国土交通省、警察庁、経済産業省、環境省で構成するエコドライブ普及連絡会は、11月を「エコドライブ推進月間」として、エコドライブの普及・推進を行うと発表しました。

建設会社にとって、これは単なる環境啓発ではありません。毎日の現場移動、資材運搬、営業車、職長車、軽バン、トラック。車を動かす会社ほど、燃料費・事故リスク・車両管理の見直しにつながる実務テーマです。

発表内容

11月を「エコドライブ推進月間」として周知

発表主体

エコドライブ普及連絡会(警察庁、経済産業省、国土交通省、環境省)

対象月

令和8年11月

主な内容

エコドライブの普及、シンポジウム・各地イベント等の広報

実務上の注目点

燃費把握、発進・減速、アイドリング、タイヤ空気圧、不要積載、迷惑駐車の見直し

まず、どんな会社か知りたい方へ

会社紹介資料

何をしている会社で、どんなご支援をしてきたのかを1つにまとめています。

会社紹介資料 1ページ

建設会社にとってのエコドライブは「環境」だけでなく「原価」です

エコドライブという言葉を聞くと、環境対策の話に見えます。

もちろん、それも大事です。 ただ、中小建設業にとっては、もっと身近です。

毎日の車両運行コストをどう下げるか。 事故やヒヤリハットをどう減らすか。 現場へ向かう運転を、会社としてどう管理するか。

ここに直結します。

今回示されている「エコドライブ10のすすめ」には、現場会社でもすぐ使える内容が多く含まれています。

たとえば、発進時の「ふんわりアクセル」は、日々の運転で10%程度燃費が改善するとされています。車間距離にゆとりを持ち、加速・減速を減らす運転では、市街地で2%程度、郊外で6%程度燃費が悪化することを防ぐ効果が示されています。

一台ごとの金額は小さく見えます。 でも、車両が5台、10台、20台とある会社では違います。

燃費改善は、現場ごとの利益を少しずつ守る活動になります。

まず見るべきは「燃費を把握しているか」です

「エコドライブ10のすすめ」の1つ目は、自分の燃費を把握しようです。

これは、建設会社にとってかなり大事です。

燃料代は、毎月なんとなく支払っていると見えにくい費用です。

「今月は軽油代が高いな」 「この現場は移動が多いから仕方ない」 「誰がどの車に乗ったかまでは追えていない」

こうした状態は、多くの会社で起きがちです。

最初から高度なシステムは必要ありません。 まずは、次のような確認で十分です。

  • 車両ごとの給油量
  • 月ごとの走行距離
  • 車両ごとの燃費
  • 現場別・班別の移動距離
  • アイドリングが多くなりやすい作業や待機時間

燃費を見える化すると、改善できる運転と、改善できる段取りが分かれます。

運転だけの問題ではありません。 現場の集合場所、資材置場の使い方、朝の出発時間、積み忘れによる往復。 こうした段取りも、燃料費に跳ね返ります。

アイドリングと積みっぱなしは、現場会社ほど見直しやすいです

今回の資料では、10分間のアイドリングで130cc程度の燃料を消費するとされています。

また、100kgの荷物を載せて走ると、3%程度燃費が悪化するとされています。

建設業の車両では、ここが特に現実的です。

  • 使わない工具を載せっぱなしにしている
  • 前の現場の材料が残ったままになっている
  • 安全用品や仮設材が整理されず積まれている
  • 荷待ちや待機でエンジンをかけたままにしている
  • 夏場・冬場の休憩時にアイドリングが長くなる

