工事台帳の記録は義務?専門家がわかりやすく解説。
建設業に携わる方であれば、必ず覚えておかないといけないのが工事台帳のつけ方です。
工事台帳は、建設工事の原価などを記録する重要な書類であり、建築・土木・電気・水道いずれの工事においても記録が推奨されています。
この記事では、工事台帳の作成義務に関する具体的な情報や違反した場合のリスクなどをまとめて解説していきます。
工事台帳の重要性に気づき、より効率的かつ安全に日々の業務をこなしていただけるようなお役立ち情報を紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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工事台帳の作成以外にも工事をする際には、沢山の決まりがあります。
不安な方は、下記の動画も確認しておきましょう!
結論、工事台帳の記録は法律で義務付けられていないがほぼ必須の重要書類!
最重要ポイントからお伝えすると、工事台帳の記録は義務ではありません。
しかし、業務の透明性や効率的な管理、税務対応、経営審査の観点からほぼ必須とえます。特に公共工事や大規模工事を行う場合、作成しておくのが望ましいでしょう。
また、建設業法で作成が義務付けられているのは、「施工体制台帳」です。混同しないように注意しましょう。
項目 | 工事台帳 | 施工体制台帳 |
---|---|---|
目的 | 原価管理、収支計算、経営管理 | 工事の適正施工体制の確認 |
法的義務 | 基本的に法的義務なし(実務上必要) | 元請業者に作成義務あり |
作成対象 | 全ての工事(公共・民間問わず) | 建設業法で定義されている工事全て |
記載内容 | 工事件名、収支情報、原価内訳など | 工事件名、工事責任者、下請業者の情報、安全管理体制 |
保管期間 | 一般的には7年(税務関連のため) | 5年間(元請業者は10年間) |
発注者から直接建設工事を請け負った建設業者は、下請代金の額が 4,000万円(建築一式工事の場合は 6,000 万円)以上の場合には、建設工事の適切な施工を確保するため、施工体制台帳を作成しなければならないこととされています。
引用:国土交通省「施工体制台帳の作成等について」の改正について
工事台帳を作成する目的をまとめましたので、ここで確認しておきましょう。
収支や利益を把握するため
工事台帳の役割の一つとして、収支や利益を正確に把握するための資料としての機能があります。
工事の進捗状況や費用、材料費、労務費、外注費、経費などを記録しておくことで、どの工事が利益を生んでいるのか、あるいは赤字となっているのかが明確になります。
各工事の収益性を分析できれば経営判断を下す際の指標ができ、利益率を向上させるための戦略を立てたり、将来の事業計画を立てたりもできるのです。
完成工事原価を算出するため
完成工事原価は工事の収益を測る重要な指標であり、正確な数値を算出するためには材料費や人件費、外注費などの詳細な情報が必要です。
工事台帳をしっかりと記録しておくことで、工事の適切な評価や価格設定が可能となり、次回以降の工事計画に役立てることができます。
また、完成工事原価を把握することは健全経営の証明にもなります。
企業をより効率的に、そして安全に運営していくためには、工事台帳の情報を基にした完成工事原価の正確な算出が欠かせません。
未成工事支出金の算出をするため
未成工事支出金とは、進行中の工事にかかる費用の総額であり、完成前の工事がどれだけのコストを消費しているかを明確にするためのものです。
特に建設業では工事が数カ月にわたって続くため、進捗に応じた支出状況を正確に把握することが求められます。
そこで役に立つのが工事台帳です。
工事台帳に未成工事支出金を記録しておくことで、完了するまでの資金の流れを見通しやすくなります。
このような支出金の記録は、事業運営の安定化や資金繰りの適正化にも役立ち、経営状況を総合的に見渡すために欠かせません。
経営事項審査で提出が必要なため
経営事項審査では、工事台帳の作成および提出が必要です。
経営事項審査は建設業者が公共工事に参加するための資格を取得するための評価制度であり、経営規模や財務状況、技術力といったさまざまな項目が審査されます。
この審査において、工事台帳の提出は経営の透明性や信頼性を示す重要な資料とされており、適切な作成と保管が求められます。
工事ごとの詳細な記録、収支、工事の進行状況などを把握するための重要な情報が盛り込まれているからです。
業界での競争力を高めるためにも経営事項審査を通過することは必須項目。
そのためにはまず工事台帳を正しく記録するところから始めましょう。
工事台帳に記載するべき項目
では実際のところ、工事台帳にはどのような項目を記載する必要があるのでしょうか?
結論として、原則記載すべき事項は建設業法や会計基準などによって定められています。主な項目を以下にまとめました。
- 材料費
- 労務費
- 外注費
- 経費
材料費
材料費は、名前の通り工事に必要な材料にかかる費用です。
また材料の原価だけではなく、送料等の取引にかかった費用も含めて記載する必要があります。
労務費
労務費は、工事に参加している従業員の賃金を指します。
従業員に支払う給料だけでなく、手当や交通費も含まれるため、漏れなく記載しなければなりません。
工事台帳の労務費の計算については、下記の記事で詳しく解説しています。
▶︎工事台帳の労務費の計算方法や適切な割合は?見落としがちな注意点も解説!
