新規取引先へのアプローチを具体化したい兵庫県の専門工事会社
新規開拓を始めるには、電話のかけ方だけでなく、接点を持った後にどう仕事へつなげるかまで見通しておくことが大切です。
兵庫県で建物まわりの工事を手がける、ある専門工事会社では、新たな取引先の開拓に向けて準備を進めていました。その中で経営者が口にしたのが、「どういうアプローチをするのか、全然想像できないんですよね」という言葉です。
疑問は、電話の内容だけではありませんでした。初めての相手ともオンラインで話すのか、直接来てほしいと言われないのか、最初に連絡した担当者から経営者へどう引き継ぐのか。仕事につながるまでの具体的な流れを、一つずつ確かめる必要がありました。
ここで整理するのは、まだ接点のない建設会社に連絡し、自社が対応できる工事を知ってもらい、見積もり依頼と初受注を目指す進め方です。すでに成果が出た事例ではなく、開拓を始める段階で確認しておきたい道筋として捉えると、自社にも置き換えやすくなります。
電話や面談から見積もり依頼へ進む道筋の見えにくさ
新規開拓の難しさは、「会うこと」と「工事を任せてもらうこと」の間に、何を確認する段階があるのか見えにくい点にあります。
電話がつながっても、相手が工事の依頼を検討する担当者とは限りません。担当者と話せても、自社がどのエリアで、どのような現場に対応できるかが伝わらなければ、具体的な案件との接点を見つけてもらうのは難しくなります。
面談についても同じです。挨拶をして会社を紹介するだけでは、その後に何を待てばよいのかが曖昧になります。最初の面談で受注まで決めようとすると、反対に、まだ相互理解が十分でない段階で金額の話を急ぐことになります。
今回の相談で置かれた最初の目標は、自社が対応できる工事を理解してもらい、見積もりを依頼してもらうことでした。見積もりの金額が折り合えば初回の施工に入り、実際の仕事を通じて理解を深めてもらい、その後の案件につなげるという順序です。
電話、面談、見積もり、施工では、それぞれ役割が異なります。この区切りがあると、まだ受注していない段階でも、どこまで進み、どこを見直す必要があるかを判断しやすくなります。
訪問を前提にしたイメージと初回接点の役割のずれ
初回から詳しい話を対面で詰めると考えると、新規開拓の入口は重くなりがちです。まずは互いを知る接点と、案件の詳細を詰める接点を分けて考えられます。
相談企業の経営者は、アポイントが取れれば、相手から訪問を求められるのではないかと考えていました。それに対して示されたのは、初回はオンラインで挨拶と会社紹介を行い、その後、必要に応じて直接会う進め方でした。
まだ相手のことが分からない段階では、対面の時間を確保するより、30分程度のオンライン面談のほうが応じやすい場合があります。ただし、オンラインがすべての取引先に適するという意味ではありません。訪問を希望する会社もあるため、初回の目的と相手の意向に合わせた使い分けが必要です。
また、接点が生まれる前には、地道な確認がありました。受付に電話し、担当部署と担当者を確認する。不在なら戻る時間を聞き、改めて連絡する。面談の場だけを見ていると分かりにくいものの、こうした積み重ねが担当者との接点をつくります。
新規開拓は、一度の電話で仕事を決める活動ではなく、適切な担当者にたどり着き、依頼を検討できる情報を順番に渡す活動です。 この捉え方に変えると、最初から完成度の高い売り込みをしなければならない、という構えも小さくできます。
担当者の確認から見積もり依頼までを段階ごとに進める方法
進め方の軸は、担当者との接点をつくり、施工実績と対応範囲を伝え、見積もり依頼につながったかを確認することです。 電話や面談の件数だけでなく、次の段階へ進んだ理由、進まなかった理由を残していきます。
1.電話では担当部署・担当者と再連絡のタイミングを確認する
最初の電話では、自社がどのエリアで、どのような施工をしており、どのような案件への対応を希望しているかを伝えます。そのうえで、工事の依頼について話せる部署と担当者を確認します。
担当者が不在であれば、その時点で開拓先としての判断を終えるのではなく、連絡できる時間を確認して再度電話する進め方です。ここで残したい情報は、担当部署、担当者、再連絡できるタイミング、相手の反応です。
