建設業のコストを削減する5つの方法とは?ただ抑えるだけでは失敗する!?
建設業界では、資材価格の高騰や人件費の増加、さらには2024年問題など、コスト管理の重要性がこれまで以上に高まっています。
「コスト削減」と聞くと、まずは経費を削ることを思い浮かべるかもしれませんが、安易なコストカットは現場の質を落とし、かえって生産性を低下させるリスクもあります。

重要なのは“抑えること”だけでなく、“見直し”と“仕組み化”によってムダをなくし、利益を生み出せる体制をつくることです。
この記事では、現場を守りながらも持続可能な経営を目指すための「建設業のコスト削減・改善法」を5つに絞って、分かりやすく解説していきます。
▼コスト削減や日々の業務効率化でお悩みの方は必見です!!

業界の人手不足や働き方改革が強く求められる昨今
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建設業のコスト削減アイディア5つ

ではさっそく、建設業の中でも特に増大しがちな以下の5つのコストの削減アイデアを解説していきます。
- 資材・原価管理コスト
- 採用コスト
- 設備投資・維持コスト
- 外注費
- 労働時間・残業
それぞれ、削減のポイントや実際のサービスなども交えて解説していきますので、自社に取り入れられそうなものがあればぜひ実践してみてください!
資材・原価管理コストを削減したい方はこちら
建設業において最もコストがかかるのが資材費です。
どの資材をどれだけ使用しているのかを明確にすることで、無駄な発注や過剰在庫を減らし、適正価格で調達することが利益確保のポイントになります。
削減のポイント
・適正在庫を把握する
⇒過去のデータを参照して不要な発注を防ぐ
・共同購買を活用する
⇒他の建設会社や取引業者と協力し、大量発注することで仕入れ単価を下げる
・原価管理システムを導入する
⇒リアルタイムで原価を把握し、予算超過を未然に防ぐ
中でも、原価管理システムの導入は比較的実践しやすく、成果も出やすいのでおすすめです。
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採用コストを削減したい方はこちら
建設業界では、慢性的な人手不足や技術者の高齢化が課題となっています。
採用活動にかかるコストも増加傾向にありますが、採用方法を工夫すれば、高額な広告費や紹介料を抑えながら優秀な人材を確保することも可能です。
通常、求人広告や人材紹介会社を利用すると1人あたり数十万円のコストがかかるため、以下のように自社のリソースで対応できるものから取り組んでみましょう。
削減のポイント
・SNSや自社メディアを活用する
⇒広告費を大幅に抑えることができ、若年層にもアピールできる
・社員紹介制度(リファラル採用)を導入する
⇒現場の職人や社員からの紹介で採用を行うことでミスマッチを防ぐ
・未経験者の育成に注力する
⇒即戦力を求めると採用コストが高くなりがち。未経験者を育成する仕組みを作ることで人材確保の選択肢を広げられる
特にリファラル採用は、中途採用において中核人材・ポテンシャル人材を採用するために非常に有効な手段として厚生労働省も注目しています。
▶参照:「企業等の採用手法に関する調査研究」報告書 | 厚生労働省
設備投資・維持コストを削減したい方はこちら
建設業では、重機や工具などの設備コストが大きな割合を占めます。
特に、使用頻度が低く費用が高い機械をわざわざ購入すると、維持費もかかるため無駄なコストが生じがちです。
削減のポイント
・リース・レンタルを活用する
⇒頻繁に使わない機械は必要な期間だけ借りる
・状態の良い中古機械の導入を検討する
⇒新品よりも 30〜50%安く済むことが多い
・設備管理システムで保守コストを抑える
⇒IoTを活用した機械管理システムで、突発的な修理費を削減
まずは今使っている設備を見直し、優先順位の低いものからコスト削減に取り掛かりましょう。
▼兵庫県にある株式会社Miyaワークスでは、重機やアタッチメント、トラック、発電機など、さまざまな建設機械のレンタル・販売サービスを行っています。

