前提

施工体制と業者経由の仕事はある、20名弱の建設会社

増やしたいのは仕事の総量ではなく、「家やアパート・マンションを建てたい」という施主からの直接相談です。

鹿児島県にある、20名弱の建設会社から寄せられた相談です。内装工事を手がけ、建築部門も立ち上げています。設計から施工、内装まで対応できる体制があり、業者経由の現場は十分にあります。

一方で、自社の名前を知った施主から、新築住宅や共同住宅の建築を直接依頼される機会は、まだ限られています。

「業者からの依頼はいっぱいある。家を建てたい、マンションをつくりたいというお客さんを増やしたい」

ホームページは制作会社に依頼して公開済みです。更新は自社で行い、Instagramへの投稿がサイトにも表示されるようにしています。ただ、どれほど見られているのか、発信が相談につながっているのかは把握できていません。

すでに施工する力があるからこそ、その手前にある「施主に見つけてもらい、相談先として選ばれる部分」を整えたいという悩みです。

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課題

問い合わせはあっても、新築住宅や共同住宅の直接相談につながらない状態

ホームページから問い合わせが来ていても、その内容が増やしたい仕事と一致しているとは限りません。

この会社にも、サイト経由の問い合わせ自体はあります。しかし、新築住宅やアパート・マンションを建てたいという相談は少ない状況でした。

ここで分けて考えたいのは、「問い合わせがあること」と「狙った施主から相談があること」です。業者から施工の依頼が来るサイトと、施主が建築の相談先として選ぶサイトでは、伝えるべき内容が変わります。

業者には施工分野や対応力が伝わっていても、施主には「自分が建てたい建物を、この会社に相談できる」と伝わっていない可能性があります。

また、アクセスを把握していないため、そもそも見られていないのか、見られていても相談につながらないのかも切り分けられません。

「ただ作って、ただ投稿しているだけ。誰がどれくらい見ているかはわからない」

この状態で投稿やページを増やしても、何を改善できたのかが見えにくくなります。まず必要なのは、発信量を増やすことより、現在のサイトと欲しい相談の関係を確かめることです。

背景

建築部門の立ち上げ前に作ったサイトと、今迎えたい施主とのずれ

見直しの中心は、サイトの古さではなく、制作時と現在で「誰に何を伝えたいか」が変わっている点です。

既存サイトは、建築部門を立ち上げる前に制作したものでした。当時の事業を伝える内容のままでは、現在対応できる新築や共同住宅の建築が、施主に十分伝わらないこともあります。

「これを作ったときは、まだ建築を立ち上げていなかった」

サイトを確認した際にも、業者向けの印象が強いことが指摘されていました。施工体制が広がっても、ホームページの案内が以前のままなら、会社の現在地と外からの見え方に差が生まれます。

もう一つの背景は、業者経由の施工実績が、そのまま自社の認知にはならないことです。実際に現場を担っていても、施主の記憶には依頼先となった別の会社名が残ります。

この会社が望んでいるのは、既存の取引を否定することではありません。それを続けながら、自社の名前で相談が入る経路も育てることです。

設計から施工まで対応でき、内装には自社の施工力も生かせます。ただし、「一式できます」という業者向けの説明だけでは、施主にとっての相談範囲は見えにくいままです。できる仕事を、施主が相談したい内容に置き換えて伝える必要があります。

解決

アクセス把握から施主向けページとSNS導線へ進める見直し

サイトを作り直すかどうかは、現状の反応と迎えたい施主を整理してから判断します。 順番をそろえると、既存サイトを生かせる部分と、変えるべき部分を分けやすくなります。

1.アクセスと問い合わせ内容を分けて確認する

最初に、制作会社へアクセス解析の設定状況と、閲覧データの確認方法を聞きます。すでに計測しているなら、そのデータを確認します。計測していなければ、今後の反応を見られる状態にするところからです。

あわせて、問い合わせを「業者からの依頼」「施主からの相談」に分け、施主については新築住宅、アパート・マンション、リフォームなど、相談内容を整理します。

見るべきなのは、アクセス数だけではありません。どれだけ見られたかと、どんな相談が来たかを並べることが、改善の出発点です。

閲覧自体が少ないなら、まず見つけてもらう部分が検討対象になります。閲覧はあるのに狙った相談が少ないなら、ページの内容や相談への案内を確認します。現状の数字がない段階では、原因を決めつけないことが大切です。

