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建設業で起業する際に利用するべき「助成金」とは?建設業に特化した経営コンサルタントが解説!

建設業において、設備投資や人材確保、事業基盤づくりには多額の資金が必要です。

しかし独立・起業をしたての状況では、すべてを自己資金でまかなうのは簡単ではありません。

そこで活用したいのが、国や自治体が用意する「助成金」制度です。

 

少子高齢化や人手不足に伴う不況が続く昨今では、建設業の普及を図るべく、厚生労働省をはじめとするさまざまな期間が助成金制度を設けています。

 

うまく活用すれば事業立ち上げに伴う負担を大きく軽減でき、スムーズなスタートにつながります。

 

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本記事では、これまで数々の建設業に関する知識を身に付けてきた経営コンサルタントの視点から、起業時に利用すべき主要な助成金とその活用ポイントを解説します

執筆者情報

執筆者情報:ネクスゲート代表 宮崎唯人

建設業で起業する際に利用するべき助成金7選!

建設業で起業する際に利用するべき助成金7選!

それではさっそく、建設業の起業に特に役立つ7つの助成金を厳選してご紹介します。

 

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自社に合った支援策を見つけて、事業のスタートを賢く切りましょう!

補助金・助成金制度事業再構築補助金IT導入補助金ものづくり補助金小規模事業者持続化補助金トライアル雇用助成金人材確保等支援助成金
対象者事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し
確認を受けている事業 など
中小企業
(飲食、宿泊、卸・小売、運輸
医療、介護、保育等のサービス業のほか
製造業や建設業等も対象)
中小企業者
組合
小規模事業者
特定非営利活動法人
社会福祉法人 など
【対象経費】
機械装置等費
広報費、ウェブサイト関連費
展示会等出展費 など
事前にトライアル雇用求人を
ハローワーク等に提出し
対象労働者を雇い入れ、一定の要件を満たした場合
建設キャリアアップシステム
(CCUS)を活用した雇用管理改善の取組を
行った中小建設事業主 など
受給難易度★★★★★★★★☆☆★★★★☆★★★☆☆★☆☆☆☆★★★☆☆
支給額【従業員数20人以下】の場合
成長分野進出枠(通常類型):100万円~1,500万円
成長分野進出枠(GX進出類型):100万円~3,000万円
※その他応募枠複数あり
【通常枠】の場合
1プロセス以上:5万円以上150万円未満
4プロセス以上:150万円以上450万円以下
【製品・サービス高付加価値化枠】の場合
従業員5人以下:750万円
6~20人:1,000万円
21~50人: 1,500万円
補助率:2/3
(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4)
最大4万円(月額)【建設キャリアアップシステム等活用促進コース】の場合
算定対象となる建設技能者1人あたり16万円
申請手順https://jigyou-saikouchiku.go.jp/oubo.html#a03https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/flow/https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.htmlhttps://r3.jizokukahojokin.info/shinsei.php事業主向けリーフレット建設キャリアアップシステム等活用促進コース
公式サイトhttps://jigyou-saikouchiku.go.jp/https://it-shien.smrj.go.jp/https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.htmlhttps://r3.jizokukahojokin.info/労働・雇用>トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)労働・雇用>人材確保等支援助成金のご案内
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これらの助成金は、「建設DXに活用できる補助金一覧!」でも紹介しました。

事業再構築補助金

事業再構築補助金 公式サイト
引用:事業再構築補助金 公式サイト
対象者①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業
②事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けている事業
③付加価値額を向上させる事業
受給難易度★★★★★
支給額【従業員数20人以下】の場合
成長分野進出枠(通常類型):100万円~1,500万円
成長分野進出枠(GX進出類型):100万円~3,000万円
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型):100万円~1,000万円
※その他応募枠複数あり
申請手順https://jigyou-saikouchiku.go.jp/oubo.html#a03
公式サイトhttps://jigyou-saikouchiku.go.jp/

「事業再構築補助金」は、新型コロナによる経済環境の急激な変化により、これまでのビジネスモデルだけでは持続的な成長が難しくなった中小企業を対象に、新たな取り組みを支援する目的で設けられました。

運営は中小企業庁の指導のもと、独立行政法人中小企業基盤整備機構によって行われており、競争率は非常に高いですが信頼性の高い制度として多くの事業者が利用しています。

補助対象となる取り組みは非常に幅広く、新分野への進出、事業内容の転換、経営資源の再構成、地域との連携強化など、多様な目的で活用することが可能です。

 

