国土交通省は、令和8年8月分の「少数台数のリコール届出」を公表しました。対象が100台未満のリコールについて、令和8年8月は9件の届出があったとされています。

今回の公表には、フォークリフト、脱着装置付コンテナ専用車、トラックなど、建設業の現場・資材運搬・構内作業に関わり得る車両が含まれています。台数は少なくても、走行不能、燃料漏れ、スペアタイヤ脱落、保安基準不適合のおそれなど、安全管理上は見過ごせない内容です。

公表内容

少数台数のリコール届出(令和8年8月分)

公表日

令和8年9月17日

届出件数

9件(対象100台未満のリコール)

建設業で特に確認したい車両

フォークリフト、脱着装置付コンテナ専用車、トラック等

確認方法

販売店、届出者、メーカー等ホームページの検索画面

元情報

国土交通省 物流・自動車局 審査・リコール課

建設会社が特に見ておきたい対象車両

今回の公表で、建設業の実務に関係しやすいものは主に次の車両です。

届出者

車両・通称名

対象台数

主な不具合内容

株式会社ロジスネクスト

フォークリフト「FX」等

61台

アクスルチューブの嵌合保持力が低下し、最悪の場合、走行不能に至るおそれ

極東開発工業株式会社

脱着装置付コンテナ専用車「ふそうスーパーグレート」等

65台

突入防止装置が保安基準に適合しないおそれ

株式会社パブコ

トラック「フォワード」等

14台

スペアタイヤキャリアブラケットの溶接が剥がれ、最悪の場合、スペアタイヤが脱落するおそれ

スカニアジャパン株式会社

スカニア LPRGSシリーズトラック

32台

エアコン制御ユニット停止によりデフロスタが機能せず、保安基準に適合しないおそれ

このほか、農耕トラクタや乗用車に関する届出も含まれています。建設会社でも、地域や事業内容によっては農業土木、造成、除雪、運搬などで特殊車両を保有・使用している場合があります。

「うちは建設業だから関係ない」と見切らず、車両名・型式・通称名で一度確認することが大切です。

少数台数リコールほど、見落とされやすい

今回のポイントは「少数台数」です。対象が100台未満のため、大規模リコールのように大きく話題になりにくい傾向があります。

しかし、現場で使う車両は1台止まるだけで影響が出ます。

資材搬入が遅れる。廃材搬出が止まる。構内の荷役が詰まる。協力会社の工程にも波及する。安全上の不具合であれば、事故や第三者被害につながる可能性もあります。

台数の大小と、自社への影響の大小は別です。

特にフォークリフトやトラックは、現場の「脇役」に見えて、実際には工程を支える重要な設備です。故障してから気づくのではなく、定期点検や車検とは別に、リコール情報も管理対象に入れておきたいところです。

自社で確認すべきこと

中小建設企業では、車両管理が総務、現場代理人、社長、整備担当者に分散していることがあります。今回のような情報を見たときは、次の順で整理すると動きやすくなります。

  1. 自社保有車両の一覧を確認する

車名、型式、通称名、製作期間・輸入期間に該当しそうな車両がないか確認します。

  1. リース車両・レンタル車両も確認する

自社名義ではなくても、現場で使用している車両であれば安全管理上の確認対象です。

  1. 協力会社の車両も必要に応じて声をかける

搬入・搬出、荷役、構内移動に関わる車両は、自社工程にも影響します。

  1. 販売店・届出者・メーカー検索画面で該当有無を確認する

国土交通省も、販売店または届出者への問い合わせ、メーカー等ホームページでの確認を案内しています。

  1. 対応状況を記録する

「確認日」「確認者」「該当有無」「対応予定日」を残しておくと、安全書類や社内管理にも使いやすくなります。

リコール確認は、特別な業務ではなく、車両管理の一部として回すのが現実的です。

経営者目線では「車両台帳の精度」が問われます

今回のような公表を見たとき、すぐに確認できる会社と、確認に時間がかかる会社があります。

差が出るのは、車両台帳です。

どの車両を、どの現場で、誰が、どの期間使っているのか。リースなのか、自社保有なのか。型式や車台番号まで追えるのか。

ここが整理されている会社は、リコール対応だけでなく、保険、車検、点検、燃料費、修繕費、入替判断も早くなります。

リコール情報は、車両管理の弱点を見つけるきっかけになります。

紙の台帳でも構いません。Excelでも構いません。大切なのは、現場任せにしすぎず、会社として「見える状態」にしておくことです。

これからの安全管理は、現場内だけでは足りない

建設業の安全管理というと、足場、重機、墜落転落、熱中症、KY活動などに目が向きます。もちろん重要です。

ただ、近年は車両・物流・構内移動も重要度が増しています。人手不足で1台あたりの稼働が増え、工程も詰まりやすい。資材価格の上昇で、車両更新の判断も慎重になります。

だからこそ、車両を「動けばよいもの」ではなく、「安全と利益を支える経営資産」として見る視点が必要です。

今回の少数台数リコールも、その延長にあります。

対象台数は少ない。けれど、該当する1台を持っている会社にとっては、決して小さな話ではありません。

車両管理と安全体制を一度整理しておく

リコール情報をきっかけに、自社の車両台帳、点検記録、リース車両の管理、協力会社との情報共有を見直しておくと、日々の現場運営が少し安定します。

「うちの場合、どこまで管理すればよいのか」「車両台帳や点検管理をどう整えればよいのか」「安全管理と原価管理を一緒に見直したい」という段階でも、整理する価値があります。

ネクスゲートでは、建設企業の持続的成長を支援する立場から、現場・採用・組織・原価管理・デジタル活用まで横断して、経営課題の整理と実行を支援しています。ものづくりに集中できる建設業界へ向けて、車両管理や安全体制の見直しも、会社に合った形で一緒に考えることができます。

無理な営業はいたしません。まずは「何から整理すべきか」を確認する場としてご活用ください。

お問い合わせはこちら