前提

無料掲載から有料掲載へ切り替え、スマホ中心の求人反応を見始めた千葉県内の専門工事会社

千葉県内で職人採用を進める、ある専門工事会社では、求人媒体の無料掲載を約1カ月続けた後、有料掲載への切り替えを試していました。

求人ページを見る求職者の約7割はスマートフォンです。検索結果に表示された会社名や職種、写真、冒頭の短い文章を見て、気になれば求人の詳細を開きます。そこから仕事内容や待遇を確認し、応募へ進みます。

この会社でも、求人用の写真を現場寄りのものへ入れ替え、キャプションや文章を修正していました。ただし、原稿を整えただけでは、どこが採用成果に効いたのかはわかりません。

求人広告は、応募数だけでなく「表示回数→詳細クリック→応募」の順に見ることで、改善すべき場所が見えてきます。

課題

応募数だけでは「露出不足」か「原稿の弱さ」かを判別できない状態

求人を出しても応募が少ないと、「待遇が悪いのではないか」「建設業だから人が来ないのではないか」と考えがちです。しかし、応募数だけを見ても原因は切り分けられません。

まず確認したい数字は、次の3段階です。

  1. 表示回数:検索結果などに求人が表示された回数
  2. 詳細クリック数:表示された求人を求職者が開いた回数
  3. 応募数:求人の詳細を読んだ人が応募まで進んだ数

表示されていなければ、原稿の中身がよくても応募にはつながりません。表示されてもクリックされない場合は、一覧画面で見える写真や職種名、冒頭文に改善余地があります。クリック後に応募されない場合は、仕事内容や待遇、会社の魅力が十分に伝わっているかを見直す必要があります。

「応募がない」という一つの結果を、露出、入口、詳細内容の三つに分けることが出発点です。

背景

表示は約10倍でもクリックと応募が同じ比率では増えなかった求人実績

この会社では、無料掲載時と有料掲載への切り替え後で、おおよそ次のような動きが見られました。数値は匿名化のため調整しています。

掲載状況

表示回数

詳細クリック数

応募数

無料掲載時

約350回

約30回

1人

有料掲載への切り替え後

約3,100回

約45回

2人

有料掲載にすると、求人が表示される機会は大きく増えました。一方で、表示回数が約10倍になっても、クリック数と応募数が同じ割合で増えたわけではありません。

掲載期間などの条件が異なるため単純比較はできませんが、少なくとも次の二つは分けて考えられます。

  • 有料掲載によって、求職者に知ってもらう機会は増えた
  • 増えた表示をクリックや応募へつなげる改善余地は残っている

現場でも、「見られてクリックされるまでは一定の成果です。その先が面接につながらないなら、原稿を変えるのか、掲載を止めるのかを見たい」という整理がされていました。

さらに、経験者用と未経験者用の原稿を分けて掲載すると、違いがより明確になりました。

経験者用は表示回数が多く、応募の動きもありました。未経験者用は表示回数こそ少ないものの、表示後のクリック率は経験者用より高い状態でした。ただし、クリック後の応募はありませんでした。クリックにかかる費用も、未経験者用のほうが高くなっていました。

この結果から、未経験者用の求人は一覧画面では興味を持たれているものの、詳細を読んだ後に応募を決める材料が足りない可能性が見えてきます。

表示数が多い原稿がよいとは限らず、クリック率が高い原稿も応募につながるとは限りません。各段階の数字を続けて見る必要があります。

解決

表示・クリック・応募を分け、経験者用と未経験者用を小さく検証する改善手順

求人広告の改善は、数字が落ちている段階から手を入れると進めやすくなります。

1.表示回数が少ない場合は露出条件を確認する

表示回数が少ない場合は、原稿本文を細かく直す前に、そもそも求職者へ届いているかを確認します。

見るポイントは、募集職種、対象エリア、経験条件、検索される言葉、掲載方法です。有料掲載を使う場合も、最初から大きな予算をかける必要はありません。予算上限と掲載期間を設定し、露出がどの程度変わるかを確かめます。