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建設業においても、たとえば建設DXの推進・新たな施工技術やITツールの導入・リフォーム・リノベーション事業への進出など、将来を見据えた事業展開に役立てることができるでしょう。

差別化や競争力の強化を目指すうえで、「事業再構築補助金」は起業直後のフェーズでも大きな支えとなりますので、活用を検討してみてはいかがでしょうか。

IT導入補助金

IT導入補助金2025 公式サイト
引用:IT導入補助金2025 公式サイト
対象者中小企業
(飲食、宿泊、卸・小売、運輸
医療、介護、保育等のサービス業のほか
製造業や建設業等も対象)
受給難易度★★★☆☆
支給額【通常枠】の場合
1プロセス以上:5万円以上150万円未満
4プロセス以上:150万円以上450万円以下
※その他応募枠複数あり
申請手順https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/flow/
公式サイトhttps://it-shien.smrj.go.jp/

IT導入補助金は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施している補助金制度で、中小企業・小規模事業者のデジタル化を後押しすることを目的としています

この制度では、業種を問わず幅広い分野で活用が進んでおり、もちろん建設業もその対象に含まれています。

特に、建設現場でのデジタル化(建設DX)に興味がある企業は必見です。

  

またIT導入補助金には、事業者のニーズに応じて複数の申請枠が用意されています。

  • 通常枠:建設DXを推進するITツールの導入費用を補助
  • インボイス枠:インボイス制度対応の会計・請求ソフトの導入費を支援
  • セキュリティ対策推進枠:サイバー攻撃への備えとしてセキュリティ関連のシステム導入を支援
  • 複数社連携IT導入枠:建設業者同士での情報連携や協力体制構築に向けたIT導入をサポート

建設業界でも、業務の見える化や人手不足の解消を目的に、DX化の必要性が年々高まっています。

需給の難易度もそれほど高くは無いので、導入コストのハードルを下げつつ、事業の成長を後押ししてくれる頼れる制度としてぜひ検討してみてください。

 

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実際の支給額に近いより金額を知りたい方は、公式サイトの「補助金シミュレーター」で試算してみましょう!

IT導入補助金2025 補助金シミュレーター
引用:IT導入補助金2025補助金シミュレーター

 

ちなみに、IT導入補助金を活用してDX化を進めたいとお考えの方におすすめのツールについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています!

▶あわせてチェック:【2025年最新】建設業に特化したおすすめDXアプリを紹介!無料のツールもあり!

ものづくり補助金

引用:ものづくり補助金
引用:ものづくり補助金
対象者中小企業者
組合又は連合会
小規模企業者・小規模事業者
特定事業者の一部
特定非営利活動法人
社会福祉法人
受給難易度★★★★☆
支給額【製品・サービス高付加価値化枠】の場合
(補助額上限)
従業員5人以下:750万円
6~20人:1,000万円
21~50人: 1,500万円
51人以上: 2,500万円
申請手順https://portal.monodukuri-hojo.jp/about.html
公式サイトhttps://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html

中小企業や小規模事業者を対象としている「ものづくり補助金」は、革新的な製品・サービスの開発や生産性向上を目指して行う設備投資などを支援する制度です。

建設業も対象に含まれており、新たな工法の導入やICT施工の推進など、業界の課題解決につながる取り組みに活用できます

補助率は最大で3分の2、補助上限は従業員規模に応じて最大2,500万円と高額で、起業初期の資金負担を大きく軽減できる制度です。

 

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成長を見据えた起業でスタートを切るために、積極的に検討したいですね。

この補助金では申請内容の革新性や成長性が審査の焦点となるため、難易度はやや高めです。

ただし、明確なビジョンと実現性の高い計画を持つ事業であれば、採択の可能性は十分にあります。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金 公式サイト
引用:小規模事業者持続化補助金 公式サイト
対象者【対象経費】
機械装置等費
広報費、ウェブサイト関連費
展示会等出展費、旅費、開発費
資料購入費、雑役務費、借料
設備処分費、委託・外注費 など
受給難易度★★★☆☆
支給額補助率:2/3
(賃金引上げ枠のうち赤字事業者は3/4)
申請手順https://r3.jizokukahojokin.info/shinsei.php
公式サイトhttps://r3.jizokukahojokin.info/

