国土交通省は、令和8年10月9日、株式会社小松製作所からショベル・ローダ「WA270」「WA320」などに関するリコールの届出があったと公表しました。

対象は計4型式・4車種、合計2,404台です。駐車ブレーキバルブへの雨水等の浸入対策が不十分なため、最悪の場合、走行中に駐車ブレーキが作動するおそれがあります。

届出者

株式会社小松製作所

リコール届出日

令和8年10月9日

リコール届出番号

5880

リコール開始日

令和8年10月9日

対象車種

コマツ WA320-7、WA320-8、WA270-7、WA270-8

対象台数

計2,404台

不適合部位

制動装置(駐車ブレーキ)

不具合件数

4件

事故の有無

無し

改善措置

ソレノイド交換、リード線挿入部の向き変更、カバー取付、必要なコネクタへのシール剤塗布

何が問題なのか

今回の不具合は、ショベル・ローダの駐車ブレーキバルブに関するものです。

公表資料によると、駐車ブレーキバルブへの雨水等の浸入対策が不十分でした。ソレノイドリード線挿入部の隙間から雨水等が浸入することがあります。

そのまま使い続けると、ソレノイド内部に錆が発生します。すると、駐車ブレーキを解放状態に保持する力が減少します。

そして最悪の場合、走行中に駐車ブレーキが作動するおそれがあります。

現場で考えると、これは軽く見にくい内容です。土場、造成地、資材置場、構内運搬。ショベル・ローダは「いつもの機械」として日々動きます。だからこそ、ブレーキ系のリコールは、保有車両だけでなく、リース車両や協力会社の持ち込み車両まで目配りしておきたいところです。

対象となる車両

今回公表された対象は、次の4車種です。

車名

型式

通称名

対象台数

コマツ

WDR-WA121

WA320-7

178台

コマツ

YDR-WA135

WA320-8

963台

コマツ

WDR-WA122

WA270-7

163台

コマツ

YDR-WA136

WA270-8

1,100台

製作期間全体の範囲は、平成28年3月4日から令和8年7月15日までです。

ただし、国土交通省の資料には注意書きがあります。リコール対象車の車台番号の範囲には、対象とならない車両も含まれている場合があります。

そのため、「うちのWA270-8は年式が近いから対象だろう」と決めつけるのではなく、販売店、届出者、メーカー等の検索画面で確認するのが確実です。

改善措置の内容

改善措置は、全車両に対して次の内容です。

  • ソレノイドを対策品に交換する
  • ソレノイドリード線挿入部の取り付け向きを変更する
  • ソレノイド周囲にカバーを取り付ける
  • シリコン接着シール剤が未塗布のコネクタにシール剤を塗布する

改善後は、カバーの有無で識別するとされています。

現場側としては、「修理したかどうか」を口頭だけで済ませないことが大事です。点検記録、整備記録、リース会社からの案内、メーカー対応の完了状況。ここを残しておくと、後から確認しやすくなります。

中小建設業がまず確認したいこと

今回のリコールで、中小建設企業が見るべきポイントはシンプルです。

まず、WA270・WA320系のショベル・ローダを使っているか。

自社保有だけではありません。リース、レンタル、協力会社の持ち込み車両も含めて確認したいところです。

次に、車台番号・シリアル番号を確認することです。対象範囲に入っているように見えても、実際には対象外の場合があります。逆に、「たぶん違うだろう」と思って見落とすのも避けたいところです。

そして、対象であれば、販売店や届出者に改修予定を確認することです。

建設機械は、止めるタイミングが難しいです。「今週は現場で使う」「月末まで空かない」「代替機がない」。そういう声が現場から出るのは自然です。

だからこそ、早めに確認しておく価値があります。急に止めるより、工程に合わせて整備の時間をつくるほうが、現場も管理側も動きやすくなります。

2023年届出から見直されたリコールである点にも注意

資料には、今回の届出について、令和5年7月26日付け届出番号「5359」にてリコール届出したものと同様の不具合である、と記載されています。

そのうえで、新たな原因が判明したため、改善措置の内容と対象範囲を見直して新たに届出するものとされています。

ここは、経営側として少し意識しておきたい点です。

過去に似た案内を見た会社ほど、「前に確認したから大丈夫」と思いやすいです。けれど今回は、新たな原因が判明し、対象範囲や改善措置が見直されています。

過去に確認済みの車両でも、今回のリコール番号5880として改めて確認する。

この一手間が、現場の安全管理としては大切です。

現場での受け止め方

今回の不具合件数は4件、事故は無しとされています。

ただ、ブレーキに関わる不具合です。しかも、ショベル・ローダは人や車両、資材が近い場所で動くこともあります。

大きく構えすぎる必要はありません。けれど、「対象確認」「改修予定」「現場への共有」までは早めに済ませるのがよいです。

たとえば、次のような確認です。

  • 自社にWA270・WA320系の車両があるか
  • リース・レンタル車両に対象機が含まれていないか
  • 協力会社が現場に持ち込む車両に対象機がないか
  • 車台番号・シリアル番号を確認したか
  • 販売店・リース会社・メーカーに対象有無を確認したか
  • 改修が終わるまでの使用上の注意を現場に共有したか

難しい話ではありません。けれど、こういう確認が現場を守ります。

「いつもの機械だから大丈夫」ではなく、「いつもの機械だからこそ、一度見ておく」。そんな受け止め方がよさそうです。

自社の機械管理を見直すきっかけにする

リコール対応は、単発の事務作業に見えます。

しかし実際には、保有機械、リース機械、協力会社の持ち込み機械をどう把握しているかが表に出ます。車台番号まで一覧化できている会社は、確認が早いです。担当者の記憶に頼っている会社は、どうしても確認に時間がかかります。

今回のようなニュースをきっかけに、建設機械の台帳、点検記録、リース契約、現場持ち込みルールを少し整えておくと、次の対応が楽になります。

「うちの場合、どこまで管理すればいいのか」「台帳や点検の運用を現場に合う形で整えたい」。そう感じた場合は、ネクスゲートでも一緒に整理できます。建設企業の持続的成長を支援する立場から、現場・安全・組織・デジタル活用まで横断して、無理のない形を考えます。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の場として使ってください。

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