アナログ業務の改善に向けて複数のアプリを導入中の建設会社
デジタル化に取り組んでいても、使える状態に整える仕事が一人に集まると、導入を進める側の負担は増えてしまいます。
ある建設会社では、アナログ中心だった社内業務を変えるため、複数の業務アプリを取り入れていました。中心になっていたのは、以前は営業を担い、現在は社内の仕組みづくりを進めている意思決定者です。
「使い慣れたらもちろんいいんだけど、初めの設定がもう負担で」
アプリの便利さは感じています。導入をやめたいわけでもありません。ただ、新しいものを入れるたびに、設定を調べ、使い方を覚え、社員に説明する。その仕事が重なっていました。
現場が稼げるように、社内を整えたい。そのための取り組みに、自分の時間が取られている状態です。社長や役員がデジタル化を引っ張っている会社なら、重なる部分があるのではないでしょうか。
初期設定から社員の質問対応までが導入担当者に集中する負担
困りごとはアプリの操作だけではなく、導入から社内で使い続けるまでの対応を、一人で引き受けていることです。
この会社では、導入するたびに似た負担が生まれていました。まず初期設定を進めます。操作が分からなければ調べます。会社で使える状態になったら、社員へ説明します。そして利用が始まると、今度は社員から質問が来ます。
「説明して使い出したら、使えないところの質問が来る。それが大変」
製品側のオンラインサポートはあります。それでも、社内で誰かが理解し、社員に伝える役割は残ります。さらに複数のアプリを使うと、アプリ同士の連携も考えなければなりません。
一つずつのアプリは便利でも、全体を整える仕事が減っていない。ここを分けて考えると、次の手を選びやすくなります。
見直したいのはアプリの数だけでなく、「設定・説明・問い合わせ・連携調整を誰が担うか」です。
製品別のサポートではアプリをまたぐ相談が残る構造
製品ごとの相談先がそろっていても、業務全体を相談できる相手がいるとは限りません。
相談者が不便に感じていたのは、特定のアプリを扱う窓口では、別のアプリも含めた相談がしにくいことでした。
「このアプリの代理店だから、これを変えるという選択はないし、違うものの相談もできない」
製品内の設定を教えてもらうことと、複数のアプリの組み合わせを考えてもらうことは、別の役割です。個々の窓口に確認しても、その回答をつなぎ、自社ではどう使うかを決める仕事は導入担当者に残ります。
連携がうまくいかず、別のアプリへ切り替える。そのたびに設定や説明をやり直す。こうした入れ替えを繰り返す負担も、対話の中で挙がっていました。
この会社では、その仕事を切り離すため、地域で活動する外部の支援者に、複数のアプリを横断して見てもらうようになっていました。必要に応じて来てもらえる点も、助けになっていたそうです。
「サービスをまたいで、何でも手伝ってくれるのは、すごく助かる」
求めていたのは、新しい製品を紹介してくれる人だけではありません。今あるアプリも、変更する選択肢も含めて、一緒に全体を考えてくれる相手でした。
管理したい情報と残っている負担から選ぶデジタル化の進め直し
次のアプリを探す前に、何を管理したいのか、どの対応を自分から切り離したいのかを整理するところから始めたいところです。
対話では、出面管理を含めて独自システムをつくる選択肢も挙がっていました。一方で、既存のアプリを組み合わせ、その設計や相談窓口を外部にまとめる方法もあります。独自システムにすることが、必ずしも最初の答えではありません。
まずはアプリ名より、管理したい内容を整理する
整理の出発点は、「どの製品がよいか」ではなく「何を管理したいか」です。現在のアプリについて、次の点を並べると、相談すべき範囲が見えてきます。
- 何の情報を管理するために使っているか
- 誰が使い、どのアプリと情報をつなぐ必要があるか
- 設定、社員への説明、操作の質問、連携調整のうち、どこに手がかかっているか
情報がどこで入力され、どこで使われるのか。その流れと、担当者に残っている対応を一緒に見ます。
管理機能が足りないのか、使える状態に整える人手が足りないのかで、選ぶ打ち手は変わります。
今のアプリで管理できるなら、相談窓口の集約を考える
必要な管理はできていて、設定や社員対応が主な負担なら、横断的な支援者に窓口をまとめる方法が候補になります。
確認したいのは、複数製品に詳しいかだけではありません。初期設定まで頼めるのか。社員への説明や質問対応も任せられるのか。連携の調整まで見てもらえるのか。自分から切り離したい仕事と、相手が担う範囲を合わせることが大切です。
相談者は近くにいる支援者を重宝していましたが、遠隔でもサービスをまたいで対応してもらえると助かる、と話していました。訪問が必要な対応と、遠隔で進められる対応も、選ぶ際の確認点になります。
連携が負担なら、既存アプリの組み合わせを見直す
困りごとの中心がアプリ同士の連携なら、個々の操作支援だけでは解消しにくいかもしれません。
この場合は、残すアプリと変更するアプリを、業務全体から考えます。特定製品に縛られず、組み合わせを見直せる支援者が候補になります。
ただし、切り替えれば再び設定と説明が発生します。連携のしやすさだけでなく、切り替え時と切り替え後に自社へ残る負担まで含めて比べたいところです。
管理範囲が既存アプリで収まらないなら、独自システムを比較する
既存アプリの組み合わせでは、必要な管理や連携を実現しにくい。その場合には、独自システムの構築も選択肢になります。
ただ、独自につくれば負担がすべてなくなるとは限りません。対話でも、管理したいことが増えるほど、構築にかかる費用も増える点が挙がっていました。
そのため、最初からすべてを盛り込むのではなく、必要な管理範囲を明確にして比較します。設定や説明、操作相談を誰が担うかも、併せて確認したい点です。
判断の中心に置きたいのは、導入費用だけではありません。今、社長や担当者がどれだけ時間を使っているか。そのうち何を減らせるのか。空いた時間を何に使いたいのかです。
窓口の集約、アプリの組み替え、独自構築を、「必要な管理ができるか」と「運用の負担が減るか」の二つで比べると、選択肢を絞りやすくなります。
まとめ
業務アプリを増やすほど負担が増えるときは、製品選びと同時に、全体を整える役割の見直しが必要です。
初期設定をする。社員に説明する。質問に答える。アプリ同士の連携を調整する。これらが社長や一人の担当者に集中したままでは、便利なアプリが増えても、手が空くとは限りません。
まずは、管理したい情報と業務の流れを整理します。そのうえで、今のアプリを使いながら支援を受けるのか、組み合わせを変えるのか、独自システムを検討するのかを比べます。
次に何を入れるかより、何の対応を減らしたいか。そこから考えることが、デジタル化を進め直す出発点になります。
アプリを増やす前に、社内に残る対応の整理から
「うちの場合は、アプリを変えるべきか、支援してくれる人を探すべきか」という段階からでも相談できます。
ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援する会社です。デジタル化についても、製品を決める前の業務整理や、社長・担当者に集中している対応の切り分けから、一緒に考えます。
何から整理すべきか分からない場合は、今使っているアプリと、手がかかっている対応をお聞かせください。無理に導入や契約をおすすめすることはありません。自社に合う進め方を整理する場として、ご相談いただけます。