創業時には顧客獲得や自社の認知度アップが重要課題となるため、チラシ・ホームページ制作や設備投資などに費用がかかりがちになります。

小規模事業者持続化補助金は、そんな販路開拓や業務改善を目的とする取り組みに対し、経費の一部を支援する国の補助金制度です。

事前に策定した経営計画に基づき、商工会・商工会議所のサポートを受けながら実施する事業が対象となります。

 

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補助率は原則2/3、上限は通常枠で50万円ですが、応募枠によっては最大200万円まで補助額が拡充される場合もあります。

 

小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブック p3
引用:小規模事業者持続化補助金<一般型>ガイドブック p3

 

ただし、申請にあたっては書類の正確さや事業内容の実現可能性なども厳しくチェックされるので、しっかりとした準備と明確な事業方針をもって臨む必要があります。

業務改善助成金

引用:厚生労働省 | 事業改善助成金
対象者①中小企業・小規模事業者であること
②事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が
50円以内であること
③解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと
受給難易度★★☆☆☆
支給額生産性向上に資する設備投資等にかかった費用に
一定の助成率をかけた金額と助成上限額とを
比較し、いずれか安い方の金額
申請手順業務改善助成金の手続き(フロー図)
公式サイト 雇用・労働 > 業務改善助成金

業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者が①生産性向上を目的として設備投資などを行い、同時に②事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合に、その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。

最新の機械設備を導入し、従業員の技能向上を図る教育訓練を実施する際などに活用できます。

助成金を受け取るための条件は以下のとおりです。

  • 中小企業・小規模事業者であること。
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること。
  • 解雇や賃金引下げなどの不交付事由がないこと。

申請は、事業場内最低賃金の引き上げと設備投資の計画を立て、交付決定後に計画どおりに事業を進めた場合に採択されます。

事業の結果を報告することで、設備投資などにかかった費用の一部が助成金として支給される仕組みです。

 

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具体的には以下のように、コース区分や賃金の引き上げ額、労働者数などによって助成上限額が細かく定められています

やや複雑ではありますが、以下の要件を満たせば高確率で助成金を受け取れるため、当てはまる方は要チェックです。

 

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受給の条件の一つである「生産性向上を目的とした設備投資を行うなら、DXツールを取り入れるのがおすすめです

トレンドのAI技術やクラウドシステムを活用して、ペーパーレス化やテレワークを推し進められます。

▶参考:建設DXとは?何のためにするの?建設DXのプロが解説!

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金
引用:厚生労働省 | トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)
対象者事前にトライアル雇用求人を
ハローワーク、地方運輸局、職業紹介事業者に
提出し、これらの紹介により対象労働者を
原則3か月の有期雇用で雇い入れ、
一定の要件を満たした場合
受給難易度★☆☆☆☆
支給額最大4万円(月額)
申請手順事業主向けリーフレット
公式サイト労働・雇用>トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、雇用開始から最長3か月間、対象労働者1人あたり月額最大5万円の助成を受けることができる制度です。

「長期離職でブランクがある」「母子家庭で働き口が見つからない」などの理由から、すぐに正規雇用につなげるのが難しい求職者を一時的に試用雇用し、適性を見極めたうえで常用雇用につなげることを目的としています。

 

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労働者の能力や職場との相性を確認できるため、早期退職やミスマッチを防ぐことができ、雇用側にも求職者側にもメリットの多い制度です。

申請にはハローワークの紹介を通じる必要がありますが、受給の条件はそれほど複雑ではないのでぜひ活用したいところですね。

 

引用:事業主向けリーフレットより

起業後のネックになりやすい人材確保への対策として、積極的に活用していきましょう!

