建設業界でDX化が進まない本当の理由、そして成功させるためのポイントについて解説していきます。
「自社のDX化について真剣に検討していきたい」という企業様は、ぜひ「ネクスゲート」にご相談ください。
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建設業界のDXが進まない1番の理由は「DX知識のある人材の不足」
建設業界のDX化が進まない最大の要因は、DXに関連する知識に長けている人材が圧倒的に不足していることです。
DX化を進めていく中では、物心ついたころからデジタルツールに触れてきた人材が必要になりますが、言うまでもなく昨今は建設業界全体で人手が減ってきています。
今いる人員の中でDX化を進めるとなると、まずは専門知識に精通した人材を育成するところから始めなければなりません。
人員が充実している大企業ではDX化がどんどん進む一方、大半の企業では現場対応で精一杯の状況が続き、結果として建設業界全体の停滞を招いているのです。
【もっと詳しく】建設業界のDXが進まない3つの理由と解決方法とは?
人材不足以外にも、建設業界のDX化が難しいとされる理由はいくつかあります。
一つひとつ細分化していくとキリが無いのですが、大きくまとめると以下の3つの理由が挙げられます。
- 高額なコストがかかるから
- デジタル技術に詳しくない人材が多いから
- 上層部が紙ベースでの管理しか知らない
それぞれの実態を深堀りしつつ、解決方法も併せてチェックしていきましょう。
高額なコストがかかるから→ツールの導入で解決
DX化の要となるソフトウェアやハードウェアを導入するには、社員の教育訓練やシステムのアップデートなどに多額の初期投資が必要となります。
しかし中小企業や個人事業主が多い建設業界の場合、予算が限られているだけにデジタル化に多額の費用を投じることができないケースがほとんどです。
初期費用だけでなく、導入後の運用コストも長期スパンで確保しなければいけないため、費用に余裕のある大企業でもない限りDX化なんてできない…というのが現状でしょう。
しかし、買い切り型のソフトや必要な機能だけを利用できるサブスクリプション型のシステムを導入すればコストはかなり抑えられます。
ネット環境さえあれば、サーバーを購入しなくても利用できるクラウド型サービスもコスパが良くておすすめです。
最近では建設業界に特化したソフトや無料トライアルを設けているシステムも多数展開されているので、自社の予算に合わせて活用してみましょう。
デジタル技術に詳しくない人材が多いから→使い方を教えてくれるコンサル企業へ相談で解決
業界全体の高齢化に伴って、長年慣れ親しんできたアナログな業務慣習が根強く残り、最新デジタル技術を導入しても使いこなせない…というケースも珍しくありません。
しかし、高齢化が進んでいるからこそDX化が必要課題であることもまた事実です。
国土交通省が発表している通り、建設事業全体を効率化することで人手不足の課題を解消していく必要があります。
「第4期国土交通省技術基本計画」(平成29年3月国土交通省)では、生産性向上の背景にあたる建設技能者の担い手不足について、「建設分野においては、建設現場で働いている技能労働者約330万人(平成27年度時点)のうち、55歳以上が約1/3を占める等、労働者の高齢化が進行している。」等、建設現場の生産性向上は喫緊の課題。
引用:国土交通省・建設事業各段階のDXによる抜本的な労働生産性向上に関する技術開発
デジタル技術を上手に活用しない限り、人手不足や業務の停滞が慢性的に続くことになるのです。
解決策としては、デジタル技術に精通した人材が揃うコンサルティング企業に思い切って相談してみることをおすすめします。
コンサルティング企業なら自社の課題や業務フローを把握したうえで、新しいデジタルツールの導入から運用までを長期的にサポートしてくれます。
分からないことがあればすぐに頼れる存在がスタンバイしていれば、システム管理に慣れていない従業員の皆様も安心ですよね。
上層部が紙ベースでの管理しか知らない→コンサル企業に相談して説明してもらうことで解決
経営者や管理者の立場にある方が、そもそもデジタルツールをあまり使い慣れていないというのも建設業界ならではの課題です。
現場でベテランと呼ばれる世代は、紙ベースでの作業が当たり前になっているので、DX化という取り組み自体に抵抗を感じるのも無理はありません。
解決策としては、やはり建設業界に詳しいコンサルティング企業にお願いしてDX化の必要性を説明してもらい、経営層を巻き込むことが必要です。
コンサルティング企業なら、DX化を進めることで現場にどのような効果が生まれるのか、会社にどれほどの利益を生み出すのかを具体的に説明してくれるでしょう。
