不動産売買とリフォームを手がける少人数の会社での受注先探し
受注を増やしたいからといって、営業そのものを外部に任せたいとは限りません。 発注者に見つけてもらう場所を増やしたい。そんな意向もあります。
ある会社では、不動産売買と住宅リフォームを手がけています。社員は4名ほど。売上は1億円弱で、売買と工事がそれぞれ半分程度を占めます。施工には協力会社も活用しています。
理想は、中古住宅を購入するお客様から、その住宅のリフォームまで受ける流れです。ただ、売買だけでは収入の時期が読みにくい面があります。
「売買は水物ですからね。毎月の収入がなくなるじゃないですか」
そこで、リフォームも組み合わせたいと考えていました。大きく会社を広げるより、少人数で続けられる受注の形を探しています。
「結局は受注じゃないですかね」
求めていたのは、工事を依頼する相手との接点です。その入り口として関心を持っていたのが、マッチングサイトでした。
サイトで見つけてもらうことと営業を任せることの違い
「発注者と出会いたい」という希望だけでは、掲載と営業代行のどちらが必要かは決まりません。 誰が、どこへ、何をするのかまで分けて考える必要があります。
相談では、条件に合う取引候補を探し、外部の担当者が働きかける方法も話題になりました。ところが、相談者には、その支援の中身がすぐには伝わりませんでした。
「会社を紹介するってことですか?」
「営業をしてもらうことが必要なのかどうか、ちょっとわからないです」
ここには、似て見える三つの方法の違いがあります。
- 掲載:自社の情報を載せ、相手に見つけてもらう機会を増やす方法です。
- 紹介:すでにつながりのある相手を、取引候補としてつないでもらう方法です。
- 新規開拓営業:まだ関係のない相手を探し、こちらから接点をつくる方法です。
今回、相談者がまず求めていたのは掲載による露出でした。一方、提案された新規開拓は、条件に合う会社へ働きかける営業活動です。
同じ受注拡大でも、行うことが違います。この違いが曖昧なままでは、費用をかけるべきかも判断しにくくなります。
営業経験はあるものの発注者が使う窓口を探していた事情
この会社の関心は、営業力の不足を補うことより、発注者が工事会社を探す場所に自社を出すことにありました。
「うちは普通に営業会社ですから」
相談者には営業経験がありました。自社で取引候補へ話をしに行ったこともあります。元請け中心で工事を受ける一方、他社から施工を請ける道も探っていました。
ただ、同じように一般のお客様を集める会社からは、競合と見られることもありました。技術があることと、取引先として受け入れてもらえることは別だったのです。
そのため、単に接触する会社数を増やせばよい、という話でもありませんでした。
相談者が考えていたのは、むしろ発注者側の動きです。
「仕事を依頼する方が、どういったものを使って依頼するかを考えているんです」
工事を頼みたい人や会社は、どこで施工先を探すのか。その場所に登録できれば、出会いが増えるのではないか。これがサイトへの関心の出発点でした。
また、相談者は、一括サイトでは問い合わせを受ける人や、すぐに連絡する人が必要になることも挙げていました。掲載先を増やす判断には、問い合わせ後に動けるかという確認も含まれます。 少人数だからこそ、登録のしやすさだけでは選べません。
案件が必要な時期と狙う発注者を揃えてからの手段選び
先に整理したいのは、いつ、どんな工事を、誰から受けたいのかと、そのために自社でどこまで動けるかです。 サイトか営業代行かは、その後に選べます。
早く増えてほしい気持ちと、案件が必要な時期を分ける
相談者の希望は、「一つでも増えてくれたらいい」というものでした。ただし、早く増えればうれしいことと、期限を決めて営業を強める必要があることは同じではありません。
掲載して問い合わせを待つ方法では、相手が探し始める時期や、自社を見つけるかどうかに左右されます。登録は接点の入り口であり、早期受注の約束ではありません。
案件が必要な時期が決まっているなら、掲載だけで待つのか、自ら働きかける活動も行うのかを考えたいところです。一方、徐々に接点が増えればよいなら、露出を増やす方法も選択肢になります。
なお、新規開拓営業も、すぐに受注できるという意味ではありません。自分たちから接触先と活動を決められる点が、掲載して待つ方法との違いです。
発注者・工事内容・対応エリアを具体化する
営業を外部に任せるかを考える際、相談者から出たのは「どこに営業しに行くんです?」という問いでした。ここが決まらなければ、支援の必要性も見えません。
まずは、次の条件を揃えます。
- 誰から受けたいか。住宅購入者からの直接受注か、工事を発注する会社との取引か。
- どんな工事を受けたいか。中古住宅のリフォームなど、自社が求める内容は何か。
- どこまで対応できるか。実際に施工へ行けるエリアはどこか。
この会社では、元請けとしての事業と、新たな取引先の事業が重なる場面もありました。接触先の数だけでなく、自社を施工先として必要とする相手かどうかが判断軸になります。
掲載を選ぶ場合も同様です。求める発注者との接点を増やせる場所なのかを、自社の希望と照らして確認します。
営業ノウハウと動ける時間を分けて確認する
営業ができることと、営業に時間を使えることは別です。 自社に経験があり、実際に動けるなら、自社営業を選ぶ余地があります。
一方、営業の進め方がわからない場合もあります。経験はあっても、現場や他の業務で動けない場合もあります。その不足を補う方法として、外部活用を検討できます。
相談者のように、自社で営業はできるものの、見つけてもらう場所を増やしたいのであれば、掲載の目的ははっきりしています。営業代行を選ばなければ受注拡大ができない、ということではありません。
外部に任せる場合は、「営業してくれる」という説明だけで判断せず、対象企業を探すところから接点づくりまで、誰が何を担うのかを確認します。自社に残る対応も含めて、少人数で続けられる進め方かを見ていきます。
まとめ
マッチングサイトへの掲載は、見つけてもらう機会を増やす方法です。新規開拓営業は、条件に合う相手へ自ら接点をつくる方法です。 どちらが優れているかではなく、必要な役割が違います。
まず、案件が必要な時期を整理します。次に、求める発注者、工事内容、対応エリアを揃えます。そのうえで、自社に営業ノウハウと動ける時間があるかを確認します。
今回の会社が探していたのは、まず発注者に見つけてもらう窓口でした。「受注を増やしたい」の一言から営業代行に進む前に、こうした意向を確かめることが、納得できる選択につながります。
リフォームの受注先と接点の増やし方を整理するために
「掲載先を増やしたいのか」「自社からの営業を増やしたいのか」が、まだ決まっていない段階でも相談できます。
ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。受注先の開拓では、求める工事や対応エリア、自社で動ける範囲を確認しながら、進め方を一緒に考えます。
「うちの場合は何から整理すればよいか」というところからで構いません。特定のサービスを前提に、無理に営業を進めることはありません。自社に合う接点の増やし方を考える際の相談先としてご活用ください。