人材確保等支援助成金

厚生労働省 | 人材確保等支援助成金のご案内
引用:厚生労働省 | 人材確保等支援助成金のご案内
対象者建設技能者の能力・経験に応じた適切な処遇を
目的として、建設キャリアアップシステム
(CCUS)を活用した雇用管理改善の取組を
行った中小建設事業主 など
受給難易度★★★☆☆
支給額【建設キャリアアップシステム等活用促進コース】の場合
算定対象となる建設技能者1人あたり16万円
申請手順建設キャリアアップシステム等活用促進コース
公式サイト労働・雇用>人材確保等支援助成金のご案内

​人材確保等支援助成金は、人材の確保と定着を図るために、働きやすい職場環境を整備する事業主をサポートしてくれる助成制度です。

申請時には複数のコースが設けられていますが、建設業で起業を予定されている方にとって特に関連性が高いのは、以下のコースです。​

 

  • 雇用管理制度・雇用環境整備助成コース:​賃金規定や人事評価制度の導入、業務負担を軽減する機器の導入などを通じて、従業員の離職率低下に取り組む
  • 建設キャリアアップシステム等活用促進コース:​建設業界における技能者の能力評価や資格取得を支援し、キャリア形成を促進することで人材の定着を図る ​

​建設業界は人手不足が深刻化しているので、事業の成長に直結する助成制度とも言えます。

また上記のコース以外にも、以下のようにさまざまな応募枠が用意されているので、自社に合った応募枠を見つけておきましょう。

  • 中小企業団体助成コース
  • 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
  • 作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)
  • 外国人労働者就労環境整備助成コース
  • テレワークコース

 

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人手不足や高齢化が深刻な建設業においては、人材確保にもコツがあります。

採用活動にお悩みの方は、助成金制度と併せてポイントを押さえておきましょう!

▶参考:【2025年版】建設業で人材を確保する方法3選!建設採用のプロが徹底解説!

建設業で起業する際に助成金を利用するデメリット・注意点はある?

建設業で起業する際に助成金を利用するデメリット・注意点はある?

助成金は、創業初期の負担を軽減できるという点で、建設業での起業を後押ししてくれる頼もしい制度です。

しかしその一方で、注意しておくべきポイントやデメリットもあるため、申請前にしっかりと把握しておくことが大切です

 

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この章では、実際に助成金を利用する際にありがちな3つの落とし穴について、具体的に解説していきます。

提出書類が多い

助成金の申請では、申請時と事業の完了報告時どちらのタイミングでも、非常に多くの書類を用意しなければなりません。

事業計画書や資金繰り計画、法人の登記簿のほか、雇用契約書などを見られる場合があり内容もかなり具体的です。

 

提出が必要な書類の例

【申請時】
事業計画書、DX導入の目的・効果を示す資料、法人証明書類、見積書など

【実績報告時】
領収書・請求書、振込証明、導入したシステム・機材の写真、業務改善の成果報告など

建設業の場合はさらに、建設業許可証や安全管理体制、施工体制に関する資料なども求められることがあります。

 

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もし内容に不備があると差し戻されてしまい、再提出となることも。

評価が下がったり、支給が遅れたりする原因にもなるため、余裕を持って準備を進めなければいけません。

審査が通らないケースがある

助成金は申請すれば必ず受け取れるものではありません。

制度によっては応募数が多く、審査に通るのが難しいケースもあります。

特に「IT導入補助金」「事業再構築補助金」などの補助金は、支給額が高額なうえに対象となる企業も多いため、採択率が50%を下回ることもあるほどです。

information

2024年の事業再構築補助金第12回公募では、全業種の採択率は26.5%だったという結果が出ています。

▶参考:事業再構築補助金第12回公募の結果について 令和6年11月事業再構築補助金事務局

 

厳しい状況の中で審査に通るためには、許認可の取得状況から人件費まで、明確な費用計画をもって事業の信頼性をしっかりと伝えることが重要です。

 

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「とりあえず申請してみる」という気軽な気持ちでは、書類の内容が不十分になりがちなので審査を通過するのは厳しくなりますよ。

事業の目的や実現性、地域への貢献などを丁寧に盛り込み、読み手に事業の社会的意義が伝わるよう工夫しましょう。

支給まで数ヶ月かかるケースがある

助成金は、申請してすぐにお金がもらえるものではありません。

多くの制度では申請 ⇒ 審査 ⇒ 採択通知 ⇒ 実績報告といったステップを経たうえで、ようやく支給が行われます。

そのため、実際に資金が手元に届くまでに数ヶ月かかるケースも珍しくありません

information

申請から支給まで3〜6ヶ月かかる制度もあるので、助成金を事業資金の前提にしていると、キャッシュフローに不安が生じるリスクがあります。

また、助成金の支給は「後払い」が原則ですので、対象となる経費を一度自社で立て替える必要がある点にも注意しましょう。

 

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自己資金や別の資金調達手段と併用しながら、余裕をもって資金計画を立てておくことが大切です。