上層部と具体的な計画を共有することで、スムーズな導入を進めることができます。
進まない建設業界のDXを解決する2つの方法
ここまでは建設業界のDX化が進まない理由を詳しく解説してきましたが、それでは具体的にどのような施策を進めていく必要があるのでしょうか。
考えられる方法としては主に2つ、「建設業界に特化した業務効率化ツールを使用する」ことと「建設業界のDXをサポートしている企業やコンサルに相談する」ことです。
ただし、コンサルに依頼するのは費用面のハードルが高いので、まずは業務効率化ツールを導入して、自社である程度までDX化を進めてみることをおすすめします。
建設業界に特化した業務効率化ツールを使用する
もちろん、経験が物を言う経営判断や現場に即した指示出しなどは人間にしかできない仕事です。
しかし、工事台帳や原価管理、会計処理などの事務手続きの大半はデジタル技術で効率化でき、作業時間を削減することでもっと他のことにリソースを割くことができるようになります。
DX化が進んでいないと言われている建設業界でも、工事の計画や設計、施工、維持管理に伴うさまざまな業務に対応したデジタルツールが登場しているので、ぜひ導入を前向きに検討してみましょう。
具体例として、建設業界におすすめの業務効率化ツールを簡単にご紹介します。
工事台帳アシストAI|原価管理に関わる業務を効率化
提供会社 | ネクスゲート株式会社 |
料金 | 要問い合わせ |
特徴 | ・業務時間を約80%削減 ・クラウド上で使える最新型AIツール |
対応端末 | PC(Googlechrome推奨) |
無料トライアル | 要問い合わせ |
公式サイト | https://nex-gate.jp/ |
建設現場の原価管理業務を効率化する「工事台帳アシストAI」では、従来手書きで行っていた工事台帳の作成や管理を自動化することで、大幅な時間短縮を実現しています。
フォーマットが異なる書類もアップロードするだけで自動的にデータを読み取り、精度の高い原価管理を可能にします。
これまで膨大な時間をかけて台帳作成業務を行っていた現場作業員も、より重要な業務に集中することができるようになるでしょう。
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また、工事台帳ソフトは、下記の記事で紹介しているので興味のある方はご覧になってください。
▶︎【最新ツールあり】おすすめ工事台帳ソフト10選!自社に合ったサービスが見つかる!
勤CON管|出面管理に関わる業務を効率化
提供会社 | あさかわシステムズ株式会社 |
料金 | 要問い合わせ |
特徴 | ・2024年問題やフレックス・シフト制にも対応可能 ・1,000社以上の企業で導入 |
対応端末 | iPhone、Android、タブレット、PC |
無料トライアル | ○ |
公式サイト | https://kensetsu-kaikei.com/kin_con_kan.html |
「勤CON管」は建設・工事業に特化した勤怠管理クラウドサービスで、スマホやタブレット、PCのホーム画面に追加するだけで利用できます。工事ごとに勤怠入力をするため工数集計ができ、打刻漏れや36協定のエラー通知機能も搭載されているため超過労働対策にも有効です。
完成工事高10億未満の小規模な建設工事会社から、100億以上の中規模な建設工事会社まで幅広く対応しているのも嬉しいポイント。総計1,000社以上の企業に導入されている実績があり、品質面も安心です。
現場ポケット|現場管理に関わる業務を効率化
提供会社 | 株式会社アステックペイント |
料金 | ・月額契約:13,200円/月〜 |
特徴 | ・現場に必要な機能だけを標準搭載 ・操作しやすくコスパ◎ |
対応端末 | PC(Googlechrome推奨) |
無料トライアル | 要問い合わせ |
公式サイト | https://gempo.info/ |
「現場ポケット」は、福岡の塗装会社アステックペイントが提供している現場管理アプリです。工事現場に特化した機能だけを標準搭載しているためデザインがシンプルで使いやすく、他社の施工管理アプリと比較しても低コストで活用できます。
日本マーケティングリサーチ機構の調べでは、「建設業界関係者が選ぶ施工管理アプリ」でNo1を獲得している実績もあります。アフターフォローも充実しているため、DX化に取り組むための第一歩として導入してみるのが良いでしょう。
この他にも、建設業界に特化した業務効率化ツールは多数提供されています。
勤怠管理、原価管理、経営課題の改善など、自社で課題視しているポイントに沿って色々なサービスを比較検討していくことがDX化のカギです。
▶こちらもチェック:建設業向けの原価管理ソフト10選!自社に最適なシステムを選ぶポイントも解説!