外注費を削減したい方はこちら
専門業者や下請け業者に依頼することが多い現場では、外注費も膨らみやすいコストの一つです。
現場の状況を逐一確認しながら、適切な人材と人数を補っていく調整力が必要になります。
削減のポイント
・相見積もりを徹底する
⇒複数の業者から見積もりを取り、適正価格で発注する
・業務を内製化する
⇒簡単な施工業務や書類作成業務など、自社で対応できる範囲を広げることで外注費を削減
・発注のタイミングを工夫する
⇒業者の繁忙期を避け、値引き交渉しやすいタイミングで発注する
毎回同じ業者に依頼するのがパターン化している場合は、これを機にフローを見直してみましょう。
労働時間・残業を削減したい方はこちら
建設業界では喫緊の課題として、長時間労働の改善が求められています。
令和6年4月からは時間外労働の上限規制が適用されるようになり、無駄な残業を削減するためにも、今後ますます業務効率化を図らなければならなくなっています。
削減のポイント
・施工計画を徹底する
⇒時間内でも工期に間に合うようスケジュールを組み、無駄な待機時間をなくす
・デジタルツールを活用して業務を効率化
⇒施工管理システムを導入することで現場の進捗管理を効率化
・シフト管理を最適化する
⇒作業員の配置を適切に行い、残業代を抑える
中でも施工管理システムは、現場間での書類のやり取りや進捗報告をオンライン上で完結できるため、従業員の負担軽減にも役立ちます。
▼株式会社アルダグラムが提供している「KANNA」はPC・スマホ・タブレットいずれからでも最新情報にアクセスできる施工管理アプリです。

工事状況をリアルタイムで共有することでメールや電話による情報の行き違いがなくなり、ムダな時間を削減することができますよ。
【注意】削減してはいけない建設業のコストとは?

経営層にとってコスト削減は最優先に取り組むべき課題ですが、ありとあらゆるコストを削ることが正解とは限りません。
無理に削減してしまうと、品質の低下やトラブルを引き起こし、むしろ大きな損失を招いてしまう可能性があります。
ここでは、建設業で削減すべきではない5つのコストについて解説します。
- 1. 人材育成・教育コスト
- 2. 安全対策・労働環境の整備
- 3. 品質管理・検査コスト
- 4. 設備・機械のメンテナンスコスト
- 5. 法令遵守・コンプライアンス対応コスト
1. 人材育成・教育コスト
慢性的な人材不足が続いている建設業では、若手や新入社員への教育に最大限のリソースを割く必要があります。
育成にかかる費用を惜しむと、技術者としてのスキルが十分に育たず、将来的に品質の低下や施工ミスを招くことになりかねません。
技術的な側面ももちろんですが、安全面の観点からも教育にかかるコストと時間は絶対に惜しまないようにしましょう。

費用を大幅にカットすることはおすすめできませんが、教育方法をより効率的なやり方に変えていくことはできます。
できるところから始めていきましょう。
人材育成・教育のリソース削減のポイント
・OJT(現場研修)を充実させて無駄な座学研修を減らす
・eラーニングや動画教材を活用し、教育コストを最適化する
・資格取得支援を行い、長期的に優秀な人材を育てる
2. 安全対策・労働環境の整備
高所での作業や重機を使う機会も多い建設業は 、労災リスクが高い業界のひとつです。
安全対策にかかるコストを削ると、事故発生の確率が高まり、結果的に休業補償や訴訟リスクが高くなってしまいます。

昨今では労災への対策やコンプライアンスも厳しくなっているので、健全な職場環境づくりへの取り組みは絶対に手を抜いてはいけません。
適切な安全対策のポイント
・安全装備(ヘルメット・安全帯など)はケチらず最新のものを導入する
・定期的に安全研修を実施し、労働災害のリスクを低減する
・ITを活用した労務管理システムを導入し、作業員の安全確保を徹底する
3. 品質管理・検査コスト
建設業として当たり前のことではありますが、品質管理を怠るのはタブーです。
検査や最終チェックにかかるコストをケチると、後々やり直し工事が発生し、結果的に補修費用等の余計なコストがかかります。
また、施工不良が発覚すると企業の評価が下がり、受注に悪影響を及ぼすこともあります。

