前提

新たな防水工事の受注が見え始めた会社の、不動産会社開拓

新しい取引先から工事を受ける見通しが立ってきても、受注を安定させるには「次にどの会社とつながるか」の整理が必要です。

首都圏で防水工事を手がける、ある専門工事会社でも、新規の営業先から現場に入る話が進み始めていました。一方で、紹介された仕事なら何でも受けたいわけではありません。現場が遠い案件もあり、今の人員で無理なく対応できるかを見ながら、取引先を選んでいました。

そこで、開拓先の一つとして挙がっていたのが不動産会社です。それまでは、主に「物件管理をしているか」を見て候補を選び、管理物件の防水工事について声をかける方針でした。

ただ、不動産会社とのつながりを増やせば、そのまま防水工事の発注が増えるとは限りません。見直しの焦点になったのは、管理物件の有無だけでなく、その会社が建築・施工も手がけ、防水工事を専門工事会社へ発注しているかという点でした。

課題

物件管理の有無だけでは見えない、防水工事の発注先としての適合

営業先として確かめたいのは「物件を管理している会社か」だけではなく、「防水工事を外部へ発注する会社か」です。

物件管理をしていることは、工事需要を探る手がかりになります。ただ、その情報だけでは、防水工事の施工を誰が担い、どのように発注しているかまでは分かりません。

候補企業を調べる際も、売上や会社の規模、取引先の情報は確認できていました。しかし、それだけでは自社が入れる余地の判断には届きません。実際、別の建設会社への営業でも、扱っているのはサッシや内装で、防水工事は受けていないという応答がありました。

不動産会社についても同じです。「建築もやっている」と分かっても、防水工事まで扱っているか、専門工事を分けて発注しているかは、さらに確認する必要があります。

営業リストに会社名を増やすことと、防水工事の発注候補を増やすことは別です。事業内容と実際の発注方法まで確認して、初めて営業先の優先順位がつけられます。

背景

建築・施工を手がける不動産会社と、協力会社を見直すタイミング

建築・施工を手がける不動産会社には、専門工事の施工協力を入口に接点をつくれる可能性があります。

営業先を見直すきっかけは、別の防水工事会社から得た情報でした。不動産事業と施工の両方を行い、専門工事を分離発注する会社と取引しているという話です。そこで継続的に仕事を受けている、という経験も共有されていました。

この情報を受け、管理業務の有無だけで探すのではなく、不動産と建築の両方を事業内容に掲げる会社を候補に加える方向になりました。相談者も「それはいいかもしれない」と応じています。

もう一つの手がかりは、既存の協力会社の状況です。開拓中の建設会社には、防水の協力会社が高齢化し、「今は対応できているが、今後は分からない」と話す先がありました。別の会社では、社内体制の見直しに合わせ、防水工事の協力先を求めていました。

これは、不動産会社にも同じ事情があると決めつける材料ではありません。ただ、現在の協力会社がいるかどうかだけでなく、今後の施工体制をどう考えているかを聞く意味は見えてきます。

また、他社から好評と聞いた会社について、相談者には過去の取引で異なる印象がありました。評判は候補を探す入口にはなりますが、自社に合う取引先かは別に確かめたいところです。

解決

建築・施工と分離発注の実態を確かめ、施工協力から始める営業

営業リストを「管理物件がある会社」から「防水工事の施工協力が必要な会社」へ絞り直すことが、次の一手です。 建築・施工の有無、発注方法、協力会社の状況の順に確かめると、声をかける理由が具体的になります。

事業内容を見直し、防水工事の発注実態まで確認する

まずは、今ある不動産会社のリストを見直します。管理業務の情報に加え、建築や施工も手がけているかを確認します。そのうえで、連絡時には次の点を確かめます。

  • 施工の範囲:どのような建物・工事を扱い、防水工事も対象にしているか
  • 発注の方法:防水工事を専門工事会社へ分離発注しているか
  • 協力会社の状況:現在の施工体制で足りているか、今後に向けて協力先を探しているか

「不動産と建築をやっている」という情報は、候補に残す理由です。「防水工事を外部へ発注している」という確認が取れれば、施工協力の話を進める理由になります。

会社の規模だけで優先順位を決めるのではなく、この二つを分けて見ることが大切です。発注方法がまだ分からない会社は、分からないまま記録し、確認できた情報と混ぜないようにします。

管理物件の工事を求める前に、施工への協力を申し出る

最初の声かけは、相手がすでに行っている施工に、自社がどう協力できるかを軸にします。

管理物件の工事を紹介してもらう話だけでなく、建築・施工事業で防水の協力先を必要としていないかを聞く進め方です。相手の工事内容が分かれば、自社が対応できる範囲も伝えやすくなります。

その先に、施工を通じて品質を確認してもらい、継続的な発注や保有・管理物件の工事についても相談してもらう流れを目指します。ただし、これは取引を広げる順序であり、最初の一件を受ければ次の工事が保証されるという話ではありません。

発注の余地と、自社が無理なく施工できる条件を合わせる

相手が協力会社を探していることと、自社に合う仕事であることは、両方そろえて判断します。

この会社でも、遠方の現場には慎重でした。また、提示された工事内容の項目が少なく、現場を見ないと施工範囲が分からない案件もありました。仕事の数が多いと言われても、それだけで取引を広げる判断はしていません。

不動産会社の開拓でも、施工場所、工事範囲、今の人員で対応できるかを確かめます。加えて、相手が求める施工品質と、自社が提供できる品質が合っているかを見ます。

既存の協力会社が十分に対応できている先と、今後の体制に向けて新しい協力先を探している先では、話を進めるタイミングも異なります。反応を確かめながらリストを精査し、見込みのある会社へ営業の力を寄せていく進め方が適しています。

まとめ

防水工事の受注安定に向けた不動産会社への営業では、管理業務の有無より一歩踏み込み、建築・施工と分離発注の実態を見ることが要点です。

まず、不動産と建築の両方を手がける会社を候補に加えます。次に、防水工事を扱っているか、専門工事会社へ発注しているか、協力先を必要としているかを確かめます。

入口は、相手の施工への協力です。そこから品質を確認してもらい、継続発注や保有・管理物件の工事へつながる可能性を探ります。

継続受注を急いで期待するより、「発注の余地がある」「自社の施工条件に合う」という二つが重なる取引先を見つけることが、営業先を選ぶ軸になります。

自社に合う不動産会社の営業先を整理するために

「不動産会社のリストはあるが、どこから声をかけるべきか分からない」という段階から、整理は始められます。 今の候補に建築・施工の情報があるか、防水工事の発注方法を確認できているかを見るだけでも、次に聞くことが明確になります。

ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。販路拡大でも、単に営業先を増やすのではなく、自社の施工体制に合う開拓先や声のかけ方を一緒に考えます。

「うちの場合は、どんな会社を優先すべきか」というご相談でも構いません。無理な営業はいたしませんので、次の整理先としてお気軽にご相談ください。

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