前提

電話やメールに加え、協力業者の帰社後の段取りも担う現場監督

現場監督の連絡負担は、日中の電話の多さと、夜まで続く段取りの両方から生まれていました。

首都圏で住宅関連の施工や改修を手がける、ある建設会社の相談です。現場監督には、午前中だけで数十件の電話が入ることがありました。メールも、多い日は百通近くに上ります。

日中の対応が終われば、一段落するわけでもありません。基礎や建て方などを担う一部の協力業者との打ち合わせは、夜になっていました。

「帰りも遅いから、夜7時過ぎにならないと事務所に着かない。それから連絡して、段取りしているんです」

協力業者も、朝早くから遠方の現場へ出ています。そのため、事務所に戻ってから連絡する流れになっていました。

一方、社内ではすでに業務分担を進めていました。警察への申請などを事務担当に移し、現場側の負担が軽くなった実感もあります。それでも、電話と夜間の打ち合わせには、まだ具体的な対策を試せていない状況でした。

課題

電話を減らす工夫と、夜間の打ち合わせを見直す調整の混在

連絡対応の負担は、「件数」「監督を経由する手間」「対応する時間帯」に分けると、次の一手を考えやすくなります。

電話が多いと、まず連絡手段を変えたくなります。ただ、この会社にはすでに複数の連絡グループがありました。事務担当同士、監督同士、事務と監督、取引先の担当者とのグループです。現場や業者ごとのグループもあるようでしたが、経営側でも全体を把握しきれていませんでした。

つまり、連絡する場所がないわけではありません。グループがあっても、確認の電話が入り、監督が人と人の間に立つ状態は残っていました。

相談の中では、担当者同士が直接やり取りする案も挙がっています。監督が一方に聞き、もう一方へ伝え、また返事を取り次ぐ。その往復を減らす考え方です。

ただし、それで夜間の打ち合わせまで減るとは限りません。夜の連絡には、協力業者の帰社時間という別の理由があるからです。

連絡グループを増やすだけでは、確認が生まれる原因も、夜にしか話せない事情も変わりません。

背景

図面の不備や確認漏れと、協力業者の稼働時間という別々の事情

連絡が増える背景には、自社で減らせる確認と、相手との調整が必要な連絡が重なっていました。

経営者からは、こんな言葉がありました。

「問題がある現場は、もちろん連絡が増えます。どうやったら問題のない現場をつくれるのか、ということだと思うんです」

図面や仕様の不備、確認の抜け漏れがあれば、その分だけ問い合わせが増えます。ただ、それをすべて現場監督本人の問題とするのは違います。取引先が作成した図面など、自社の外に原因がある場合も挙がっていました。

取引先へ改善を伝えたこともあります。それでも、担当者が異動すると、同じ説明が必要になることがありました。

「改善しますとは言ってくれますけど、人が変わると、また最初からです」

そこで、自社では過去の不備を覚えている人が、同じ間違いがないかを確認していました。一方、顧客と取引先の間で確認された色など、自社だけでは判断できないこともあります。事前に気づける不備と、相手への確認が欠かせない内容は、分けて考える必要がありそうです。

夜間の段取りも同じです。長く続いてきた連絡の仕方に加え、協力業者には移動と現場作業の事情があります。

「そこは意見を聞いて調整しないと、なかなか難しいと思います」

夜の連絡が生じやすい業者は、ある程度限られていました。すべての取引先を一度に変えるより、該当する相手と話せる余地がある状況です。

解決

過去の不備の確認と、連絡経路・時間帯・業務分担の見直し

自社で変えられることを先に進め、相手の事情が関わることは合意を取りながら調整する。この分け方が出発点です。

連絡を一律に減らすのではなく、何を理由に連絡が発生しているかを、現場監督と経営側でそろえていきます。確認すべきなのは、次の4点です。

  • 図面や仕様の不備から生じる確認か
  • 自社の確認漏れから生じる問い合わせか
  • 担当者間の伝言で、監督を経由している連絡か
  • 協力業者の稼働時間により、夜になっている段取りか

原因が違えば、選ぶ打ち手も変わります。

過去の不備は、事前に確認できる範囲をそろえる

過去に起きた間違いを、次の現場で確認するポイントに変えることが、問い合わせの予防につながります。

この会社では、経験のある人が以前の不備を覚えていて、図面を確認していました。まずは、その確認内容を担当者間で共有する進め方が考えられます。

ただし、あらゆる不備を自社で見つけようとすると、別の負担になります。過去にも起きた不備なのか。図面から気づける内容なのか。それとも、顧客や取引先に確認しなければ分からない内容なのか。この境目をそろえることが大切です。

伝言の連絡は、担当者同士で直接話せるかを確認する

監督を経由している連絡は、当事者同士で完結できる範囲から見直します。

すでにある連絡グループを使い、誰と誰が直接やり取りできれば往復が減るのかを確認します。新しいグループをつくることより、今の連絡経路を整理することが先です。

判断軸は、監督自身の判断が必要な内容か、伝言が中心の内容かです。担当者同士で確認できることまで監督が取り次いでいれば、そこには見直しの余地があります。連絡手段も含め、関係する担当者同士で合意しておきたいところです。

夜間の段取りは、該当する協力業者と時間帯を調整する

夜の打ち合わせは、一方的に昼へ移すのではなく、相手が対応できる条件を聞くところから始めます。

遠方の現場へ早朝から出て、帰社が夜になる。その事情を確認せず、日中の対応だけを求めても、続けるのは難しそうです。

夜間の連絡が多い協力業者を対象に、連絡する時間帯と手段について話し合います。相手側で調整できるのか。自社側の対応時間を調整する必要があるのか。双方の事情を並べて、合意できる形を探します。

この会社では、まだ具体的な調整を試していませんでした。「以前からこうだから」で止めず、一度、話し合いの場を設けることが次の一手になります。

事務への業務移管は、効果が出ている分担を確かめる

連絡そのものを減らしきれなくても、監督が担う別の業務を移すことで、対応の余地は生まれます。

警察への申請は、移動も含めると半日近くかかることがありました。それを事務担当へ移したことで、現場に集中しやすくなったという声が出ています。

この実績を踏まえ、すでに移した業務と、まだ現場側に残っている申請関連の事務を確認します。現場判断が必要なのか、事務担当へ移せる内容なのか。その区別をつけながら進めると、負担軽減を具体化しやすくなります。

まとめ

電話の多さと夜間の打ち合わせは、一つの対策でまとめて解決しようとせず、発生する理由ごとに見直すことが近道です。

図面や仕様の不備には、過去の間違いを踏まえた事前チェック。伝言の往復には、担当者同士の直接連絡。夜間の段取りには、協力業者の事情を聞いたうえでの時間帯の合意が対応します。

さらに、申請業務を事務担当へ移したように、すでに効果の出た分担も手がかりになります。

必要な連絡までなくす必要はありません。まずは、減らせる確認、取り次がなくてよい連絡、時間を調整できる打ち合わせを分ける。その整理から、現場監督の負担を軽くする道筋が見えてきます。

現場監督の連絡負担を、自社で変えられる範囲から整理するために

「電話が多い」という悩みの中身を分けるところからでも、相談は始められます。

ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。連絡経路の見直しや、協力業者との調整、事務担当との業務分担も、現場の状況に合わせて一緒に考えます。

「うちの場合は何から整理すればよいか」という段階でも大丈夫です。無理にサービスの利用をお勧めすることはありませんので、現状の整理先としてご相談ください。

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