「担当者と話せていない状態」と「担当者に内容を伝えたうえで関心が得られなかった状態」は分けて扱います。 前者なら接点づくりを進め、後者なら伝え方や開拓先を見直す材料になります。
2.初回面談では実績・対応エリア・対応できる現場を伝える
初回の面談では、相手が自社への依頼を検討できるよう、次の情報を中心に話します。
- どのような工事を行っている会社か
- どのような施工実績があるか
- どのエリアに対応できるか
- どのような現場に対応できるか
会社の説明を一通り終えることよりも、相手がどの情報に関心を示したかを確かめることが重要です。施工実績なのか、対応エリアなのか、対応可能な現場なのか。その反応は、次の開拓先に何を優先して伝えるかを考える根拠になります。
面談の着地点は、可能であれば見積もり依頼につなげることです。すぐに依頼が出なかった場合も、どの点に関心があったか、見積もりの話まで進んだかを整理すれば、単なる挨拶で終わらせずに済みます。
3.オンラインと対面は、話す目的に合わせて使い分ける
初回は、オンラインで互いの会社と対応できる工事を理解する場にできます。その後、詳しく話す必要が出てきた段階で、対面へ進む方法です。
判断軸は、オンラインか対面かという形式そのものではなく、その接点で「会社を知ってもらう」のか、「具体的な案件の詳細を詰める」のかです。相手が初回から訪問を希望する場合は、その意向も踏まえて調整します。
また、初回連絡と日程調整を行う担当者と、見積もりを扱う経営者が異なる場合は、面談の場でその後の連絡先を明確にします。誰に連絡すれば話が進むのかを伝えておくことで、接点づくりから見積もりへの引き継ぎを整理できます。
4.初受注は実際の施工を知ってもらう機会として位置づける
見積もり依頼を受け、金額が折り合えば、初回の施工へ進みます。事前の会社紹介や施工実績は依頼を検討する材料ですが、初回の現場は、実際の仕事を相手に理解してもらう機会になります。
継続取引は、初回面談だけで決まるものではありません。面談で対応できることを伝え、見積もりで金額を合わせ、初回施工を通じて次の依頼につなげるという順序で考えると、初受注と継続取引の関係が明確になります。
5.相手の反応と見積もり依頼への進み方で開拓方針を見直す
開拓後は、連絡した会社と反応を残し、定期的に振り返ります。確認するのは、電話を何件かけたかだけではありません。担当者に届いたか、面談につながったか、何に関心を持たれたか、見積もりを依頼されたかまで見ていきます。
担当者との接点ができていないなら、連絡先や再連絡の状況を確認します。面談はできていても見積もりにつながらないなら、施工実績や対応範囲の伝え方と、開拓先が求める工事との合い方を見直します。反応のよい相手に傾向があれば、次の開拓先を考える材料になります。
活動量は進め方を確かめる数字、相手の反応と見積もり依頼は開拓方針を判断する材料です。 両方を見れば、同じやり方を続けるか、訴求内容や対象を変えるかを考えやすくなります。
まとめ
建設会社の新規開拓は、担当者との接点づくりから、会社への理解、見積もり依頼、初回施工へと段階を分けると具体化できます。
最初に整えたいのは、担当部署・担当者を確認する進め方と、施工実績・対応エリア・対応可能な現場の説明です。初回面談は相互理解を目的にオンラインで行い、必要に応じて対面で詳細を詰める方法も選べます。
電話や面談を実施したこと自体で終わらず、相手が何に関心を示し、見積もり依頼まで進んだかを残すことが、次の一手につながります。まずは自社の開拓活動をこの流れに当てはめ、どの段階から整理する必要があるかを確かめてみてください。
自社に合う開拓先と初回接点のつくり方の整理
「どの会社に声をかけるか」と「何を伝えれば見積もりにつながるか」は、自社の施工実績や対応範囲と合わせて整理できます。
ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。新規開拓についても、開拓先の選び方から、初回接点で伝える内容、見積もり依頼につながる進め方まで、自社の状況に合わせて検討できます。
「うちの場合はどこから始めるべきか」「今のやり方の何を見直せばよいか」という段階でもご相談いただけます。無理にサービスの利用をおすすめすることはありませんので、次の整理先としてお声がけください。