公益財団法人宮崎県産業振興機構は、令和8年度「脱炭素化技術検証費補助金」の募集を開始しました。県内製造事業者が取引の維持・拡大を見据えて進める、脱炭素化に向けた取組の検証を支援する制度です。

項目

内容

制度名

令和8年度 脱炭素化技術検証費補助金

実施機関

公益財団法人宮崎県産業振興機構

対象地域

宮崎県

主な対象者

宮崎県内に本店または主たる事業所を有し、製造業を主として営む中小企業者・小規模事業者等

対象事業

脱炭素化に向けた計画策定・実行、課題整理、研修・資格取得、その他脱炭素化に向けた取組

補助率

補助対象経費の2分の1以内

補助上限

150万円

申請期間

2026年6月22日から2026年8月24日17時まで(必着)

申請方法

郵送または持参

注意点

先着順ではなく、審査により採択。交付決定前の契約・着手は補助対象外

建設企業が最初に確認すべき対象要件

この補助金は、対象者が明確に絞られています。最初に確認すべき点は、自社が「製造業を主として営む者」として申請できるかです。

公募要領では、補助対象者について、主に次の要件をすべて満たす必要があるとされています。

  • 宮崎県内に本店または主たる事業所を有すること
  • 製造業を主として営む者であること
  • 中小企業基本法上の中小企業者または小規模事業者等であること
  • 県税に未納がないこと
  • 個人住民税の特別徴収について、実施している、または開始を誓約できること
  • 暴力団等と関係がないこと
  • これまでに脱炭素化技術検証費補助金の交付決定を受けていない事業者であること

建設業を主として営む会社の場合、この「製造業を主として営む者」という要件に合わない可能性があります。したがって、建設企業が検討する場合は、単に脱炭素設備を入れたいかどうかではなく、自社の主たる事業が製造業として説明できるかを先に確認する必要があります。

補助対象となる取組

対象となるのは、県内製造事業者が実施する脱炭素化に向けた取組の検証です。公募要領では、補助対象事業として次の区分が示されています。

  • 脱炭素化に向けた計画策定、実行に対する取組
  • 脱炭素化に向けた自社の課題の整理
  • 脱炭素経営に対する意識の明確化に向けた取組
  • その他脱炭素化に向けた取組

具体的な対象経費には、設備購入費、設備賃借料、工事費、運搬費、委託料、謝金、旅費、セミナー等参加費、資格取得に係る受験料、資料購入費などが含まれます。

公募要領では、例として次のような取組が挙げられています。

  • 照明のLED化
  • 高効率の空調機や変圧器への更新
  • デマンド監視装置の導入によるピーク時の電力抑制
  • 消費電力を可視化するための電力測定器の導入
  • 脱炭素関連セミナーや研修への参加
  • 社内研修に要する専門家謝金・旅費
  • 脱炭素に関する資格受験や講習、書籍購入

補助上限は150万円、補助率は対象経費の2分の1以内です。補助額に1,000円未満の端数が生じた場合は切り捨てとなります。

申請前に押さえるべき実務上の注意点

申請を検討する場合、制度の内容だけでなく、実務上の制約を早めに確認しておく必要があります。

特に重要なのは、交付決定前に契約・着手した経費は補助対象外になる点です。設備導入や工事を伴う場合、見積取得、発注、契約、納品、支払いの順序が補助金のルールとずれると、採択後でも経費が認められない可能性があります。

また、公募要領では、令和9年2月28日までに補助事業に要した経費の支払いをすべて完了し、補助事業を完了する必要があるとされています。申請時点で、納期、工事期間、支払時期、実績報告までの流れを確認しておくことが重要です。

提出書類には、主に次のものがあります。

  • 補助金交付申請書
  • 事業実施計画書
  • 収支予算書
  • 県税に未納がないことの納税証明書
  • 個人住民税の特別徴収実施確認・開始誓約書
  • 誓約書
  • 履歴または現在事項全部証明書
  • 見積書、機器等の概要が分かる資料

見積書は、原則として2者以上が必要です。ただし、1件の金額が10万円未満の場合は1者の見積書でも可とされ、3万円未満の場合は見積書を省略できる場合があります。もっとも、その場合でも申請時点で積算根拠となる資料の添付が求められます。

審査で見られるポイント

この補助金は、先着順ではありません。申請書等の内容をもとに書面審査が行われ、点数の高いものから予算の範囲内で採択されます。

審査項目は次の3点です。

  • 申請事業者の妥当性
  • 事業計画の妥当性
  • 効果の有効性

つまり、単に設備を入れるという説明だけでは不十分です。なぜその取組が必要なのか、事業期間内に完了できるのか、実施後にどのような効果が期待できるのかを、事業計画書で整理する必要があります。

また、宮崎県が公益財団法人宮崎県産業振興機構に委託して支援を行っている「脱炭素推進モデル企業」に選定された企業は、審査で加点されます。

次に取るべき対応

建設企業がこの制度を確認する場合、まずは次の順で判断するのが現実的です。

  1. 自社が製造業を主として営む者に該当するかを確認する
  2. 宮崎県内の本店または主たる事業所の要件を確認する
  3. 過去に同補助金の交付決定を受けていないか確認する
  4. 脱炭素化に向けた取組内容を、対象事業の区分に当てはめる
  5. 交付決定後に契約・発注できるスケジュールか確認する
  6. 見積書、カタログ、納税証明書などの準備に着手する

特に、設備導入や工事を伴う場合は、申請前に発注を急がないことが重要です。補助金の対象にする支出は、交付決定後に動かすという前提で工程を組む必要があります。

自社の該当可能性を整理する

この補助金は、脱炭素への取組を支援する制度ですが、対象は宮崎県内の製造事業者に限定されています。建設企業の場合は、まず自社の主たる事業と制度要件が合っているかを整理することが出発点です。

対象になり得るか、他の省エネ・脱炭素支援策を探すべきかを早めに切り分けることで、申請準備の無駄を減らせます。制度要件の読み解きや、活用可能性の整理が必要な場合は、お問い合わせはこちらからご相談ください。無理な営業はいたしませんので、状況確認の段階でもお気軽にお声がけください。