三菱ふそうトラック・バス株式会社から、補用品として販売したフロントハブを装着した大型トラックについて、自主改善を実施するとの報告がありました。対象は「ふそうグレート」の一部です。令和8年10月下旬から、フロントハブを点検し、旧品が装着されていた場合は現行品に交換する内容です。
発表日 | 令和8年10月20日 |
対象 | 「ふそうグレート」のうち、平成2年10月30日~平成17年12月8日に生産され、対象部品が装着された車両 |
対象部品 | フロントハブ |
部品番号 | MC891414、MK309528 |
用品出荷期間 | 平成19年2月9日~令和2年12月5日 |
自主改善対象数 | 1,041個 |
自主改善開始日 | 令和8年10月下旬 |
改善内容 | 全車両のフロントハブを点検し、旧品が装着されていた場合は現行品に交換 |
不具合件数・事故 | 不具合件数0件、事故無し |
問い合わせ先 | 三菱ふそうトラック・バス株式会社 お客様相談センター 0120-930-397 |
今回の自主改善で見ておきたいポイント
今回の内容は、通常の新車不具合というよりも、補用品として供給されたフロントハブに関する自主改善です。
国土交通省の発表では、不具合の内容として、「補用品の供給が不適切なため、当該部品が現行品から旧品に交換されたものがある」とされています。
つまり、車両そのものの製造時期だけでなく、過去の整備や部品交換の履歴が関係します。
ここが大事です。
「うちは古い車両だから関係あるかもしれない」だけではありません。反対に、「平成17年以前の車両だから必ず対象」とも言い切れません。
対象となるのは、該当するふそうグレートに、対象のフロントハブが装着されている場合です。
建設会社では、古い大型車両を大切に使い続けているケースがあります。現場への資材運搬。重機回送まわりの補助。土砂や廃材の運搬。車両の使い方は会社ごとに違います。
だからこそ、車両台帳と整備履歴を見ながら、対象の可能性を一度確認しておく価値があります。
中小建設業にとっての実務影響
今回の発表では、不具合件数は0件、事故も無しとされています。
そのため、過度に不安になる必要はありません。
ただし、フロントハブは走行安全に関わる重要部品です。大型トラックは、現場だけでなく公道を走ります。万が一のトラブルは、自社だけでなく、取引先、元請、地域にも影響します。
中小建設業にとっては、今回のニュースを次のように受け止めたいところです。
「対象かどうかを確認する」こと自体が、安全管理の一部です。
特に確認したいのは、次のような会社です。
- ふそうグレートを現在も保有している会社
- 平成2年10月30日~平成17年12月8日に生産された可能性のある大型車両を保有している会社
- 平成19年2月9日~令和2年12月5日の間に、フロントハブまわりの補修・交換を行った可能性がある会社
- 中古車として購入したため、過去の部品交換履歴が社内に残っていない会社
特に中古車両は、過去の整備履歴が分かりにくいことがあります。
「前の会社でどこまで整備していたのか」 「購入時の記録は残っているのか」 「部品番号まで確認できるのか」
こうした確認は、忙しい日常業務の中では後回しになりがちです。
しかし、大型車両の安全確認は、現場の安全管理と同じく“経営の守り”です。
まず社内で確認したいこと
今回の自主改善に関して、建設会社がまず行うべきことはシンプルです。
対象になりそうな車両があるかを洗い出すことです。
具体的には、次の順番で確認すると進めやすいです。
- 車両台帳で「ふそうグレート」の保有有無を確認する
- 対象期間に生産された可能性がある車両か確認する
- 整備記録でフロントハブの交換履歴を確認する
- 部品番号「MC891414」「MK309528」に該当する可能性があるか確認する
- 不明な場合は、三菱ふそう側または整備先に確認する
ここで大事なのは、現場任せにしすぎないことです。
運転手さんや整備担当者は、日々の点検をしっかり行っているはずです。ただ、今回のような情報は、国土交通省の発表やメーカー情報を経営側・管理側が拾わないと、現場まで届きにくいことがあります。
「対象かもしれない車両はあるか」だけでも、管理部門と現場で共有しておくと安心です。
古い車両を使い続ける会社ほど、情報管理が差になります
建設業では、車両も機械も簡単には買い替えられません。
価格は上がっています。納期もあります。人手も限られています。
だから、使える車両を丁寧に整備して、長く使う。これは中小建設業にとって、とても現実的な経営判断です。
一方で、古い車両を使い続けるほど、「どの部品を、いつ、どこで交換したか」が重要になります。
今回の自主改善も、まさにそこに関わります。
車両本体の年式だけではなく、補用品の出荷期間や交換履歴が関係します。
つまり、これからの車両管理では、車検証や点検記録だけでなく、主要部品の交換履歴を残すことが経営管理として大切になるということです。
これは大きな会社だけの話ではありません。
むしろ、少人数で回している会社ほど、情報が「社長の記憶」「ベテランの記憶」「いつもの整備工場との会話」に寄りがちです。
もちろん、それで回ってきた良さもあります。
ただ、車両が増える。人が入れ替わる。元請から安全管理の確認を求められる。
そのとき、記録がある会社は強いです。
今回の自主改善をきっかけに、車両台帳と整備履歴の残し方を見直すのも良いタイミングです。
今回のニュースを自社の管理体制づくりにつなげる
今回の件は、対象車両を持っていない会社にとっては、直接の対応は不要かもしれません。
それでも、学べることはあります。
メーカーや国の安全情報を、社内の誰が確認し、誰が現場に伝えるのか。
ここを決めておくことです。
たとえば、月に一度だけでも構いません。
- 国土交通省やメーカーのリコール・自主改善情報を見る
- 自社の車両台帳と照合する
- 対象の可能性がある場合は整備先に確認する
- 確認結果を社内で記録する
この流れを作るだけで、安全管理は一段安定します。
難しい仕組みでなくて大丈夫です。
最初はExcelでも、共有フォルダでも、紙の台帳でも構いません。
大切なのは、「誰かが気づいたら対応する」ではなく、「確認する流れを会社として持つ」ことです。
車両管理や安全体制を見直すきっかけに
今回のような自主改善情報を見たとき、「うちの車両は対象なのか」「整備履歴はどこまで残っているのか」「現場への共有は誰がやるのか」と、少し立ち止まる会社も多いと思います。
その整理は、車両1台の確認にとどまりません。
安全管理、原価管理、台帳整備、デジタル活用、人の役割分担までつながっていきます。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。建設企業の持続的成長を支援し、ものづくりに集中できる建設業界へ近づけるための伴走です。
「うちの場合は、まず何から整理すればよいか」 「車両台帳や整備履歴を、現実的にどう管理すればよいか」
そんな段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、必要な整理先として使ってください。