建設業界のDXをサポートしている企業やコンサルに相談する
「業務効率化ツールを使ってもなかなか改善が見込めない…」
「ツールの導入に手間取っていて逆に業務が滞っている…」
自社でDX化に取り組んでみてもなかなか成果が出ない場合は、業界に精通した企業にコンサルを依頼するのも一つの手です。
建設業界のDX化に必要なノウハウを熟知している企業が自社のサポーターとして、社員の教育やトラブル対応にあたってくれます。
依頼には費用がかかってくるので慎重に検討する必要がありますが、困ったときの相談相手として頼ってみるのもおすすめです。
ネクスゲート|原価管理に関わる業務を効率化
項目 | 詳細 |
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設立年 | 2023年10月25日 |
所在地 | 東京都渋谷区代官山町8-7 Daiwa代官山ビル1階 |
提供サービス | ・工事台帳アシストAIの提供 ・建設業向けコンサルティングサービス |
公式サイト | https://nex-gate.jp/ |
ネクスゲートは、建設業界に特化したDX支援を提供し、現場のデジタル化を全力でサポートしているベンチャー企業です。先ほどもご紹介した「工事台帳アシストAI」を導入する企業様のサポートに就き、操作説明だけでなく、運用体制の構築や現場の課題解決に必要な対策も一緒に考えます。
また、導入企業様からのリクエストに応じた機能開発にも積極的に取り組んでおり、現場の負担軽減や業務効率化を全力で推し進めます。
株式会社クアンド
項目 | 詳細 |
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設立年 | 2017年4月25日 |
所在地 | 福岡県北九州市八幡東区枝光2-7-32 |
提供サービス | 現場向けリモートコラボレーションツール「SynQ Remote(シンクリモート)」 |
公式サイト | https://www.quando.jp/ |
株式会社クアンドは福岡県を拠点とするシステム開発会社で、建設現場の安全管理をサポートする「SynQ Remote(シンクリモート)」の開発・提供に力を入れています。
作業現場の進捗把握や安全管理をリモートで行える環境をつくり、現場の効率化をサポートしています。
建設業だけでなく製造業や施設・設備メンテナンス業などでも導入実績が豊富で、サポート体制も万全です。
ツールのデモ版の配信や導入に伴う説明もWebで対応しているので、DX化をこれから進めていきたいとお考えの企業様にも寄り添ってくれるでしょう。
株式会社CORDER
項目 | 詳細 |
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設立年 | 2021年2月22日 |
所在地 | 東京都渋谷区桜丘町4−17 |
提供サービス | オンライン点群処理ソフトウェア「ScanX」 |
公式サイト | https://corder.co.jp/ |
株式会社CORDERは、先進的なデジタル技術を活用し、業務プロセスの効率化や生産性向上を支援するシステムの構築を提案しています。建設業界における積算業務の効率化や業務負担の軽減に大きく貢献する姿勢を重視していて、積算代行やコスト削減に関連する事業には特に力を入れているようです。
近年ではDXの推進にも力を入れていて、ベンチャー企業ならではの柔軟なアプローチで業界のデジタル化をサポートしています。上層部のDX化に対する意識改革から取り組んでいきたいという企業様にはうってつけのパートナーと言えるでしょう。
このように近年では、建設業界のDX化の支援に力を入れている会社も増えてきています。
今回ご紹介したツールや会社はごく一部の企業ですので、より多くの企業からコンサルの依頼を検討したい方は下記の記事を参考にしてみてください。
▶こちらもチェック:【2024年更新】建設業界のDXを支援する企業一覧!どの会社に相談するのが最適?
