福井県は、令和8年8月29日からの大雨により、製造に使う原材料を廃棄せざるを得なかった県内繊維企業向けに、原材料の再購入費を支援する補助金の募集を開始しました。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 大雨被害を受けた繊維原材料再購入支援事業補助金 |
実施機関 | 福井県 産業労働部 産業技術課 |
対象 | 福井県内に事業所を有する繊維事業者かつ中小企業者で、令和8年8月29日からの大雨により被害を受けた者 |
対象地域 | 被災証明書または罹災証明書の関係上、福井市、大野市、勝山市、あわら市、坂井市、吉田郡永平寺町に限定 |
補助対象経費 | 大雨被害により廃棄した、製造に使用する原材料の再購入費。例:原糸、加工糸、生地、染料など |
補助率 | 1/4以内 |
補助上限額 | 1事業者あたり250万円 |
申請期間 | 2026年10月30日(金)〜2026年12月25日(金) |
補助対象期間 | 令和8年8月29日から令和9年2月26日まで |
実績報告 | 補助事業完了日から1か月以内、または令和9年3月5日(金)のいずれか早い日まで |
受付 | 予算の範囲内で先着順。募集期間内でも予算がなくなり次第終了 |
建設企業がまず確認すべきこと
この補助金は、名称どおり繊維原材料の再購入を支援する制度です。
対象となる「繊維事業者」は、日本標準産業分類の大分類E「製造業」のうち、中分類11「繊維工業」を主たる事業として営む者とされています。したがって、一般的な建設会社が、現場資材、建材、工具、重機、仮設材などの被害復旧に使う制度ではありません。
建設企業として確認すべきポイントは、次の切り分けです。
- 自社の主たる事業が繊維工業に該当するか
- 福井県内に対象となる事業所があるか
- 令和8年8月29日からの大雨で、製造用原材料を廃棄しているか
- 公的機関が発行する被災証明書または罹災証明書を取得できるか
- 福井県の県税および地方消費税に滞納がないか
建設業を主たる事業とする会社の場合、この制度そのものは通常対象外です。もし繊維工業を営む別法人、事業部門、関連会社がある場合は、対象要件を法人・事業単位で確認してください。
対象になる経費、ならない経費
補助対象は、大雨被害で廃棄した製造用原材料を、事業再建のために再購入する費用です。原糸、加工糸、生地、染料などが例示されています。
一方で、次のような経費は対象外です。
- 「大雨被害を受けた被災事業者再建支援事業補助金」の対象となる事業用施設、設備等
- 大雨被害がなくても購入予定だった原材料
- 生産拡大のための追加購入費
- 書類作成代行費用
- 他の事業との明確な区分が困難な経費
- 借入金等の支払利息、遅延損害金
- 汎用性があり、目的外使用になり得るものの購入費・レンタル費
- 公的資金の使途として不適切と判断される経費
また、原材料1種類あたりの購入上限は、大雨被害による廃棄量または前年度年間使用数量実績の1/3のいずれか小さい方です。ただし、最小購入単位がその数量を上回る場合は、最小購入単位が購入上限とされています。
申請前にそろえる書類
交付事務マニュアルでは、交付申請書に添付する書類として、次の資料が示されています。
- 交付申請書
- 事業計画書
- 収支予算書
- 県税の納税状況の確認に関する同意書
- 積算書
- 原材料の被災状況などの報告に係る宣誓書
- 被災証明書または罹災証明書
- 地方消費税に滞納がないことを証明する納税証明書
- 債権債務者登録申請書
特に、被災証明書または罹災証明書は必須です。さらに、申請時には浸水状況や原材料の廃棄状況など、原材料が使用できなくなったことが分かる写真も必要とされています。
交付決定前に手配した原材料の扱い
災害復旧では、申請を待たずに材料を手配しなければならない場面があります。
この制度では、令和8年8月29日に遡って補助対象経費を判定するとされています。写真や書類で被災の事実が確認でき、申請内容が適正と認められる場合は、交付決定前に手配した原材料の経費も補助対象となり得ます。
ただし、これは補助金の交付を保証するものではありません。審査の結果、補助要件を満たさない場合は対象外となることがあります。
経理処理で注意すべき点
補助金を受ける場合、購入した原材料については、受払簿などで購入・使用・在庫の数量を日付付きで管理する必要があります。
また、原則として複数の業者から見積書を取る競争見積が必要です。特定の相手方でなければならない場合は、1社見積もりも認められる場合がありますが、その理由を書面で整備する必要があります。「日頃からの付き合い」は理由にならないと明記されています。
支払いについても、他取引との相殺払い、現金による直接支払い、クレジットカード払い、約束手形払いは行わないこととされています。証拠書類の不備があると、補助対象外となる可能性があります。
次に取るべき動き
対象になり得る繊維事業者は、まず次の順で確認してください。
- 自社が繊維工業を主たる事業とする中小企業者に該当するか確認する
- 被災証明書または罹災証明書を取得する
- 廃棄した原材料の数量、写真、廃棄記録を整理する
- 再購入する原材料が、廃棄した原材料と対応しているか確認する
- 保険金・共済金の有無を確認する
- 複数見積、発注、納品、検収、支払いの証拠書類を整理する
申請期間は2026年12月25日までですが、予算の範囲内で先着順です。対象になる可能性がある場合は、書類準備を早めに進める必要があります。
自社の災害復旧支援を切り分けるために
今回の制度は繊維工業向けであり、建設会社の通常の災害復旧費用には合わないケースが多い制度です。一方で、災害復旧では、原材料、設備、施設、資金繰りで使える制度が分かれるため、最初の切り分けを誤ると申請準備に時間を失います。
自社または関連会社の被害内容について、どの支援制度を確認すべきか整理したい場合は、制度の対象要件と必要書類を一緒に確認できます。無理な営業はいたしませんので、状況整理の入口としてご活用ください。