前提

原状回復の案件を増やしたい一方、営業担当者がほかの業務も抱える会社

施工を頼める協力会社はいるものの、新しい管理会社を開拓する営業の手が足りない。 ある建物管理・原状回復会社が考えていたのは、この部分を外部に任せることでした。

会社全体では従業員120名ほどですが、原状回復部門の新規営業は担当者に集中していました。共用部の清掃などを扱う別部門にも営業機能はあるものの、原状回復の開拓を十分に任せられる状況とは異なります。担当者自身もほかの業務に時間を割く必要があり、外部の力を使って営業活動を進めたいという意向がありました。

原状回復部門は、求められる数字を何とか確保しながら、さらに取引先を増やしたい段階です。案件が増えれば追加で依頼できる協力会社も複数あり、当面の論点は施工体制の拡充ではなく、新規の案件獲得でした。

得意としているのは、一般賃貸住宅のアパートやマンションの原状回復です。ワンルームから1LDKなどの比較的小さな住戸が中心で、施工範囲は神奈川県内の都市部の一定エリアに絞っています。大型改修へ進出することよりも、「小さな工事をたくさんやれたら」という考え方です。

この前提に立つと、外部営業に求める役割は、単に面談を増やすことではありません。得意な地域・物件の原状回復を、継続して任せてもらえる管理会社との接点を増やすことです。

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課題

条件に合う管理会社が限られ、架電量を増やすだけでは選びにくい営業手段

外部に営業を任せたいことと、大量の架電が必要なことは、分けて考える必要があります。 この会社では、営業担当者の時間不足に加えて、条件に合う営業先リストが頭打ちに近づいていました。

候補企業は、管理戸数のランキングを起点に、公開情報やAIで拾った情報を継ぎ足して整理してきたものです。担当者の見立てでは、リストは200社弱。これは未接触の会社が200社弱残っているという意味ではなく、これまで集めてきた候補全体の規模感です。

対象条件も、単に「不動産管理会社であること」ではありません。対応エリア内に数千戸規模の賃貸住宅を管理していることが目安で、本社がどこにあるかよりも、施工できる地域に物件があるかを重視していました。

一方、外部営業の方法として提示されたのは、条件に合う企業へ架電して最初の接点をつくる方法と、顧問の人脈で特定企業への入口をつくる方法です。担当者は個社を絞った開拓に関心を示しながらも、「営業代行の話も聞きたい」と、両方を比較しようとしていました。

ここで架電件数やアポイント数だけを比べると、判断がずれやすくなります。確認したいのは、候補が何社あるかに加えて、そのうち何社に接触済みで、どこへの入口がまだ必要なのかです。 この区別がつかないままでは、架電を任せるべきか、特定企業への紹介を求めるべきかが見えてきません。

背景

小口の取引先を広く増やすより、原状回復をまとめて任せてもらいたい事情

営業先を絞っている背景には、少人数で取引先ごとのやり方に対応する負担があります。 管理戸数の大きな会社を狙うのも、知名度そのものが理由ではありませんでした。

担当者は、管理会社によって「やり方だったり、癖がある」と話しています。そのため、「なるべく一社から大きく受注して、こちらも効率よく現場を回していきたい」という意向がありました。小口の取引先を幅広く増やすより、継続して一定量を任せてもらえる先を増やしたいのです。

この違いは、外部営業に依頼する内容にも影響します。「管理会社と会えること」だけを成果にすると、面談はできても、自社が求める取引にはつながらない可能性があります。

さらに、同じ管理会社でも、原状回復を扱う窓口と、廊下・階段・ごみ置き場などの共用部を扱う窓口が分かれることがあります。規模によっては、専有部はPM側、共用部はBM側というように、営業する部署そのものが異なります。大手企業グループでも、開発や建築の会社と、賃貸管理を担う会社は別という事情がありました。

必要なのは、有名な会社への接点ではなく、賃貸住宅の原状回復を発注する会社・部署への接点です。 顧問の人脈を使う場合も、この距離が近いかどうかが重要になります。

また、相談者が初期の確認事項として挙げていたのが、発注条件との適合でした。「最初にポイントになるのが、価格のすり合わせ」という言葉のとおり、会える相手が見つかっても、基本条件が合わなければ先には進めません。接点の数よりも、取引の話を具体的に進められる面談の質を求めていたことがわかります。

解決

既存リストと未開拓先を整理し、接点づくりと個社開拓を使い分ける進め方

先に決めたいのは委託先ではなく、どの会社の、どの入口を、どこまで外部に任せるかです。 そのために、既存リストの整理から始め、必要な活動に合わせて手段を選びます。

まず、候補企業数と未開拓先の数を分ける

最初に、これまで集めた管理会社リストに、対象条件と接触状況を重ねます。新たなリストを一からつくるよりも、既存の情報を外部と共有できる状態にすることが出発点です。

整理する項目は、次の範囲に絞れます。

  • 対応エリア内に、対象となる賃貸住宅をどの程度管理しているか
  • 原状回復を担当する会社・部署がわかっているか
  • 自社や別部門に、既存取引や過去の接点があるか
  • まだ入口のない候補が、どの程度残っているか

