前提

既存の現場で人員が埋まり、新規開拓の開始時期を探る専門工事会社

仕事を増やしたい気持ちはあっても、今すぐ新しい案件に対応できるとは限りません。 土木関連の専門業務を手がける、ある小規模な建設会社でも、その順番が悩みになっていました。

既存業務で人員が埋まっています。新たな取引先との接点をつくる機会はあるものの、紹介を受けてから動けるかが気がかりでした。

「いい案件があったとしても、期待に応えられなかったら、タイミング的にもったいないじゃないですか」

営業担当者が戻るのは年末ごろです。そこから資料をそろえる時間も必要です。本格的な営業活動は、年末から年明けにかけてではないか。社長は、そう見ていました。

一方、人材には早く来てほしい状況です。専門性のある仕事なので、経験者だけに絞る考えではありません。

「現場作業ができて、出張にも行ける。そういう人であれば、一から教えるつもりです」

新規開拓を諦めたいわけではありません。案件を受けられる体制と、営業を動かす時期をそろえたい。 そこが相談の出発点でした。

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課題

良い案件を紹介されても受けられない状況での採用と営業の優先順位

先に整理したいのは、案件の入口が足りないのか、案件に対応する人員が足りないのかという違いです。 この会社では、少なくとも直近の制約は人員にありました。

紹介先を増やしても、現場へ人を出せなければ受注にはつながりません。社長が開始時期を気にしていたのも、そのためです。営業機会の良し悪しだけでは、実行を決められない状況でした。

ただ、人が採れるまで営業に関することをすべて止めると、今度は体制が整ってから準備を始めることになります。会社資料をまとめる。実績を整理する。どこへアプローチするかを決める。これらも、すぐに済むとは限りません。

採用か営業かを、丸ごと二者択一にすると決めにくくなります。「採用を進めること」「営業の準備をすること」「対外的な営業活動を本格化すること」を分けると、順番を考えやすくなります。

背景

現場の稼働、営業担当者の復帰、未経験者の育成で異なる準備の時間

採用と営業を一度に始めにくい背景には、それぞれの準備が整う時期の違いがありました。 現場に余力ができる時期と、営業担当者が動ける時期は、同じとは限りません。新しい人が入ってから仕事を覚える時間も必要です。

社長自身にも、急に現場が入ることがあります。打ち合わせは夕方のほうが時間を取りやすいという話もありました。経営判断や新規開拓の準備に使える時間も、現場の動きに左右されています。

営業担当者が戻った後については、こんな見通しが語られていました。

「事前に資料をここまでそろえておこう、という話も出てくると思うんです。準備も踏まえると、年明けからかなと」

採用についても、入社すればすぐに新規案件へ対応できると決まっていたわけではありません。「一から教えるつもり」という受け入れ方針はあります。ただし、育成の準備がどこまで整っているかは、別に確認する必要があります。

また、採用支援の説明では、人材獲得や内定まで早くても数か月を要した例が示されていました。これは、この会社での採用時期を約束するものではありません。

営業担当者が戻る日や採用を始める日だけで、案件を受けられる日を決めないことが大切です。 現場の稼働と、新たな人材の受け入れ・育成も合わせて見る必要があります。

解決

採用を先行させ、営業資料と開拓先の準備を並行する段階的な進め方

直近の制約が人員なら、採用を先に動かしつつ、営業は準備から進める方法が考えられます。 実際にこの会社でも、その組み合わせが選択肢になりました。

「先に人材からスタートできるでしょう。その間に、資料を作ったり、戦略を練ったりできますもんね」

これは実施後の成果ではなく、これからの進め方として挙がった案です。同じ状況であれば、次の三段階で整理すると、自社に合う判断につなげやすくなります。

まずは、採用と受け入れの条件をそろえる

採用を先行させる際も、「早く人がほしい」だけで募集を始めないほうが、受け入れ後の姿を描きやすくなります。

この会社には、現場作業と出張に対応できれば、専門業務は一から教えるという方針がありました。まずは、そのような仕事上の条件と、入社後に育てる部分を整理します。そのうえで、求める人材に合う採用経路や伝える内容を検討します。

同時に、受け入れ体制と育成の進め方も確認します。採用人数の見込みだけでなく、新しい人が仕事を覚えるまでを含めて、対応体制を考えることがポイントです。 「教えるつもり」という方針と、実際に教えられる準備をそろえていきます。

営業資料の整備と開拓先の選定は止めない

対外的な営業活動を待つ間にも、社内で進められる準備はあります。この相談では、外部に見せられる実績を集めた資料の作成や、アプローチ先の事前確認が挙がっていました。

準備の対象は、次のように絞れます。

  • 会社の事業内容と実績を、外部に説明できる資料にまとめる
  • 既存の取引先とは別に、接点をつくりたい会社を整理する
  • 営業担当者が戻った後、どの切り口でアプローチするかを検討する

大切なのは、準備を進めたことと、案件を受けられることを混同しないことです。営業資料と開拓方針を先に整え、対外的に動き出す時期は、対応体制の見通しに合わせます。

本格始動は、日付だけでなく体制を見て判断する

「年明けから始める」といった目安は、社内で話を進めるうえで役立ちます。ただ、その日が来たことだけを開始理由にしないほうが、実態に合った判断になります。

確認したいのは、既存の現場にどこまで人員を取られるか。営業担当者が動けるか。採用と受け入れ・育成がどこまで進んでいるかです。

営業担当者が戻っても、現場の人員が埋まったままなら、すぐに案件対応が必要な開拓を急ぐかは再検討できます。逆に、既存業務の稼働や受け入れ準備に見通しが立てば、そこに合わせて営業活動を本格化できます。

採用が完了するまで一律に待つのでも、予定どおりに営業を始めるのでもなく、案件に応えられる見通しを判断軸にします。

まとめ

人手不足で新規案件を受けられないときは、採用を先行させながら営業準備を並行し、対外的な営業活動は対応体制に合わせて始める方法があります。

この会社の迷いは、新規開拓への消極姿勢ではありませんでした。良い案件を紹介されても、期待に応えられない時期に動くのはもったいない。だからこそ、開始時期を見極めようとしていました。

自社で考える際も、現場の稼働、営業担当者が動ける時期、新しい人材の受け入れ・育成を並べてみます。そのうえで、今始めることと、準備にとどめることを分けます。

採用か営業かを一度に決め切らなくても構いません。「今は採用を進める。その間に営業資料と開拓先を整える」という分け方が、次の一手になります。

採用と新規開拓の順番を、自社の稼働から整理するために

「うちの場合は、採用と営業のどちらから手をつければよいのか」。その段階からでも、相談できます。

ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。人員を増やすことと案件を増やすことを別々に考えず、現場の稼働や受け入れ準備を踏まえて、進める順番を一緒に整理します。

まだ新規開拓を始めると決めていなくても、何から準備するかを考えるところからご相談いただけます。 無理にサービスの利用をお勧めすることはありません。自社の状況を整理する機会として、お気軽にお声がけください。

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