「ちゃんとやっていれば発生しなかったお金なのに…」と後悔することにならないよう、施工ミスや材料不良には細心の注意を払いましょう。
品質管理・検査コストを適正値にするためのポイント
・品質チェックの工程を適切に設計し、過剰な検査コストを削減する
・BIM(建築情報モデリング)やドローンを活用する
・過去の施工ミスデータを分析し、問題の発生しやすい箇所に重点を置く
4. 設備・機械のメンテナンスコスト
建設現場においては、重機や機材の故障が作業の遅れにつながります。
特に大規模工事では、1日の工期遅延が数百万円規模の損失につながることもありますので、どれだけ予算が限られていても機材のメンテナンスは必ずやっておきましょう。
設備・機械のメンテナンスコストを管理するポイント
・定期メンテナンスを実施し、突発的な故障を防ぐ
・IoTを活用した設備管理システムを導入し、最適なメンテナンス時期を把握する
・古い機械は早めに売却して維持コストを抑える
5. 法令遵守・コンプライアンス対応コスト
他の業界と比較して、建設業界では労働時間の適正管理や安全対策など、守るべき法規制が多数あります。
これらを特に意識せずにコスト削減ばかりを重視していると、労働基準監督署の指導や行政処分の対象となる可能性があり、大きな損失につながります。
「うちは大丈夫」と思っていても、法改正を知らずに意図せず法令違反をしていた…なんてケースもあります。

少しでも不安に思う場合は、コンプライアンスに強い専門家に相談してみるのも良いでしょう。
品質管理・検査コストを適正値にするためのポイント
・法改正に対応している勤怠管理システムを活用する
・定期的に社内監査を実施し、リスクを未然に防ぐ
建設業のコスト削減をするなら「建設DX」からはじめよう

昨今では資材費の高騰や人件費の増加、労働時間の規制強化などにより、コスト負担がますます大きくなっています。
そのため、利益を確保しながらコストを削減することが経営の重要課題となっていることでしょう。

しかし単に経費を削るだけでは、現場の負担が増えたり、品質が低下したりするリスク があります。
そこで注目されているのが 「建設DX(デジタルトランスフォーメーション)」 です。
建設DXを活用することで、業務の効率化を図りながら無駄なコストを削減して利益を最大化することが可能になります。
では、なぜ建設DXがコスト削減に効果的なのか、具体的な施策を交えながら見ていきましょう。
1.無駄なコストを「見える化」し、原価管理を最適化
資材費や外注費の管理は熟練の職員でもこなすのが難しく、予算オーバーが発生しやすいことを課題視している企業も多いことでしょう。
特に複数の現場が同時に動いている場合は、「どの現場でどれくらいのコストがかかっているのか」を把握しづらく、 無駄な発注や過剰在庫が発生しがちです。
そこで、おすすめしたいのが原価管理システムの導入です。
原価管理システムを導入すると、以下のようにさまざまなメリットがあります。
- 工事ごとのコストをリアルタイムで把握し、無駄な出費を削減できるようになる
- データ分析により、利益率の高い案件を増やす戦略が立てられる
- 発注・支払いをシステム化することで、管理業務を効率化できる
工事ごとの収支をリアルタイムで把握し、コストが膨らむ前に対策を打つことで、無駄な発注や追加費用を抑えられるようになりますよ。

弊社ネクスゲートが開発・提供している「工事台帳アシストAI」も、コスト削減に大きく役立つ最新ツールです。
2. アナログ業務をデジタル化し、時間と人件費を削減
さまざまな業界でデジタル化が進む昨今でも、未だに紙の書類管理や電話・FAXによるコミュニケーションを主流にしている企業は多いのではないでしょうか。
「使い慣れているツールのほうが早く済む」という考えもあるかもしれませんが、アナログ業務は非効率的で人的ミスが発生しやすいという課題があります。
計算ミスが生じやすい施工管理や原価管理をクラウド化するだけでも、日々の業務に大きな変化が現れます。
- リアルタイムで情報共有ができ、現場と事務所を行き来する必要がなくなる
- データの一元管理で、人的ミスや確認作業の時間を削減できる
- 過去の紙の請求書や台帳を紛失するおそれがなくなる
「デジタルツールは使うのが難しい」というイメージがあるかもしれませんが、最近はスマホやタブレットで手軽に操作できるアプリなどもたくさんあります。