公開情報やAIで集めた管理戸数は、候補を拾う手がかりとして活用できます。ただし、全社の管理戸数と、自社の施工エリア内の管理戸数は同じではありません。「候補に入れるための情報」と「開拓の優先順位を決めるために確認した情報」を区別することが、対象を絞るうえで役立ちます。

別部門に接点がある場合も、管理会社名が同じというだけで、原状回復の窓口につながっているとは限りません。既存接点を使える先と、新しい入口が必要な先を分けておけば、外部への依頼も具体的になります。

テレアポ代行は、残っている接点づくりに活動内容が合うかで選ぶ

テレアポ代行は、条件に合う候補へ働きかけ、最初の面談機会をつくる役割に適しています。担当者がほかの業務を抱え、候補へのアプローチに時間を割けない場合には、検討する意味があります。

ただし、候補企業が少ない場合は、一定量の架電を続ける設計と合うかを確かめたいところです。候補数と委託する活動量に開きがあれば、任せたい仕事よりも、活動枠のほうが大きくなることがあります。

一方で、候補数が少ないことだけを理由に、テレアポが不向きと決める必要はありません。 未接触先が残っているのか、担当窓口への接点がないのかによって、必要な活動は変わるためです。

委託を検討する際は、架電可能な件数だけでなく、「このリストのどこに働きかけるのか」「原状回復の担当窓口との面談を目指せるか」を確認します。面談数を増やすことより、自社の条件に合う相手との接点づくりに活動が向いているかが判断軸です。

顧問活用は、狙う会社と発注窓口までの距離で選ぶ

顧問活用は、取引したい企業が具体的にあり、一般的なアプローチとは別の入口を求める場合に検討しやすい方法です。人脈を通じた接点づくりに加え、面談への同席や、自社の強みと相手の発注事情を踏まえた調整が期待できます。

その際は、顧問の出身企業や役職だけで判断せず、原状回復を扱う会社・部署との接点を確認します。企業グループ全体に人脈があっても、賃貸管理の窓口まで届くかは別の確認事項です。

相談の中でも、実際にどこまで外注されているか、求める案件量が見込めるかは、顧問への確認が必要な段階でした。紹介できることと、条件に合う取引が始まることは分けて捉える必要があります。

会社資料や対応エリア、得意な物件、発注条件に関する情報を先に共有し、適合する可能性を確かめてから面談を進める流れであれば、双方の時間を使いやすくなります。

外部に任せる範囲を、面談の設定だけで終わらせない

外部を使う目的が担当者の時間確保であるなら、どこまで任せられるかも比較に含めます。対象先の整理、アプローチ、面談の設定、同席のうち、何が委託範囲なのかを揃えて確認することが大切です。

この会社であれば、まず既存リストを整理し、未開拓先への接点づくりと、特定企業への個社開拓を分けて検討する進め方が合っています。顧問による入口を確かめながら、架電で開拓できる候補が残っているかも調べるという順番です。

最初から一つの方法に決め切るより、残っている営業課題に対して、任せる範囲と活動方法を合わせることが、外部活用の選びやすさにつながります。

まとめ

原状回復の営業先リストが頭打ちに近づいたときは、営業量を増やす前に、未開拓の相手と必要な入口を整理することが先です。

候補企業数、既存の接触状況、狙う会社・部署の絞り込み度合い、面談で確認したい条件を並べると、テレアポ代行と顧問活用の適性が見えてきます。

未接触先への接点づくりを任せたいのか、特定企業の原状回復窓口につながりたいのか。その違いを明確にしたうえで、担当者の手元にどの仕事を残し、どこを外部に任せるかを決めていくと、架電件数やアポイント数だけに左右されずに選べます。

原状回復の営業リストから、外部に任せる範囲を整理するために

「うちの候補数で営業代行が合うのか」「狙っている管理会社への入口をつくれるのか」という段階から、整理を始められます。 リストが完成していなくても、現在の接触状況や増やしたい取引のイメージが、次の一手を考える材料になります。

ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を現場や組織の事情も踏まえて整理し、実行まで支援しています。原状回復の販路開拓でも、既存リストと未開拓先を確認し、架電による接点づくりや顧問活用のうち、どの方法で何を任せるかを一緒に検討します。

相談の時点で依頼方法を決めていただく必要はありません。無理に導入を勧めることはありませんので、自社の場合は何から整理すればよいか、というところからお声がけください。

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