建設業回のDXが進まない..。よくある質問をまとめました
最後に、建設業界のDX化について、多くの企業様が疑問に思っている点をいくつかご紹介します。
自社のデジタル化が上手く進まない…とお悩みの方はぜひ参考にしてください。
Q.建設DX導入にはどれくらいの費用がかかるのか?
建設DX導入にかかる費用は、導入するシステムや規模によって数十万単位で変わってくるため、具体的な数字を挙げることはできません。
一例として、先ほどご紹介した「現場ポケット」は月額契約13,200円〜ですが、ソフトによっては2倍、3倍に膨れ上がることもあります。
他にも初期費用が0円だったり、ユーザーアカウント数によって月額料金が変動したりと、費用の仕組みはシステムによってかなり異なるので、導入時は注意が必要です。
また、DX支援を行っている企業からのサポートや従業員教育などを受ける場合はもっと費用がかかるので、慎重に検討しましょう。
Q.建設業界のDXって具体的に何をするのでしょうか?
建設業界のDXとは、デジタル技術を活用して業務の効率化やコスト削減、品質向上、安全管理の強化などを図ることです。具体的には、以下の様な取り組みが挙げられます。
分野 | 具体的な取り組み例 |
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設計・積算 | BIM(Building Information Modeling)の導入、AIを活用した積算の自動化 |
調達・購買 | オンラインプラットフォームを活用した資材調達、発注業務の自動化 |
施工管理 | ドローンや3Dスキャナーを活用した現場調査、タブレット端末を用いた工程管理 |
原価管理 | AI搭載の工事台帳システムの導入、コスト分析ツールの活用 |
安全管理 | 安全教育のデジタル化、作業員の行動記録システムの導入 |
顧客管理 | 顧客情報管理システムの導入、顧客満足度調査の実施 |
Q.建設DXの導入を始めるにあたって、何から始めるべきなのでしょうか?
一口に「建設DX」と言っても実際の内容は多岐にわたるので、まずは「原価管理」や「コスト管理」といった経営に最も近いところから始めることをおすすめします。
日常的に取り組んでいる業務を見直すところから始めて、AIやデジタルツールに任せられる部分はどんどん任せていきましょう。
逆に「BIMの導入」や「ドローンや3Dスキャナーを活用した現場調査」などは規模感が大きすぎるうえに、莫大な費用がかかるのでいきなり取り組むのは現実的ではありません。
今の現場や社内の課題を洗い出し、そこからDX化のヒントを見つけていくことが大切です。
「全く何から始めれば良いかわからない..。」という場合は、建設業界のDXを支援する企業に相談するのがおすすめです。
まとめ:建設業界のDXが進まない一番の理由は「人材不足」。経営に近い原価管理からツールで効率化していくのがおすすめ!
建設業界のDX化が進まないと言われている現状は、人材不足やコスト不足、経営層の理解不足といったさまざまな課題が絡んでいます。
しかし下記の通り、人材が不足している現在の建設業界にこそ、大幅な効率化を図るDXへの取り組みは必須項目になっているのです。
少子高齢化に伴う建設業全体の担い手不足の中でも、社会基盤整備の着実な進捗に向け、建設事業各段階(計画、設計、施工、維持管理)での抜本的な労働生産性向上が必要である。
引用:国土交通省・建設事業各段階のDXによる抜本的な労働生産性向上に関する技術開発
DX化を成功させるためには、コンサルに頼るのももちろん有効ですが、まずは手近なツールを導入してみるところから着実にコマを進めていくのが確実です。
慣れないデジタルツールを導入するのは抵抗があるかもしれませんが、一度使ってみれば使い勝手の良さが分かり、業務がグッと捗るかもしれません。
特に、工事台帳や原価管理は経営に直結する重要な業務です。
「工事台帳アシストAI」のようなツールを活用することで、効率化とコスト削減を図り、DX化の実現に繋げていきましょう。
補足になりますが、下記の動画でも建設業界のDXが進まない理由について、詳しく解説されています。