小さな業務の一つひとつを短縮することで、やがて大幅な時短につながっていきますよ。
3. AI・IoTを活用し、資材・設備の無駄を削減
建設現場では、重機や資材の無駄な稼働・消費が大きなコスト要因の一つです。
「現場に余分な重機を手配してしまった」「燃料の消費が多すぎる」といった課題を解決するには、 AIやIoT技術を活用し、きっちりと設備管理に取り組んでいくことが効果的です。
資材・設備の無駄を削減するためのポイント
・IoTで重機・資材の使用状況をリアルタイム監視 → 無駄なレンタル費を削減
・AIを活用した需要予測 → 適正な資材調達が可能
・遠隔管理システムで作業の自動化 → 人件費削減
▼一例として、コマツが提供しているスマートコンストラクション®では重機の稼働データをクラウド上で取得できるようになっています。


デジタルを活用して、点検忘れや放置を防ぎましょう!
コスト削減の意識が強すぎるはNG!建設業は『投資』の考えが重要

コスト削減はもちろん重要な課題ですが、削減ばかりに気を取られていると、業務の質が下がったり長期的にみて損失を招いたりするリスクもあります。
特に技術力向上や業務効率化に関する投資を怠ると、企業としての競争力を失い、結果的に自分たちの首を絞めることにもなりかねません。

そこで大切なのが、コストを「損失」と捉えるのではなく「未来への投資」として考えることです。
特に業務改善につながる投資は、短期的にみれば費用がかかるものの、長期的にみると利益を最大化する手段になります。
それでは、「出費」ではなく「投資」になる費用とはどのようなものが当てはまるのか、具体的に見ていきましょう。
DXアプリの導入
近年、建設業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション) の導入が進んでいます。
特に、施工管理・原価管理・労務管理などのバックオフィス部門でDXアプリを活用することで、コスト削減に大きく進展しているケースも増えてきています。
DXアプリは手軽に導入しやすいうえに、以下のようにさまざまなメリットが見込まれるため、DX初心者でもチャレンジしやすいのが魅力です。
- 業務の効率化により、無駄な人件費を削減できる
- リアルタイムで情報共有が可能になり、施工ミスや手戻りを防止できる
- ペーパーレス化による管理コストの削減できる
- データ分析により、無駄なコストを可視化でき業務改善につながる
DXアプリはほとんどが有料ですが、導入後に人件費や管理コストを削減できるため、最終的にはプラスの収益を生み出せます。
特に、施工管理や原価管理を手作業で行っている企業は、DXアプリを活用することで劇的に業務効率が向上しますのでぜひお試しください!

たとえばこちらの「Kizuku」というアプリでは、現場別のチャット機能や写真・図面の整理ができる機能、作業員の入退場管理機能などが集約されています。

その他にもさまざまな機能に特化したDXアプリがありますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
▶参考:【2025年最新】建設業に特化したおすすめDXアプリを紹介!無料のツールもあり!
コンサル企業への相談
建設業界は市場の変化が激しく、法律や補助金の仕組みも頻繁に変わる業界です。
日々の業務に対処しきれなくなる前に、専門のコンサル企業に相談することで、活路が開けることもあります。

「自社の経営を他人に任せるのはちょっと…」という方でも、経営ノウハウや最新技術に詳しい専門家のアドバイスを聞くだけで、新しいヒントを得られるかもしれません。
またコンサルなら、以下のように自分の知識だけでは対応しきれない課題にもしっかりと対応してくれます。
- 技術者不足や資材高騰などの建設業界特有の課題
- 最新の補助金や助成金を活用した資金調達の方法
- M&A(企業買収・売却)や事業承継の相談
- 原価管理・業務効率化のための戦略立案
コンサルに意見を貰うことで、時間とコストを最小限に抑えながら、的確な経営判断を下せるようになります。
自社だけで解決できない場合は、外部の専門家の力を借りることも選択肢に入れてみましょう。
▶参考:【2025年更新】建設業界のDXを支援する企業一覧!どの会社に相談するのが最適?
建設機械・重機の最新モデル導入
建設機械や重機は、作業の効率性・安全性・コストに直結する重要な設備です。
旧型の機械を使い続けると、燃費の悪化・故障リスクの増加・生産性の低下などさまざまな危険が伴います。
新品の購入を後回しにした結果修繕費が必要になり、結果的にコストが増大した…なんて事態にもなりかねません。
最新の機械は燃費が良く、作業スピードや安全性も格段にアップしている商品ばかりです。
古くなったと感じた時点で、早めに最新モデルを導入しましょう。