建設業で起業する際に助成金を利用する流れ

建設業で起業する際に助成金を利用する流れ

 

助成金は「申請すれば自動的にもらえるもの」ではありません。

書類の準備や審査、事業実施後の報告まで含めて、要項に沿ってきちんと進めないと採択の対象から外れてしまうことになります。

 

本章では、建設業で助成金を活用する際の一般的な流れを6ステップに分けて解説します。

  • ①支給要項を確認する
  • ②提出書類を準備する
  • ③書類提出をして審査を受ける
  • ④審査に通ったら事業を行う
  • ⑤事業の完了報告をする
  • ⑥補助金・助成金が支給される

これから申請をしようと思っている方は必ずチェックしておきましょう!

①支給要項を確認する

助成金は国や自治体によって内容が異なり、それぞれ対象となる業種や事業内容、支給条件、申請期限などが細かく定められています。

建設業でも利用できる制度は複数ありますが、どの制度が自社の事業に合っているかをしっかりと見極めることが重要です。

支給要項では以下のような項目を特に注視しましょう

  • 対象事業の種類(例:設備投資、人材育成、業務効率化など)
  • 申請可能な事業者の条件(例:創業○年以内、資本金○円以下 など)
  • 対象経費と補助率(例:対象経費の3分の2、上限100万円など)
  • 申請スケジュール(募集開始日・締切日)

 

見落とされがちなのが、「事前着手の禁止」です。

申請前に設備投資やクラウドサービスの契約などしてしまうと助成金の対象外になることがあるため、計画段階できちんと確認しておきましょう。

②提出書類を準備する

補助金を受け取るためには、指定された書類を過不足なく、所定の書式に沿って用意する必要があります。

中でも重視されるのが「事業計画書」です。

「なんとなく書いた」計画では審査を通過するのは難しいため、現実的かつ説得力のある内容を心がけましょう。

 

事業計画書に盛り込むべき内容

・DX導入の目的や背景(解決したい課題)
・採用する技術やシステムの概要
・期待される成果(業務効率の改善、コスト削減、生産性向上など)
・実施スケジュール
・予算計画と補助金の活用方針

 

また事業計画書以外にも、見積書・登記簿謄本・決算書・建設業許可証などが求められる場合もあります。

提出用の様式や記載事項は制度ごとに異なるため、案内資料をよく読みながら丁寧に準備しましょう。

 

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必要書類をすぐに用意できない可能性もあるので、できるだけ早めに準備をして期限まで余裕をもって進めましょう。

③書類提出をして審査を受ける

必要な書類がすべてそろったら、決められた方法で申請を行います。

現在ではオンライン申請が主流となっていますが、一部の自治体では郵送や窓口での提出が求められることもあります。

 

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当然ですが、審査に通るには提出期限を厳守することが大前提です。

誤字や脱字、金額の記載ミスなどのケアレスミスにも注意しましょう。

 

申請後は、提出された書類をもとに審査が行われます。

審査では、事業の実現性(本当に実行できそうか)や自己資金の確保状況などが厳しくチェックされるので、結果が出るまで概ね1~2ヶ月程度かかります

④審査に通ったら事業を行う

審査を無事に通過し「採択通知」が届いたら、いよいよ事業の実行段階に入ります。

attention

注意点として、ここからの支出が助成金の対象になります。

採択前に発注・契約・支払いをしてしまうと、助成対象から外れてしまう場合があるため、事業開始のタイミングには十分注意しましょう。

 

事業の実行にあたっては、支給要項や申請時の計画に基づき、次のような点を意識して進めていく必要があります。

  • 経費の支出に関する領収書や請求書をきちんと保管する
  • 進捗を記録しておく(導入したツールの写真や作業報告など)
  • 計画とのズレが生じた場合は、担当窓口に事前相談

万が一、書類が不足していたり、事前の事業計画書と実際の事業内容が異なったりすることがあると、助成金が減額・取消になるリスクもあるため注意が必要です。

助成金を使う事業は事後報告を前提としているため、証拠資料を揃える意識を常に持っておくようにしましょう。

⑤事業の完了報告をする

事業が完了したら、補助金を受け取るための「実績報告書」を提出します。

実績報告書は、どのような事業をどのように実行したのか、実際にかかった費用はいくらだったのか、当初の計画と比べてどうだったのかを示す証拠書類です。

それと併せて、報告時には以下のような提出も提出しなければならない場合があります。

 

