国土交通省は、三菱ふそうトラック・バス株式会社から、補用品として販売したリヤハブを装着した大型トラックおよび大型バスについて、自主改善を実施する旨の報告があったと発表しました。
建設業でも、大型トラックや古い車両を長く使っている会社は少なくありません。今回の発表は、すべての建設会社に直ちに影響するものではありませんが、対象車両を保有している可能性がある会社は、車両台帳と整備履歴を一度確認しておきたい内容です。
発表日 | 令和8年10月20日 |
実施主体 | 三菱ふそうトラック・バス株式会社 |
対象部品 | リヤハブ(部品番号:MC870901) |
対象車両 | 「ふそうグレート」「エアロバス」「エアロスター」「エアロキング」のうち、平成元年9月26日~平成4年6月2日に生産され、当該部品が装着された車両 |
用品出荷期間 | 平成16年5月17日~令和2年11月13日 |
自主改善対象数 | 1,660個 |
自主改善開始日 | 令和8年10月下旬 |
改善内容 | 全車両のリヤハブを点検し、旧品が装着されていた場合は現行品に交換 |
不具合件数・事故 | 不具合件数0件、事故無し |
今回のポイントは「古い車両」だけでなく「補用品の交換履歴」です
今回の自主改善は、車両の生産時期だけを見れば、平成元年から平成4年に生産された車両が中心です。
「うちにはそんな古い車両はないはず」と感じる会社も多いと思います。
ただし、今回の発表で見ておきたいのは、対象が“補用品として販売されたリヤハブ”であることです。
国土交通省の発表では、リヤハブについて、補用品の供給が不適切だったため、現行品から旧品に交換されたものがあるとされています。
つまり、確認すべきなのは車両年式だけではありません。
過去にリヤハブやリヤハブドラムASSYまわりの修理・交換を行っていないか。ここが実務上の確認ポイントになります。
現場では、古い車両でも「まだ走れる」「積載や用途に合っている」「代替車両の納期や価格を考えると手放しにくい」という判断があります。
それ自体は、決して珍しいことではありません。
だからこそ、長く使う車両ほど、部品交換履歴を“見える状態”にしておくことが安全管理の土台になります。
対象の可能性がある会社が確認したいこと
今回の対象は、三菱ふそうの「ふそうグレート」などです。
建設会社で確認するなら、まずは次の順番が現実的です。
- 自社の車両台帳に、対象車種が残っていないか確認する
- 過去に対象車両を保有していた場合、現在も構内車・予備車・関連会社車両として使っていないか確認する
- 平成16年5月17日から令和2年11月13日までの間に、リヤハブ周辺の補修・交換履歴がないか確認する
- 該当の可能性があれば、三菱ふそうの販売会社またはお客様相談センターに確認する
発表資料では、自主改善の内容として、全車両のリヤハブを点検し、旧品が装着されていた場合は現行品に交換するとされています。
不具合件数は0件、事故も無しです。
そのため、過度に不安になる必要はありません。
一方で、ハブまわりは走行安全に関わる重要部位です。大型車両を現場間移動、資材運搬、重機回送まわりで使っている会社ほど、“該当するかどうかを確認した”という状態をつくることが大切です。
車両管理は「車検を通しているか」だけでは足りなくなっています
中小建設業の車両管理は、どうしても忙しさに押されがちです。
朝は現場へ向かう段取り。夕方は翌日の積み込み。安全書類、日報、見積、請求。車両台帳の整理まで手が回らない日もあります。
「整備工場に任せているから大丈夫」
「車検は通っているから問題ない」
そう考えるのは自然です。
ただ、今回のように、過去に交換された補用品が自主改善の対象になるケースでは、車検の有無だけでは拾いきれないことがあります。
特に、次のような会社は一度整理しておくと安心です。
- 古い大型車両を予備車として残している
- 中古車両を購入して使っている
- グループ会社・協力会社間で車両を移している
- 修理履歴が紙の請求書や整備明細に分散している
- 車両ごとの部品交換履歴を一覧で見られない
今回の発表をきっかけに、対象車両の有無だけでなく、車両台帳・整備履歴・リコール等の確認フローを見直すのもよいタイミングです。
経営者が見ておきたいのは「安全」と「止まらない現場」の両方です
建設業にとって、車両は単なる移動手段ではありません。
資材を運ぶ。人を運ぶ。道具を運ぶ。現場を動かす。
車両が止まると、現場も止まります。
だからこそ、こうした自主改善情報は、整備担当者だけの話にしない方がよいです。
経営として見るべきポイントは、安全確保と稼働停止リスクの両方です。
確認が遅れて急な入庫が必要になると、現場段取りに影響が出ることがあります。
逆に、早めに対象確認だけ済ませておけば、該当しなかった場合も安心材料になります。該当した場合も、工程への影響が小さい時期に相談しやすくなります。
まずは、保有車両の中に対象車種があるか。
次に、過去の整備履歴に該当部品の交換があるか。
この2点からで十分です。
“うちは関係あるのか、ないのか”を早めに切り分けることが、現場を止めない車両管理につながります。
車両管理や安全体制を見直すきっかけにする
今回の自主改善は、対象が限定された情報です。
ただ、そこから見えてくる論点は、多くの建設会社に共通しています。
車両台帳は最新か。整備履歴は追えるか。リコールや自主改善の情報を誰が確認するか。現場の車両不具合が、管理側にきちんと上がってくるか。
こうした仕組みは、日々の忙しさの中では後回しになりやすいものです。
ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。車両管理や安全体制も、現場を止めない経営基盤の一部です。
「うちの場合、どこまで整理すればよいのか」「車両台帳や整備履歴をどう管理すればよいのか」という段階でも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、まずは状況整理の壁打ちとしてご相談ください。