国土交通省は、株式会社小松製作所からコマツ製フォークリフト「FG25」などについてリコールの届出があったと公表しました。対象は計6型式・計10車種、合計1,757台です。排気管が正しく組み付けられていないものがあり、そのまま使用を続けると、排気管の差込部から排気ガスが漏れるおそれがあります。

届出者

株式会社小松製作所

リコール届出番号

5881

リコール届出日

令和8年10月9日

リコール開始日

令和8年10月9日

対象車

コマツ FG09、FG10、FG15、FG18、FG20、FG25、FG30、FG35A、FG25N、FG30N

対象台数

計1,757台

不適合の部位

原動機(排気管)

不具合件数・事故の有無

不具合件数0件、事故無し

改善措置

排気管の差込部を点検し、排気ガス漏れまたはクランプ位置不良があるものは、熱硬化性シール剤を追加塗布して正規位置で再締結

建設会社がまず見るべきポイント

今回のリコールは、道路を走るトラックではなく、フォークリフトが対象です。建設会社でも、資材置場、倉庫、加工場、機材センターなどでフォークリフトを使っている会社は少なくありません。

対象となる通称名は、コマツのFG09、FG10、FG15、FG18、FG20、FG25、FG30、FG35A、FG25N、FG30Nです。

特に確認したいのは、次の3点です。

  • 自社にコマツ製フォークリフトがあるか
  • 型式・通称名が対象に含まれているか
  • 車台番号(シリアル番号)が対象範囲に入っているか

国土交通省の資料では、対象範囲に入る車台番号が示されています。ただし、資料には「リコール対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があります」とされています。したがって、車台番号の範囲に入っていそうな場合は、自己判断で終わらせず、販売店または届出者に確認するのが安全です。

不具合の内容は「排気管の組付け」

今回の不具合は、フォークリフトの排気管に関するものです。組立工程の作業が不適切だったため、排気管が正しく組み付けられていないものがあるとされています。

その結果、使用を続けると、排気管の差込部から排気ガスが漏れるおそれがあります。

現時点で公表資料上は、不具合件数は0件、事故は無しとされています。とはいえ、排気ガスに関わる不具合は、作業環境や作業者の安全にもつながる領域です。屋外利用が中心であっても、倉庫内、屋根付きヤード、換気が十分でない場所で使う場面がある会社は、早めに確認しておきたい内容です。

対象車両の範囲

公表資料に記載された対象車両は、以下のとおりです。

車名

型式

通称名

製作期間

対象台数

コマツ

EBT-SM221K

FG09、FG10、FG15、FG18

令和2年1月30日〜令和7年12月11日

693台

コマツ

EBT-SM225K

FG20、FG25

令和2年1月27日〜令和7年12月11日

921台

コマツ

EBT-SM226K

FG30

令和2年2月4日〜令和7年12月1日

119台

コマツ

EBT-M226K

FG30、FG35A

令和2年4月10日〜令和7年9月10日

15台

コマツ

EBT-M232K

FG25N

令和2年10月30日〜令和5年2月10日

3台

コマツ

EBT-M255K

FG30N

令和2年2月13日〜令和7年11月10日

6台

製作期間全体の範囲は、令和2年1月27日から令和7年12月11日までです。

建設会社の実務では、フォークリフトが「車両台帳」ではなく「機械台帳」「備品台帳」「リース管理表」などに分かれて管理されていることがあります。今回のようなリコール情報を確実に拾うには、社内の管理台帳でフォークリフトのメーカー・型式・シリアル番号まで確認できる状態にしておくことが大切です。

実務上の対応:現場任せにしない確認フローを

今回の改善措置は、全車両について排気管の差込部を点検し、排気ガス漏れまたはクランプ位置不良があるものについて、熱硬化性シール剤を追加塗布し、正規位置で再締結するという内容です。

使用者には、直接電話またはダイレクトメール等により連絡されるとされています。また、小松製作所のホームページにも掲載されるとされています。

中小建設業としては、次のように進めると混乱が少なくなります。

  1. 保有・リース中のフォークリフトを一覧化する
  2. コマツ製の対象車種がないか確認する
  3. 型式、通称名、車台番号を確認する
  4. 対象の可能性があれば販売店または届出者へ問い合わせる
  5. 点検・改善措置の実施状況を記録に残す

特に最後の「記録」は重要です。安全衛生、車両管理、元請からの確認、社内監査のいずれの観点でも、確認したかどうかが後から分かる状態にしておくことが会社を守ります。

これは単なるリコール情報ではなく、機械管理の点検機会です

今回の対象はフォークリフトですが、建設会社にとっての本質は、現場や資材置場で使う機械を、誰が、どの台帳で、どこまで管理しているかという点です。

建設業では、ダンプ、トラック、バックホウ、発電機、コンプレッサー、フォークリフトなど、事業を支える機械が多岐にわたります。一方で、日々の現場対応が優先されるため、メーカー、型式、製造番号、点検履歴、リコール対応履歴が一元化されていない会社もあります。

今回のような情報が出たときに、すぐ確認できる会社は強いです。反対に、誰かの記憶や現場任せになっていると、確認に時間がかかります。

リコール対応は、単発の事務処理ではなく、機械管理の仕組みを見直す良いきっかけになります。

自社の機械管理を整理するきっかけに

フォークリフトを含む車両・機械の管理は、安全、原価、稼働率、修繕費、更新投資に直結します。今回のリコール対象かどうかの確認とあわせて、台帳や点検履歴の整理まで進めておくと、今後の管理がかなり楽になります。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場、採用、組織、原価、デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。リコール対応そのものに限らず、「車両・機械管理をExcelでどう整えるか」「点検履歴を誰が管理するか」「更新投資をどう判断するか」といった段階から一緒に整理できます。

うちの場合は何から見直せばよいか分からない、という段階でも大丈夫です。 無理な営業はいたしませんので、今回のようなニュースをきっかけに自社の管理体制を見直したい場合は、必要な論点整理の場としてご活用ください。

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