前提

道路・河川の測量を得意とする少人数会社の新規開拓

測量会社の営業先は、対応できる工事だけでなく、増やしたい仕事の受け方まで揃えて選ぶことが大切です。

関西を中心に、西日本の広い範囲で業務を手がける、10名前後の測量会社からの相談です。道路・河川の測量を得意とし、大規模な造成に携わった実績もあります。時期や条件によるものの、規模の大きな現場にも対応できる会社です。

目指していたのは、新しい取引先をつくり、仕事量を増やすことでした。ただし、測量の依頼なら何でも増やしたいわけではありません。現場に人員を継続して配置する仕事と、協力会社とも分担しながら進められる仕事では、同じ受注でも会社の動きやすさが変わります。

既存の取引には、技術を評価され、条件面でも納得できている案件がありました。そうした仕事を増やしたい一方で、似た会社に声をかければ同じ依頼が来るとは考えていませんでした。

課題

従業員数と「測量」の営業品目だけでは揃わない比較条件

「測量を扱っている会社」と「測量を主な売上にしている会社」は、分けて見る必要があります。

営業先を探す手がかりとして挙がったのは、従業員数が近く、売上を伸ばしている会社と、その取引先でした。少人数で成長している同業がどこから仕事を受けているのか。新規開拓の入口としては、確かめる価値のある情報です。

ただ、比較対象の中には、測量以外の工事を主力にしていると見られる会社も含まれていました。相談者が気にしたのは、そこでした。

「同じような会社かっていうと、違うんですよね」

たとえば、舗装などの工事が主力で、測量も業務の一部として行っている会社です。その会社の売上全体を見ても、測量だけでどれほどの売上をつくっているかはわかりません。取引先の名前が並んでいても、何を受注しているのかまでは読み取れません。

同業の取引先は営業候補を見つける手がかりにはなりますが、自社が欲しい測量業務の発注先であることまでは示していません。

従業員数と売上だけから「この取引先を開拓すれば、自社も同じように伸ばせる」と考えるには、比較条件が足りなかったのです。

背景

測量を売る会社と、主力工事の受注に測量を使う会社の違い

営業品目が同じでも、受注の中で測量が担う役割が違えば、参考にできる成長の道筋も変わります。

相談者は、別の工事を主業とする会社について、測量も自社で対応できることを、主力工事を受けるための強みにしているのではないかと見ていました。

「そっちがメインなんですよ。測量も自社でできますよ、ということなんです」

これは、個別企業の実態を確認した説明ではなく、相談者の見立てです。それでも、比較対象を選ぶうえでは重要な視点です。測量そのものを売る会社と、別の工事を受けるために測量まで対応する会社では、顧客に選ばれる理由が異なります。

さらに、発注先の業種が合っていても、希望する仕事になるとは限りません。相談者には、測量部隊を持たない施工会社から、工事の中に入って対応するよう求められるケースもありました。

「工事の中に入り込むと、ずっと人間がそこに取られるイメージになる」

継続的に現場へ入る仕事には、安定して仕事を確保できる面があります。一方、この会社がより増やしたかったのは、人員の拘束が少なく、協力会社にも分担できる業務でした。

また、好条件の既存案件については、「うちの技術を買ってもらっている」と話していました。出会いの経緯や信頼関係もあり、単に同じ分野の会社だから得られている条件ではない、という認識です。

「発注できそうな会社か」に加えて、「なぜ自社に頼むのか」「どのような関わり方を求められるのか」まで確かめることが、営業先選びの要点です。

解決

事業構成を確かめ、外注ニーズと人員拘束から絞る営業先

比較対象の確認、欲しい仕事の整理、営業候補の絞り込み、面談での検証という順番で進めると、リストの見直しが具体的になります。

比較する会社は、測量の売上構成と主力事業まで確認する

まずは、成長事例として見る会社と、営業をかける会社を分けます。前者は自社の成長の参考にする対象、後者は実際に測量を発注する可能性のある対象です。

比較する会社については、測量が主業なのか、別の工事に付随する業務なのかを確認します。売上構成がわかる場合は、測量がどの程度を占めるのかも見ます。

主力事業や構成が確認できなければ、売上全体を測量会社の成長実績として扱わず、参考情報にとどめます。相談の中でも、測量の比重が高い会社のほうが、自社の事業に近いと整理されていました。ただし、特定の構成比だけで比較対象を決めるのではなく、実際に何を受注しているかと合わせて判断します。

営業候補は、地域や工事分野の先まで見る

対応地域や道路・河川・造成といった工事分野は、最初の絞り込みに使えます。そのうえで、次の点を確認します。

  • 外注の必要性: 測量部隊がないなど、外部へ依頼する理由があるか
  • 技術との接点: 自社の技術や実績を評価する理由がありそうか
  • 人員の拘束: 現場への継続配置を求める仕事なのか
  • 分担の可能性: 協力会社と分担できる業務なのか

この会社の場合、開発用地に関わる事業者や、造成などを手がける施工会社が候補に挙がりました。ただし、同じ事業分野でも、測量を外注するか、どこまで任せるかは別の確認事項です。

自社開発なのか、グループ内で役割を分けているのかによっても、発注の窓口は変わります。販売先の一覧だけで判断せず、どの会社が測量を必要とし、依頼する立場にあるのかを確かめていきます。

面談では、似ているかではなく発注ニーズを確かめる

候補企業への接触は、既存の好条件案件を再現する約束ではなく、その条件につながるニーズがあるかを検証する機会と捉えます。

面談では、どの場面で測量を外部に依頼しているか、外部の測量会社に何を求めているかを聞きます。あわせて、現場へ継続して入る必要があるか、業務をどの範囲で任せてもらえるかも確認します。

その内容と、自社の道路・河川・造成などの実績を照らし合わせます。必要最低限の対応を求める相手なのか、技術による違いを評価する相手なのか。ここを確かめずに、既存案件と同じ評価や条件を期待しないことが大切です。

面談で得た情報は、次の候補選びに戻します。対応地域や事業内容が似ていても、人員拘束が希望と合わなければ優先度を下げる。逆に、技術を必要とする理由と分担の余地が見えれば、見積もりの機会につなげる。こうして、企業の類似度を、欲しい仕事との適合度に置き換えていきます。

まとめ

測量会社の営業先選びは、「同業が付き合っている会社」を集めたところから、もう一段掘り下げることで進みます。

まず、参考にする会社の主力事業と、測量の売上構成を確かめます。そのうえで営業候補を、外注の必要性、技術への評価、人員拘束、協力会社との分担から見直します。

好条件の既存案件には、技術評価や信頼関係という背景がありました。類似企業への接触だけで同じ結果になるとは限りません。候補ごとの発注ニーズを確かめながら、自社が増やしたい仕事に近づけていく進め方が現実的です。

欲しい測量の仕事から、営業先を整理するために

営業候補が多くても絞りきれないときは、企業名より先に「増やしたい仕事の条件」を整理するところから始められます。

ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。測量会社の新規開拓でも、既存案件で評価されている技術や、現場への人員配置、協力会社との分担を踏まえ、営業先の選定から接点づくりまで一緒に考えます。

「うちの場合、どんな発注先から確かめればよいか」という段階でもご相談いただけます。無理にサービスの利用を勧めることはありませんので、次の整理先としてお声がけください。

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