外注費
自社と雇用関係がなく、業務を外注している下請業者に支払う費用は外注費にあたります。
下請業者の従業員や一人親方など、工事を受注した企業が外注した場合に発生する費用も工事台帳に漏れなく記載しなければなりません。
経費
工事現場の光熱費や機械の使用料、事務員の給料・退職金、その他細々とした事務用品の購入費などが経費に該当します。
分かりやすく言えば、上記3つの費用に該当しない費用のことです。
いつ何にお金を使ったのか、明確に記載することで工事全体の透明性を高める目的があります。
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工事台帳の作成は、経営における重要な業務ですが、同時に煩雑で時間のかかる作業でもあります。
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▶参考:【ちょっと待って】工事台帳を手書きで作るのは、今すぐ辞めましょう。
工事台帳ソフトを導入すれば作業効率がグンと上がりますので、初期投資と思って以下のような有料ソフトの導入をご検討ください。
▶参考:工事台帳の無料ソフトをお探しの方へ!フリーソフトは推奨しません。
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提供会社 | ネクスゲート株式会社 |
料金 | 要問い合わせ |
サポートの有無 | あり |
無料トライアル | 要問い合わせ |
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サポートの有無 | あり |
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提供会社 | 株式会社ジャパンシステムイノベーション |
料金 | 15,000円(税抜/年額) |
サポートの有無 | 要問い合わせ |
無料トライアル | なし |
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「JSI 工事台帳 lite」は、会計ソフト「弥生会計」との自動連携機能を備えており、工事台帳作成を楽にしてくれる工事台帳ソフトです。
手作業での入力作業を減らしつつ、原価管理や未成工事支出金の管理が簡単に行えるようにしてくれます。
クラウド型で現場とオフィス間での情報共有もしやすく、経営事項審査にも対応しているため、建設業の運営に幅広く役立ってくれるでしょう。
工事台帳の作成は義務?よくある質問をまとめました
最後に、工事台帳の作成義務に関するよくある質問をまとめました。疑問点があれば、ぜひ参考にしてみてください。
Q.工事台帳はどのタイミングで誰が作成するべきですか??
工事開始時に作成を開始し、工事完了後に完成させるのが理想的です。
▼工事開始時
- 工事の基本情報(工事名、受注先、契約金額、予定工期など)を登録します。
- 着手時点から原価管理を始めることで、進捗に合わせた適切なコスト管理が可能です。
▼工事進行中
- 材料費、労務費、外注費などの経費を日々または定期的に記録します。
- 進捗に応じた原価計算や収支確認のため、中間報告を作成する企業もあります。
▼工事完了後
- 完成工事原価を確定し、最終的な収支や利益を計算します。
- 税務処理や経営事項審査の際に必要なデータをまとめます。
また、作成は経営者自身か経理担当者または総務部門が担当することが多いです。
Q.工事台帳は手書きでも作成できますか?
事実上、手書きでも工事台帳は作成可能です。
しかし、手書きで作ると何倍もの時間がかかるうえにミスが発生しやすくなるので推奨しません。
このように、一つひとつの数字を書き込むことになり非効率極まりないです。
可能な限り、工事台帳ソフトなどのツールを活用して作成しましょう。
▶参考:【ちょっと待って】工事台帳を手書きで作るのは、今すぐ辞めましょう。
また、エクセルを活用した作成方法もありますが、手書き同様に工数がかなりかかります
詳しくは、下記の記事をご覧になってください。
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Q.小規模事業者におすすめの工事台帳ソフトはありますか?
小規模事業者の方であれば、現場に即したサービスを案内してくれて、サポート体制が充実している工事台帳ソフトを選びましょう。
弊社ネクスゲートでは、「工事台帳アシストAI」を最大限活用していただくために、導入から運用まで徹底したサポート体制を整えています。
導入支援として、ソフトの操作方法を説明したり、工事台帳ソフトをスムーズに業務フローに組み込むための提案を行っています。
導入前に事前ミーティングも実施しているため、デジタルツールに不慣れな方でも安心です。
Q.工事台帳と施工体制台帳は同じですか?
工事台帳と施工体制台帳は異なるものです。
工事台帳は工事の費用や収益に関する情報を記録するもので、各工事の原価を集計した台帳です。
一方、施工体制台帳は元請が作成する台帳で、工事現場における安全管理体制や従事者の資格・経歴などを記録します。労働者の名簿や工事に関わる全ての人、また施工範囲の情報を記録する台帳です。
名前はよく似ていますがそれぞれ異なる役割の台帳であるため、混同しないようにしましょう。
まとめ:工事台帳作成は義務ではないが作成するべき!面倒な作成業務は専用のソフトで効率化しよう!
工事台帳の作成は建設業において重要な業務であり、法律で義務付けられていませんが、経営事項審査などで非常に重要な書類になります。
煩雑で時間のかかる作業に思われがちですが、経営改善や業務効率化の大きな手立てとなってくれる大切な資料ですので、ぜひ工事台帳ソフトを活用しながら記録を習慣づけてください。
また、もし工事台帳の作成に苦労されているのであれば、ぜひ「工事台帳アシストAI」の導入もご検討ください。
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