2.誰が、何を、どこに建てたいときの相談先かを決める

次に、施主向けページで優先して扱う相談を絞ります。この会社では住宅だけでなく、アパート・マンションの設計・建築、とくに投資目的で建てたい施主からの相談も関心の中心にありました。

整理する項目は、次の三つです。

  • 対象とする施主:自宅を建てたい人か、投資目的で共同住宅を建てたい人か
  • 建物用途:新築住宅か、アパート・マンションか
  • 施工地域:県内のどこまで対応し、どの地域を優先するか

施主の居住地と建築予定地も、分けて考えられます。県外に住む人でも、施工対象地域に建てたいのであれば相談対象になり得ます。

検索で見つけてもらうための言葉も、この整理に沿って考えます。「建築」という広い言葉だけでなく、対応地域と建物用途がページから読み取れることが先です。検索順位だけを目的にせず、見つけた人が自分向けの会社だと判断できる内容を整えます。

3.設計・施工・内装の対応範囲を施主向けに見せる

この会社の強みは、設計から施工まで対応でき、内装にも自社の力を生かせる点です。施主向けページでは、その対応範囲をはっきり伝えます。

住宅を建てたい人と、共同住宅を建てたい人では、探している情報が異なります。ひとまとめの事業紹介だけで済ませず、それぞれの建物について相談できるとわかる見せ方が必要です。

施工力を並べるだけでなく、「何を建てたい人が、どこから相談できる会社なのか」まで伝えることが要点です。 設計、建築、内装の説明も、その相談範囲を裏づける情報として置きます。

4.ページ追加で足りるか、再制作が必要かを確認する

既存サイトが業者向けでも、すぐに全面再制作と決める必要はありません。施主向けページを追加し、そこへ迷わず進めるようにする方法もあります。

まず制作会社に、ページ追加が可能か、トップページから案内できるか、問い合わせまでつなげられるかを確認します。

既存サイトを残したまま施主向けの情報と相談経路を整えられるなら、追加改修が選択肢になります。一方、サイト全体が以前の事業構成のままで、施主向けの入口を設けにくいなら、再制作や別サイトも比較対象です。

判断基準は見た目の新しさではなく、狙う施主が必要な情報にたどり着き、相談できるかどうかです。

5.Instagramの投稿から施主向けページへつなぐ

すでにInstagramとサイトを連動させている点は、生かせます。ただし、投稿がサイトに表示されることと、投稿を見た人が相談に進めることは別です。

確認したいのは、Instagramを見た人が、プロフィールなどから施主向けページへ移動できるか。そのページで対応する建物と地域がわかり、問い合わせ先までたどれるかです。

新たなSNSを増やす前に、現在使っているInstagramから相談までのつながりを確かめます。フォロワー数や閲覧数だけでなく、施主からの相談内容も見ながら運用を見直すと、発信の目的を保ちやすくなります。

まとめ

業者からの依頼があるのに施主から相談が来ない場合は、施工力の不足と決めつけず、サイトの相手と現在欲しい顧客が合っているかを確認します。

建築部門の立ち上げ前に作ったサイトなら、今できる仕事が十分に伝わっていない可能性があります。まずアクセスと問い合わせ内容を把握し、対象とする施主、建物用途、施工地域を整理すること。そのうえで、設計から施工・内装までの対応範囲を施主向けに伝えます。

ページ追加か再制作かは、その情報と相談経路を既存サイトで整えられるかで判断します。SNSも、投稿して終わりではなく、施主向けページと相談先までつながっているかを見直します。

目指したいのは、単に見られるホームページではありません。「この建物のことを、この会社に相談したい」と判断してもらえるホームページです。

施主からの直接相談を増やすための整理先

「今のサイトを直せばよいのか、別に作るべきか」が決まっていない段階でも、現状の整理から始められます。

ネクスゲートは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。施主からの直接相談を増やしたい場合も、ホームページ制作ありきではなく、獲得したい建物用途や施工地域、現在の問い合わせ状況から、優先する取り組みを一緒に考えます。

「うちの場合は何から整理すればよいか」という段階でもご相談いただけます。無理な営業は行いませんので、今あるサイトや発信をどう生かすか、整理する機会としてお声がけください。

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