表示が少ないときの優先課題は、求人内容よりも露出とターゲット設定です。

2.表示されてもクリックされない場合は入口を変える

表示回数はあるのに詳細クリックが少ない場合は、検索結果の一覧で見える要素を見直します。

特にスマートフォンでは、一度に見える情報が限られます。次の要素を優先して確認します。

  • 職種名が求職者に伝わる表現になっているか
  • 写真から実際の仕事や職人の姿が想像できるか
  • 冒頭文に、働く魅力や対象者が簡潔に書かれているか
  • 経験者向けか未経験者向けかが曖昧になっていないか

この会社でも、会社中心の画像から、実際の仕事や職人を想像しやすい画像へ切り替える方針が取られました。

クリック率を改善したいなら、最初に直すのは写真、職種名、冒頭文です。

3.クリック後に応募されない場合は詳細内容を見直す

詳細ページまで読まれているのに応募がない場合は、仕事内容や待遇、会社の魅力を確認します。

ここで大切なのは、魅力的に見せるために話を盛ることではありません。自社では当たり前になっている働き方や教育、仕事の特徴を、求職者に伝わる言葉へ置き換えます。

未経験者向けであれば、入社後に何を覚えるのか、どのように仕事を教えるのかが判断材料になります。経験者向けであれば、どのような現場や役割を任せるのか、これまでの経験をどう生かせるのかが重要です。

詳細クリック後の離脱が多い場合は、仕事内容・待遇・会社の魅力が応募判断に必要な粒度まで書かれているかを確認します。

4.経験者用と未経験者用の原稿を分ける

経験者と未経験者では、仕事選びの判断材料が異なります。一つの原稿で両方に呼びかけると、誰向けの求人なのかがぼやけやすくなります。

そのため、募集職種が同じでも原稿を分けます。そのうえで、次の数字を比較します。

  • それぞれの表示回数
  • 表示から詳細クリックへ進んだ割合
  • 詳細クリックから応募へ進んだ割合
  • 1件のクリックや応募にかかった費用

原稿を分ける目的は応募口を増やすことではなく、どの層に何が届いているかを測れる状態にすることです。

5.少額・短期間で試し、修正か停止かを判断する

求人原稿の良し悪しは、職種、エリア、給与体系によって変わります。公開前に考え続けるより、予算上限を決めて掲載し、一定の数字を集めたほうが判断しやすくなります。

進め方としては、写真や冒頭文を変更した日を記録し、1〜2週間ほど同じ条件で反応を見ます。一度に複数の項目を変えると、どの修正が効いたのかわからなくなるため、変更点は絞ります。

判断は、自社の直前の実績との比較を基本にします。

  • 表示が増えないなら、露出条件を見直す
  • 表示は増えたがクリック率が下がったなら、対象や入口を見直す
  • クリックは増えたが応募がないなら、詳細原稿を修正する
  • 費用に対して面接候補が得られないなら、原稿変更または掲載停止を検討する

予算を増やし続けるのではなく、数字を見て「続ける・直す・止める」を決められる運用にすることが重要です。

まとめ

建設業の求人広告は、応募人数だけを見ても改善点を特定できません。

表示回数が少なければ露出やターゲット設定、クリックされなければ写真や冒頭文、クリック後に応募されなければ仕事内容・待遇・会社の魅力を見直します。

経験者用と未経験者用の原稿も分けておくと、それぞれのクリック率や応募率を比較できます。予算上限と検証期間を決め、数字を見ながら少しずつ修正するほうが、自社に合う採用パターンを見つけやすくなります。

求人は、出して終わりではありません。応募までの途中経過を見えるようにすることで、採用費をかけるべき場所と原稿を直すべき場所を切り分けられます。

求人広告の数字を、自社に合う採用改善へつなげたい方へ

表示回数は増えたのに応募につながらない、経験者用と未経験者用の原稿をどう分ければよいかわからないなど、求人広告の数字だけでは判断に迷うこともあります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の採用課題を、求人原稿だけでなく、現場の仕事内容や教育体制、組織の状況まで含めて整理し、実行まで支援しています。

「うちの場合はどこから直すべきか」という段階でも構いません。無理にサービスを勧めることはありませんので、採用の数字を整理する場として気軽にお声がけください。

お問い合わせはこちら