日野自動車株式会社は、令和8年10月7日、国土交通大臣に対して大型トラック「日野プロフィア」のリコールを届け出ました。リコール開始日は令和8年10月8日です。対象は計1,391台で、E13Cエンジン制御コンピュータのプログラムに関する不具合が公表されています。

届出者

日野自動車株式会社

リコール届出番号

5887

リコール届出日

令和8年10月7日

リコール開始日

令和8年10月8日

対象車種

日野プロフィア

対象型式

2DG-FR1EHG、2DG-FR1EHJ、2DG-FS1EHA、2DG-FS1EHG

対象台数

計1,391台

不具合部位

原動機(エンジン制御プログラム)

事故の有無

なし

問い合わせ先

日野自動車 お客様相談窓口 TEL 0120-106558

何が問題になっているのか

今回のリコールは、E13Cエンジン制御コンピュータに関するものです。公表資料では、大きく2つの不具合が示されています。

1つ目は、DPR再生用制御プログラムが不適切なため、高回転・高負荷条件でのDPR再生中に尿素SCR触媒温度が想定より高温となり、触媒劣化の進行が早くなることがあるというものです。そのまま使用を続けると、排出ガス中の窒素酸化物の排出値が規制値を超えるおそれがあります。

2つ目は、SCR触媒劣化判定プログラムが不適切なため、正常な触媒を異常と誤判定し、警告灯が点灯するおそれがあるというものです。

建設業の現場では、大型車両に高い負荷がかかる使い方も少なくありません。資材運搬、残土・産廃運搬、重機回送に近い運行、坂道や長距離の移動など、車両にとって負荷の大きい条件が重なることがあります。今回の内容は、ただの「警告灯の話」ではなく、排出ガス規制への適合や、車両稼働の安定性に関わる車両管理上のテーマとして見ておくのがよいです。

対象車両の範囲

公表された対象車両は、日野プロフィアの計4型式です。

車名

型式

通称名

車台番号の範囲

製作期間

対象台数

日野

2DG-FR1EHG、2DG-FR1EHJ

日野プロフィア

FR1EH-100015~FR1EH-102058

平成29年6月6日~令和4年3月2日

1,134台

日野

2DG-FS1EHA、2DG-FS1EHG

日野プロフィア

FS1EH-100025~FS1EH-101332

平成29年8月24日~令和4年1月25日

257台

製作期間全体では、平成29年6月6日から令和4年3月2日までの車両が対象範囲に含まれています。

ただし、国土交通省の資料では、リコール対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があるとされています。したがって、自社の車両が該当しそうな場合でも、車台番号だけで自己判断せず、販売店、届出者、またはメーカーのリコール等情報対象車両検索で確認することが大切です。

改善措置の内容

今回の改善措置は、主に次の内容です。

  • 全車両について、エンジン制御コンピュータのプログラムを対策仕様に書き換える
  • 全車両について、排気管に保温カバーを取り付ける
  • メンテナンスノートの点検整備項目に追加されていた触媒の浄化率点検を削除する
  • 日野自動車が定めた基準に沿って触媒の点検を行い、基準を超える場合は触媒を新品に交換する

また、改善実施済みの車両については、日野自動車のインターネットホームページのリコール等情報対象車両検索で「実施済」と表示されるとされています。

中小建設業にとって重要なのは、整備そのものだけでなく、いつ車両を入庫させるかです。大型車両は、代替車の確保が簡単ではないことがあります。現場の工程、搬入予定、外注運搬の手配、ドライバーの稼働予定と絡みます。

「いつでも整備に出せる」と思っていても、実際には「その車が止まると、あの現場の搬入が止まる」ということが起きます。対象の可能性がある場合は、現場に影響が出にくい日程で早めに販売店へ相談することが現実的です。

中小建設業がまず確認したいこと

今回のリコールで、自社が確認したいポイントは3つです。

1つ目は、自社保有車両に日野プロフィアがあるかです。ダンプ、セルフ、トラクタ、資材運搬車など、用途にかかわらず、対象型式・製作期間に近い車両がある場合は確認対象になります。

2つ目は、車検証や車台番号をもとに、対象車両かどうかを販売店またはメーカー検索で確認することです。車台番号の範囲に入っていても対象外の場合があるため、ここは正確に見ておきたいところです。

3つ目は、協力会社や運搬会社の車両も含めて、現場への影響を見ておくことです。自社車両が対象でなくても、日々現場に入っている運搬会社の車両が対象になる可能性はあります。特に、搬入・搬出の遅れが工程全体に響く現場では、協力会社との情報共有が有効です。

建設業の車両管理は、単なる総務業務ではありません。車両が止まると、現場の生産性、売上、信用に直結します。今回のようなリコール情報は、「該当したら対応する」だけでなく、普段から車両台帳、点検履歴、担当販売店、代替手段を整理しておくきっかけになります。

今回のニュースから見える経営上の示唆

今回のリコールは、事故の有無としては「なし」とされています。一方で、排出ガス規制に関わる内容であり、警告灯の点灯や触媒点検・交換の可能性も含まれています。

ここから読み取れるのは、これからの車両管理は、故障してから直す時代ではなく、規制適合・環境性能・電子制御まで含めて管理する時代になっているということです。

近年のトラックは、エンジン、排気後処理装置、制御プログラムが一体で性能を維持しています。昔のように「走るか、止まるか」だけでは判断できません。警告灯、排出ガス、電子制御、メーカー対応、リコール実施状況まで含めて、会社として把握する必要があります。

中小建設業では、車両の管理がベテラン社員や特定の担当者の経験に依存していることがあります。「あの車は誰々がよく知っている」「整備工場とのやり取りは専務がやっている」という状態です。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。ただ、台数が増え、車両が高度化し、規制対応が増えるほど、属人的な車両管理だけでは抜け漏れが起きやすくなります。

今回のようなリコールを機に、次のような項目を一覧化しておくと、今後の対応がかなり楽になります。

  • 車名、型式、車台番号
  • 初度登録年月、製作時期が分かる情報
  • 使用部署・主な現場用途
  • 車検・点検時期
  • 整備依頼先、販売店の連絡先
  • リコール確認日、対応状況
  • 代替車両や外注手配の候補

特に複数台を保有している会社では、車両台帳にリコール対応状況の欄を加えるだけでも、管理精度は大きく上がります。

「うちの車両管理」を見直すきっかけにする

今回のリコールに該当する会社は、まず対象確認と販売店への相談が優先です。一方で、該当しなかった会社にとっても、これは車両管理の仕組みを見直すよい機会です。

建設業では、現場の段取り、職人の配置、材料の手配には細かく気を配ります。しかし、車両については「動いているから大丈夫」となりがちです。けれども、車両は現場を支える重要な経営資産です。止まってから考えるのではなく、止まらないように管理する。この発想が、これからますます大切になります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。車両台帳や点検管理、原価管理、現場段取りの見える化なども、突き詰めれば「ものづくりに集中できる建設業界へ」つながるテーマです。

「リコール対応をきっかけに、車両管理を少し整えたい」「現場ごとの車両稼働や維持費を見える化したい」「何から整理すべきかわからない」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の壁打ち先として必要なときにご相談ください。

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