現場の事情もあります。 暑さ寒さ、安全確保、作業待ち。単純に「全部やめましょう」とは言えません。

ただ、会社として見るなら、車内の不要荷物を下ろすこと、待機時のルールを決めることは、明日から始めやすい改善です。

「工具を下ろす場所がない」 「誰の車に何が積んであるか分からない」 「現場に行ってみないと必要なものが読めない」

こうした声が出るなら、車両管理だけでなく、資材管理や現場準備の見直しにもつながります。

タイヤ空気圧は、安全管理としても見ておきたい項目です

「エコドライブ10のすすめ」では、タイヤの空気圧チェックも挙げられています。

資料では、タイヤの空気圧が適正値より不足すると、市街地で2%程度、郊外で4%程度燃費が悪化するとされています。また、タイヤの空気圧は1か月で5%程度低下するとされています。

これは、燃費だけの話ではありません。

タイヤ管理は、安全管理そのものです。

建設業の車両は、朝早く出ます。 暗い時間に出る日もあります。 雨の日もあります。 高速道路を使うこともあります。 資材や工具を積むこともあります。

その状態でタイヤ管理が甘いと、燃費以前に安全面の不安が大きくなります。

月1回の車両点検表に、空気圧チェックを入れる。 給油時に見る担当を決める。 朝礼や安全会議で、11月だけでも重点項目にする。

このくらいなら、現場に大きな負担をかけずに始められます。

「安全運転」と「燃費改善」は同じ方向を向いています

エコドライブは、ゆっくり走るだけの話ではありません。

急発進を減らす。 車間距離を取る。 早めにアクセルを離す。 渋滞を避ける。 余裕を持って出発する。

これらはすべて、事故を減らす運転行動でもあります。

建設会社では、事故が起きると、車両修理費だけでは済みません。 現場到着の遅れ、元請への報告、保険対応、従業員の精神的負担、代替人員の調整。 いくつもの負担が一気に発生します。

だからこそ、エコドライブは「燃費の話」としてだけ扱うともったいないです。

安全大会や月次会議で、次のように伝えると現場にも入りやすくなります。

「燃料を節約しよう」だけでなく、「事故を減らす運転をしよう」。 「会社のため」だけでなく、「自分と仲間を守る運転にしよう」。

この言い方のほうが、現場には届きやすいはずです。

中小建設会社が11月にやっておきたいこと

今回の発表を受けて、大きな制度対応が必要になるわけではありません。 ただ、11月をきっかけに、社内で小さく始めるにはよいタイミングです。

おすすめは、次の3つです。

1つ目は、車両ごとの燃費を確認することです。 給油カードや領収書、走行距離の記録から、ざっくりでも構いません。

2つ目は、不要な積載物を下ろす日を決めることです。 全車両を一気に完璧にする必要はありません。まずは、よく動く車からで十分です。

3つ目は、安全会議でエコドライブ10項目を共有することです。 特に、急発進、車間距離、アイドリング、タイヤ空気圧。この4つは、建設会社でも話しやすい項目です。

制度対応ではなく、日々の経営改善です。 小さな積み重ねですが、続けると効きます。

燃料費を下げる。事故を減らす。車両を長く使う。現場の移動を整える。

エコドライブは、その入り口になります。

自社の車両管理をどこから整えるか考える機会に

エコドライブは、難しい取り組みに見えて、実はかなり現場に近いテーマです。

「燃費を見たいが、記録がバラバラ」 「車両台数が増えて、管理が追いつかない」 「安全運転のルールを作っても、現場に定着しない」 「原価管理の中で、燃料費や移動コストをもう少し見える化したい」

こうした悩みがある会社は、今回の推進月間をきっかけに、自社の車両管理や安全管理を整理してみるとよいと思います。

ネクスゲートでは、中小・専門工事会社の経営課題を、現場・採用・組織・原価・デジタル活用まで横断して整理し、実行まで支援しています。車両管理や燃料費の見える化も、原価管理や安全管理とつなげて考えることが大切です。

「うちの場合は、何から見ればよいか」 「Excelで十分なのか、仕組みを変えるべきなのか」 「安全会議にどう落とし込めばよいか」

その段階からでも大丈夫です。無理な営業はいたしませんので、状況整理の相手として使ってください。

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