宮城県は、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰を受け、県内中小企業者等の資金繰りを支援するため、「緊急経済変動対策資金(地域経済対策枠)」の取扱いを開始しています。
指定事象は、「令和8年3月原油価格上昇等による経済変動」です。
項目 | 内容 |
|---|---|
制度名 | 緊急経済変動対策資金(地域経済対策枠) |
実施機関 | 宮城県 |
指定事象 | 令和8年3月原油価格上昇等による経済変動 |
取扱期間 | 2026年4月1日から2026年9月30日まで(保証協会申込分まで) |
融資対象 | 指定事象により影響が生じている県内中小企業者等で、売上高等または利益率の減少要件を満たす者 |
融資限度額 | 一企業等 8,000万円 |
資金使途 | 運転資金、設備資金 |
設備資金の条件 | 売上維持・回復につながる既存設備の変更などの場合に限る |
利率 | 年1.85% |
償還期間 | 運転資金・設備資金ともに10年以内。据置2年以内 |
信用保証料 | 年0.45%~1.59% |
保証 | 宮城県信用保証協会の保証付き |
保証人 | 必要に応じて徴求。ただし、法人代表者以外の連帯保証人は不要 |
申込先 | 取扱金融機関 |
必要書類 | 様式第3号「緊急経済変動対策資金資格要件確認書」など |
まず確認したい対象要件
対象になるには、知事が指定する事象により影響が生じていることに加え、次のいずれかに該当する必要があります。
- 最近3か月間の売上高等が、前年同期と比べて5%以上減少していること
- 最近1か月間の売上高等が、前年同期と比べて5%以上減少し、その後2か月間を含む3か月間でも前年同期比5%以上減少が見込まれること
- 最近3か月間の月平均売上高総利益率が、前年同期と比べて10%以上減少していること
- 最近3か月間の月平均売上高営業利益率が、前年同期と比べて10%以上減少していること
建設企業で特に見ておきたいのは、ここです。
PDFのQ&Aでは、売上高等には、建設業の場合「完成工事高」または「受注残高」が含まれるとされています。
「売上高だけで見ると要件に届かない」。
でも、完成工事高や受注残高で見れば違う。そういう会社もあり得ます。
月次の試算表。売上台帳。工事別の完成工事高。受注残高の一覧。
まずは、前年同期と比較できる資料をそろえてください。
設備資金は「既存設備の変更など」に限られます
この資金は、運転資金だけでなく設備資金にも使えます。
ただし、地域経済対策枠の設備資金は、売上維持・回復につながる既存設備の変更などの場合に限るとされています。
PDFのQ&Aでは、例として次のような考え方が示されています。
- 老朽化した設備等の更新
- 生産性向上が図られる設備等への買い替え
一方で、事業拡大を目的とする設備の新設や増設等には利用できないとされています。
建設会社であれば、重機、車両、工具、現場管理に関わる設備などを検討する場面があるかもしれません。
ただし、制度上は「何を買うか」だけでなく、売上維持・回復との関係を説明できるかが重要になります。
申込み前に準備する資料
申込みは、県内に本店・支店を有する取扱金融機関を通じて行います。
取扱金融機関は、都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、商工組合中央金庫、農林中央金庫です。
融資申込時には、様式第3号「緊急経済変動対策資金資格要件確認書」を取扱金融機関に提出します。
PDFでは、確認書に記入した数値を確認できる資料として、試算表、売上台帳等の添付が必要とされています。
準備の順番は、次の流れが現実的です。
- 直近の月次資料を確認する
- 前年同期の売上高等、完成工事高、受注残高を確認する
- 利益率で見る場合は、売上総利益または営業利益を確認する
- 原油価格上昇等により、どのような影響が出ているかを整理する
- 取扱金融機関に相談する
「燃料費が上がった」。
それだけではなく、確認書では、指定された事象により、いつごろから、どのような影響が出ているかを具体的に書く必要があります。
受注減少。工事原価の上昇。利益率の低下。資金繰りの圧迫。
自社の数字と言葉で説明できるようにしておくと、金融機関との相談が進めやすくなります。
地域経済対策枠に該当しない場合の確認先
地域経済対策枠は、指定された事象により売上高等や利益率が減少していることが前提です。
PDFのQ&Aでは、該当しない場合は、一般枠の要件を確認するか、県制度の他の資金利用を検討するよう案内されています。
また、前年同期との比較ができない場合は、地域経済対策枠の融資対象外とされています。
判断に迷う場合は、宮城県の相談窓口や取扱金融機関に確認してください。
宮城県の相談窓口として、商工金融課商工金融班のほか、各地方振興事務所等が案内されています。
資金繰りへの影響を数字で早めに確認する
燃料費や資材価格の上昇は、現場ごとに少しずつ効いてきます。
気づいた時には、粗利が薄くなっている。入金前に支払いが重くなっている。そんなこともあります。
この制度を使うかどうかは別として、まずは完成工事高、受注残高、工事原価、営業利益率を並べて確認することが大切です。
自社が対象になりそうか、どの資料から整理すべきかを確認したい場合は、お問い合わせはこちらからご相談ください。無理な営業はいたしません。資金繰りや制度活用の可能性を、一緒に落ち着いて整理します。