実績報告での必要書類の例

・事業完了報告書
・支払証明書(領収書・振込証明)
・導入したシステム・設備の写真
・支払い証明(銀行の振込明細など)
・事業の成果報告(業務効率化の効果など)
※その他、補助金の提供元によって指定あり

また、補助金の対象外となる経費を誤って含めてしまった場合は支給が取り消される可能性もあるため、経費の整理にも注意が必要です。

 

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申請時に提出した計画と実際の内容に食い違いがないよう、しっかりと準備しておきましょう。

⑥補助金・助成金が支給される

完了報告の内容が受理・審査され、問題がなければ補助金・助成金が指定口座に振り込まれます。

入金までには審査完了から1ヶ月程度かかることが多く、実際の支給までの全体期間としては、申請から6ヶ月以上かかるケースも珍しくありません。

information

どの補助金も、まずは自己資金で事業を進め、あとから補助金が支払われるという流れが基本になります。

最初から「補助金ありき」での計画を立てるのは危険です

万が一支払いが遅れた場合にも備え、余裕のある資金計画を立てておくことが大切です。

とくに建設業の場合、補助を受けて導入した設備や業務改善の効果が次年度の経営にも影響するので、抜かりない対応を心がけましょう。

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建設業で起業する際に助成金は使える?よくある質問をまとめました!

建設業で起業する際に助成金は使える?よくある質問をまとめました!

最後に、実際に建設業で独立や創業を考えている方から寄せられることが多い代表的な質問にお答えします。

 

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初めての起業であれば、制度の仕組みや条件が分かりづらく、不安を感じるのも当然です。

これから起業を検討している方に役立つ基本情報をまとめていますので、少しでもお役に立てていただければ幸いです!

Q.建設業の起業にはいくら必要?

建設業での起業に必要な費用は、事業の内容や規模によって大きく変わります。

小規模なリフォーム業や外構工事などであれば、100万〜300万円程度の資金でスタートすることも可能ですが、重機の購入や資材の在庫を抱える場合は1,000万円を超える初期投資が必要になるケースもあります。

項目想定金額(目安)
登記・許認可取得費用10万〜50万円
車両・機材購入費50万〜500万円以上
作業着・保険・工具など10万〜30万円
事務所・倉庫の賃貸費用10万〜100万円(保証金含む)

 

また、都道府県知事や国土交通大臣に対して建設業許可の申請をするのにも手数料がかかります

 

許可申請の手数料(東京都の場合)

【東京都知事】
・新規、許可換え新規:手数料9万円
・業種追加または更新:手数料5万円

【国土交通大臣】
・新規、許可換え新規:登録免許税15万円
・業種追加または更新:手数料5万円
▶参考:東京都都市整備局 | 建設業許可申請変更の手引

このように、トータルの初期費用は事業の規模や所属している地域エリアなどによって変わります。

助成金や融資制度を併用しつつ、一般論ではなくご自身の事業内容に沿った起業準備を進めるように心がけましょう。

Q.1人親方でも助成金はもらえますか?

「1人親方」として独立する場合でも、一定の条件を満たせば助成金を活用できる可能性はあります。

ただし、法人を設立していない個人事業主の場合、利用できる助成金の選択肢が少なくなる可能性もあることは留意しておきましょう。

特に採用活動・雇用に関する助成金は従業員を雇うことが前提となるため、1人で活動している間は対象外になります。

 

とはいえ、「小規模事業者持続化補助金」など個人事業主でも申請できる制度ももちろんあります。

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また、創業支援に力を入れている自治体もあり、地域独自の助成金が用意されているケースもあるため、起業するエリアの制度も併せて確認しておくと良いでしょう。

Q.創業したばかりでも助成金はもらえますか?

創業直後でも申請できる助成金や補助金は複数あります。

むしろ、「創業したばかりの事業を支援する」ことを目的に設計されている制度もあるため、開業間もない時期だからこそ積極的に活用したいところです。

Attention

ただし、創業直後は実績が乏しいため、事業計画に説得力を持たせたり補助金の用途を明確にしておいたりする必要があります。

 

ネクスゲート

「補助金を何に使うのか」「どう事業を展開していくのか」を具体的に説明できるように、事前にしっかりと準備しておきましょう。