どこかの現場で使うつもりで残している防水材
余った防水材を保管している理由は、使う予定が決まっているからとは限りません。「どこかで使うかもしれない」という見込みで残している場合もあります。
防水工事を手がけるある専門工事会社でも、使い切っていない防水材を在庫として持っていました。余った材料を捨てているのかという問いに対して、経営者の答えは「捨ててはいないですけど、在庫で防水材があったりはしています」というものでした。
保管していること自体に、特別な違和感があるわけではありません。自社で使う材料であれば、次の現場に回せる可能性があるためです。ただ、その先の使い道を確かめると、少し違う事情が見えてきます。
「どこかでは使うから持っているけど、別に必要というわけではないですね。余ってしまっているものです」
つまり、すぐに必要な材料として確保しているというより、使える機会を待ちながら持ち続けている状態でした。保管か売却かを考える際には、まずこの違いを揃えておくことが出発点になります。
「使える防水材」と「自社で使う見込みのある防水材」の混同
判断が止まりやすいのは、材料として使い道があることと、自社で使う見込みがあることを分けていないためです。
この会社の経営者は、保管の理由を尋ねられた際に、手放したいという意向を示しつつ、「どこかで使うのを待っているような感じ」とも話していました。残したい、手放したいのどちらか一方に気持ちが固まっているわけではありません。
この二つの考えは、矛盾しているわけではないでしょう。次の現場で使えれば、それでよい。一方で、具体的な使い道がないなら、持ち続ける必要も強く感じていないということです。
ここで「まだ使えるから」とだけ考えると、保管を続ける理由は残ります。しかし、どの現場で使うのかが具体化していなければ、いつまで持っておくかは決まりません。反対に、余っているという理由だけで売却対象にすると、自社で使う見込みのある材料まで一緒に扱うことになります。
整理したいのは、防水材を一律に残すか手放すかではなく、使う見込みがある在庫と、使う機会を待っている余剰資材の境目です。
捨てるほどではない防水材を手放す選択肢の不足
保管が続いていた背景には、「自社で使う」以外の扱い方を、まだ具体的に検討していなかったことが読み取れます。
この会社では、防水材を捨てているわけではありませんでした。その一方で、どうしても持っておきたい材料でもありません。使う機会があれば使う、という状態のまま保管が続いていたのです。
そこで選択肢として挙がったのが、建築資材を出品し、購入希望者がいれば売買につなげるサービスでした。不要になった資材を、捨てずに手放す方法です。経営者の反応も、「ちょっと見られれば」という、まず内容を確かめたい温度感でした。
ただし、紹介されたサービスは立ち上がって間もなく、利用者が十分に多いとはいえない段階でした。そのため、すぐに販売を始めるのではなく、まず出品されているものを見て、利用状況を確かめてから販売側になる、という進め方が示されていました。
ここには、在庫整理の判断と売却方法の判断を分けるヒントがあります。自社にとって余剰であると整理できても、それだけで売れると決まるわけではありません。 残す必要性と、売却先としての使いやすさは、それぞれ確かめる必要があります。
使う見込みを分けてから売買サービスを確かめる順序
最初に自社で残す理由を整理し、その後に売却の選択肢を確かめると、保管と売却を無理なく比較できます。 最初から出品を目標にせず、判断を二段階に分けて進めます。
まずは「どこで使うか」を言葉にする
保管している防水材について、「今後使うかもしれない」で止めず、使う現場や用途の見込みをどこまで説明できるか確認します。細かな管理方法を新しくつくる前に、次の二つに分けるところからで十分です。
- 使う現場や用途の見込みがあるもの:自社で使う在庫として、保管を続ける理由を確認します。
- 使い道が具体化しておらず、手放してもよいもの:余剰資材として、売却の検討対象に分けます。
大切なのは、使う現場がまだ決まっていない材料を、すべて不要と決めつけないことです。「どこかで使う」と考えているなら、その見込みがどの程度あるのかを一度言葉にします。
そのうえで、説明できる使い道がなく、経営者自身も「なくてもよい」と感じているものから、手放す方法を調べると進めやすくなります。これなら、必要な在庫まで減らす判断にはなりません。
売却を決める前に、出品内容と利用状況を見る
建築資材の売買サービスは、余剰資材を手放す選択肢の一つです。ただし、資材を出品できることと、買い手が見つかることは別です。
まずは閲覧できる範囲で、どのような資材が出品されているのか、自社の防水材も扱えるのかを確認します。あわせて、サービスの利用状況を確認し、出品を検討するだけの接点がありそうかを見ていきます。閲覧だけでは判断できない点は、運営側への確認事項として残しておけばよいでしょう。
サービスの存在を知った段階では、出品を急ぐより、自社の余剰資材に合う売却先かどうかを見極めることが先です。 特に立ち上がって間もないサービスでは、利用者の広がりを見ながら検討する余地があります。
保管の継続と売却の検討を、別々に進める
売却を検討し始めたからといって、その場で手放すと決める必要はありません。使い道が具体化していない防水材を分けたうえで、売買サービスの内容を確かめ、利用するかを判断します。
その過程で自社で使う見込みが具体化すれば、保管する理由を改めて確認できます。反対に、使う見込みがないままで、売却先の利用状況にも納得できれば、出品を検討する段階に進めます。
この順序なら、「いつか使うから」という理由だけで残し続けることも、「余っているから」という理由だけで売却を急ぐことも避けられます。判断の中心は、あくまで自社での使い道です。
まとめ
余った防水材の扱いは、「まだ使えるか」だけでなく、「自社で使う見込みがあるか」で整理することが出発点です。
「どこかの現場で使うつもりで持っているけれど、なくても困らない」という材料は、保管を続けるか見直す対象になります。まずは使う見込みのある在庫と、使い道が具体化していない余剰資材を分けると、残す理由と手放してもよい理由が見えやすくなります。
売却を考える場合も、建築資材の売買サービスで出品内容や利用状況を確認するところから始められます。在庫の整理と売却先の確認を分け、売れることを前提にせず段階的に判断することが、次の一手です。
余った防水材をどこまで残すか迷ったときの整理先
「うちの在庫は、何を残して何を手放す候補にするか」という段階から、一緒に整理できます。 売却する方針が決まっている必要はありません。
ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場の事情と経営の両面から整理し、実行まで支援しています。余剰資材についても、特定の売却方法を先に決めるのではなく、自社で使う見込みと保管を続ける理由を確認するところから考えます。
「何から整理すればよいかわからない」という場合もご相談いただけます。無理にサービスの利用や売却をお勧めすることはありませんので、自社の場合の考え方を整理する機会としてお声がけください。