国土交通省は、キャタピラージャパン合同会社から、ショベル・ローダ「902」「903」についてリコールの届出があったと発表しました。対象は計549台です。冷却ファンとファンガードのクリアランス不足により、使用を続けると冷却ファンが破損し、最悪の場合、ラジエータ損傷や冷却水漏れにつながるおそれがあります。

届出者

キャタピラージャパン合同会社

リコール届出日

令和8年10月19日

リコール開始日

令和8年10月20日

対象車種

キャタピラー「902」「903」

対象台数

計549台

対象の製作期間

令和6年5月13日〜令和7年10月31日

不具合部位

原動機(ファンガード/冷却ファン)

不具合件数

16件

事故の有無

無し

改善措置

全車両、ファンガードの取付部にスペーサを追加

確認方法

販売店または届出者へ問い合わせ。メーカー等ホームページの検索画面でも確認可能な場合あり

今回のリコールで起きていること

今回の対象は、キャタピラーのショベル・ローダ「902」「903」です。PDFの届出一覧表では、計4型式・計2車種、合計549台がリコール対象とされています。

不具合の内容は、原動機まわりの冷却ファンとファンガードのすき間に関するものです。設計検討が不十分だったため、冷却ファンとファンガードのクリアランスが不足している車両があるとされています。

そのまま使用を続けると、エンジン振動などによって冷却ファンがファンガードに接触し、冷却ファンが破損する可能性があります。さらに、最悪の場合、ファンの破片によりラジエータが損傷し、冷却水が漏れるおそれがあります。

改善措置は明確です。全車両について、ファンガードの取付部にスペーサを追加します。改善実施済み車両には、キャブ後面ガラス左下または左支柱下に、実施済みであることを示すステッカーが貼付されます。

中小建設会社がまず見るべきポイント

今回のリコールは、日常的にショベル・ローダを使う会社にとって、単なるメーカー対応ではなく、現場の安全と稼働計画に関わる情報です。

まず確認したいのは、次の3点です。

  • 自社保有機にキャタピラー「902」「903」があるか
  • リース・レンタル・協力会社持ち込み機に対象車両が含まれていないか
  • 車台番号、製作期間、型式がリコール対象に該当するか

特に見落としやすいのは、リース機・レンタル機・協力会社の持ち込み機です。自社名義で保有していなくても、現場で動いていれば、停止や故障が工程に影響します。

国土交通省の発表では、対象に該当するかどうかは、販売店または届出者へ問い合わせるよう案内されています。メーカー等ホームページの検索画面でも確認できる場合があります。

現場での考え方:止める判断より、先に確認する体制を

今回の不具合は、届出上「事故無し」とされています。一方で、不具合件数は16件とされています。つまり、現時点で事故が確認されていないからといって、確認を後回しにしてよい種類の情報ではありません。

建設業の現場では、重機の不具合は安全面だけでなく、工程・人員配置・外注手配にも影響します。冷却ファンやラジエータまわりの損傷が起きれば、現場での稼働停止、代替機の手配、作業順序の変更が発生する可能性があります。

中小建設会社としては、「対象かどうかを早く確認し、対象なら修理日程を先に押さえる」ことが最も実務的です。現場投入中の機械であれば、次の非稼働日や工程の切れ目に合わせて対応できるよう、早めに販売店と調整しておくのが現実的です。

確認すべき社内管理項目

今回のようなリコール情報を受けたとき、会社としては以下を確認しておくと、今後の設備管理にもつながります。

  1. 保有機械台帳に、型式・車台番号・購入先・整備先が記録されているか
  2. リース機・レンタル機について、問い合わせ先がすぐ分かる状態か
  3. 現場ごとに、どの機械が入っているか把握できているか
  4. リコール対応済みかどうかを記録する欄があるか
  5. 修理・点検による一時停止を工程に反映できるか

重要なのは、今回の1件だけで終わらせないことです。リコール対応は、機械管理の精度を上げるきっかけになります。

建設会社では、人の資格管理や安全書類は整っていても、機械の車台番号、整備履歴、リコール対応履歴が分散していることがあります。紙、Excel、販売店任せ、現場任せが混在している会社も少なくありません。

今回のように対象車両が型式・車台番号で指定される情報では、「うちにあるかどうかがすぐ分かる」状態そのものが、経営上の強みになります。

故障対応ではなく、稼働率を守る設備管理へ

重機は、止まってから直すものではなく、止まらないように管理するものです。もちろん、すべての故障を防ぐことはできません。しかし、リコールや点検情報に早く反応できれば、突発停止の可能性を下げることはできます。

特に中小建設会社では、1台の機械停止が現場全体の生産性に直結します。代替機の手配も、地域や時期によっては簡単ではありません。

今回のリコールから読み取るべきことは、安全管理と機械稼働率は別々の話ではないという点です。安全のために確認することが、結果として工程を守り、利益を守ることにもつながります。

まずは、対象機の有無を確認する。対象であれば、販売店や届出者に連絡し、改善措置の予定を押さえる。対応後は、ステッカーの有無と整備記録を残す。ここまでを一連の流れにしておくと、次のリコールや点検情報にも強くなります。

自社の機械管理を見直すきっかけにする

今回のリコールは、対象機を持つ会社にとっては早めの確認が必要な情報です。同時に、対象機を持っていない会社にとっても、機械台帳や整備履歴の管理方法を見直すよい機会になります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社がものづくりに集中できるよう、現場・組織・原価・デジタル活用まで横断して、経営課題の整理と実行を支援しています。機械管理、点検記録、Excel台帳、現場ごとの情報共有なども、会社の成長段階に合わせて整えることができます。

「対象確認の仕組みを作りたい」「機械台帳が属人的になっている」「現場と管理部門で情報がつながっていない」といった段階でも構いません。無理な営業はいたしませんので、自社の場合に何から整理すべきかを考える場としてご活用ください。

お問い合わせはこちら