社長を含めて5名ほどの工事会社で、新規開拓の前に必要だった採用
仕事を増やしたくても、施工する人が足りない。そんなときは、販路開拓の前に採用の進め方を整えることが、次の一歩になります。
神奈川県にある、防水などの改修工事を担う専門工事会社の事例です。自社の職人は社長を含めて5名ほど。協力会社の力も借りながら現場を動かしていました。
新しい取引先を開拓したい気持ちはありました。ただ、自社でこなせる工事量には限りがあります。案件が増えても、今の人数で対応できるのか。そこが気になり、開拓に踏み切れずにいました。
以前から伝えていた方針は、「採用がうまくいったら、仕事の開拓も進めたい」というものでした。
その後、求人掲載だけでなく、会社の強みの整理や応募者への対応まで見直しました。結果として、同じ施工領域の経験者と、別の職種で現場経験を持つ若手の計2名を採用しました。人が増えたことで、新規開拓へ進めるようになったのです。
※所在地や会社規模などは、特定を避けるため一部調整しています。
求人を掲載するだけでは、人を迎えて受注を増やすところまでつながらない構造
見直したいのは求人の出し先だけではなく、会社の魅力を伝え、応募者と連絡を取り、採用まで進める一連の活動です。
この会社で行ったのは、求人原稿を作って掲載することだけではありません。ホームページの記載を整えました。掲載後も反応を見ながら運用しました。応募が来てからは、面接への同席や、その後の連絡のタイミングまで外部の支援者が関わりました。
小規模な工事会社では、採用も社長が担うことがあります。現場の仕事と並行して、求人の内容を考える。応募者と連絡を取る。面接をする。その後もフォローする。掲載後に必要な仕事も、決して少なくありません。
「求人は出した」という状態と、「人を迎えられるように動いている」という状態は別です。
受注を増やせない理由が人手不足にあるなら、採用も掲載件数だけでは捉えきれません。応募から採用まで、誰がどこを担うのか。そのつながりまで確認したいところです。
社内に眠っていた強みと、掲載後にも続く採用実務
採用活動の出発点は、新しい魅力を作ることではなく、社内にある強みを言葉にすることでした。
支援の中では、「会社にしか眠っていない強み」を文章にしていきました。それを求人原稿に反映し、ホームページにも記載しました。
社内では当たり前になっていることも、社外には伝わっていない場合があります。会社を知る人には説明不要でも、初めて求人を見る人には言葉が必要です。この会社では、まずそこを整えました。
もう一つの特徴は、掲載後も実務が続いていたことです。求人を出して終わりではありません。掲載後は日々運用し、応募につながるように調整しました。応募が来れば面接を支援し、その後も「このタイミングで連絡してください」と具体的にフォローしました。
外部の支援者は、採用方針への助言だけでなく、面接への同席にも関わっています。
強みを文章にする仕事と、応募者に対応する仕事。その両方をつないだことが、この採用活動の特徴です。
ただし、この事例だけで、特定の求人媒体や原稿が採用を決めたとは言えません。参考にしたいのは、掲載前から面接後までを切り離さずに進めた点です。
強みの言語化から面接後の連絡までをつなぎ、自社と外部の担当範囲を整理する進め方
最初に決めたいのは、どの媒体を使うかよりも、採用までに必要な仕事と、それを担う人です。
この会社の進め方を、自社に置き換えるなら、次の順番で整理できます。
会社の強みを、ホームページと求人原稿で伝えられる状態にする
まずは、自社の強みを文章にするところからです。社内だけで共有している認識を、求職者にも伝わる言葉に整えます。
判断の軸は、求人原稿を立派に見せることではありません。初めて会社を知る人に、自社の特徴が伝わる内容になっているかです。
この事例では、整理した強みをホームページと求人原稿の両方に反映しました。すでにホームページがある会社でも、求人で伝えたい内容が載っているかを確認する余地があります。
掲載後の運用と応募対応を、別々に確認する
求人を掲載した後は、運用を続ける担当と、応募者に対応する担当を確認します。同じ人が担っても構いません。大切なのは、どちらも採用活動に含めておくことです。
整理する範囲は、次のように分けられます。
- 求人掲載後の反応を確認し、内容や運用を調整する仕事
- 応募者と連絡を取り、面接につなげる仕事
- 面接を行い、その後も必要な連絡をする仕事
応募につながっていないなら、掲載内容や運用を見直します。応募後の対応に手が回っていないなら、連絡や面接の支援を考えます。
応募が来るまでと、応募が来てからを分けて見ると、どこに手を借りたいかが整理しやすくなります。
社長が担うことと、外部に任せることを切り分ける
外部支援は、求人掲載だけを依頼する使い方に限りません。この事例では、強みの言語化、ホームページへの反映、求人運用、面接への同席、その後のフォローまで関わっていました。
自社で原稿や運用を担えるなら、その部分まで任せる必要はありません。一方、社長が面接はできても、その前後の連絡や掲載後の調整まで担いきれないなら、そこを支援の対象にできます。
「採用を全部任せるか、自社だけでやるか」の二択にしなくてもよいのです。
自社で継続して担える実務を残し、手が回らない部分を外部とつなぐ。支援範囲は、その基準で考えられます。
この会社も、採用後は新規開拓へと支援の重点を移しました。採用支援を使い続けること自体が目的ではありません。人手不足で止まっていた次の行動へ進めるかを、判断の軸にしたいところです。
まとめ
人が足りず受注を増やせないときは、求人を出すことではなく、採用まで動かせる状態を目指すことが大切です。
今回の工事会社は、社内に眠っていた強みを言語化しました。ホームページと求人原稿に反映しました。そのうえで、掲載後の運用、応募者への連絡、面接、その後のフォローまでつなげました。
2名を採用した後は、以前から考えていた新規開拓へ進んでいます。
同じ悩みがあるなら、まずは求人掲載から採用までを一続きで見てみることです。自社で担えている部分はどこか。支援があれば進められる部分はどこか。そこを分けると、求人を追加する以外の打ち手も見えてきます。
人手不足で止まっている次の一歩を整理するために
「うちの場合は、求人原稿から見直すべきか。それとも応募対応からか」という段階から、整理できます。
ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。
採用についても、自社の強みをどう伝えるか、掲載後の運用を誰が担うか、応募者対応のどこに支援が必要かを、今の体制に合わせて一緒に考えます。
何から整理すべきかわからない段階でも、ご相談いただけます。無理にサービスをおすすめすることはありませんので、自社で担う範囲と外部に頼る範囲を考える場として、お気軽にお声がけください。